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【映画】『哀愁しんでれら』人の本音と建前がわかりやすく描かれている【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『哀愁しんでれら』は、悪いこと続きの独身女性の前に、年上の子持ち開業医が現れて電撃結婚。最初は幸せいっぱいだった主人公が、幼い子供の親になり、過剰な愛を与えなけえばいけないことに苦しめられるサスペンスです。

「映画館で見なくてよかった」
「結末に唖然」

というレビューが目立ちます。


家族の中で『子ども』が一番大切にされるべきといった極端な表現がシュール

「子どもを愛し育てることについて」考えさせられるところも

 



ストーリーと率直な感想を書きますので、よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

【映画】『哀愁しんでれら』

 

作品情報


監督・脚本:渡部亮平

2021年 114分  

<キャスト>

・福浦小春(土屋太鳳)
・泉澤大悟(田中圭)
・泉澤ヒカリ(COCO)
・福浦千夏(山田杏奈)
・福浦正秋(石橋凌)


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ストーリー

児童福祉事務所に勤務する小春は、母親に捨てられ、自転車屋を営む父、大学受験を控えた祖父の4人で暮らしている。

ある晩、祖父が自宅で倒れて病院に搬送するため自宅を留守にしたが、帰ってみると店が火事で燃えていた

自転車屋は廃業に追い込まれ、妹は経済的理由から大学受験を断念すると言い出す。
また小春には売れないミュージシャンの彼氏がいたが、浮気の真っ最中に遭遇してしまう。

絶望した小春が夜道を歩いていると踏切内で泥酔した人が倒れている。このまま放置したらどうなるんだろう、とった思いが過ぎるものの、さすがに放置できず救出する。

小春が助けたのは、泉澤大悟という開業医。大悟は小春のことを命の恩人だからと、小学生の大悟の娘ヒカリを交えて家族ぐるみで交流する。

妻を亡くした大悟は、小春に自分の妻に、ヒカリの母親になって欲しいとプロポーズ。小春と大悟は知り合って一ヶ月で結婚する。

経済的ピンチからセレブ妻になった小春に、まるでシンデレラのように幸せが訪れた。

しかし小春の幸せは束の間、やがて友好的だった娘ヒカリの奇行に気づき出して……。

 


Prime Video

 

好きなところ

 

前半のスピード感はそそる

冒頭で土屋太鳳演じる小春が、女の子は将来の不安を誰もが抱えていると語るところから本題に入ります。

そこから物語は小春の日常に。小春が幼いときに母に捨てられた記憶に始まり、一家の生活が困窮気味なことも暮らしぶりから伝わります。妹が大学進学を諦めると話しているときに祖父が倒れて大騒ぎ、店が燃えてしまい、彼氏の浮気を目撃と、不幸が続くところはリズムがあって面白い。

あと、踏切内で倒れている大悟を、咄嗟に助けことを迷うところも、人間の本音が感じられました。通行人は小春ただひとり。自分のことで頭が一杯の小春は、正直他人のことなんてどうでもいいという本音もあるかもしれない。それに自分が放置したらどうなるといった好奇心もあったかもしれない。

実際に踏切で人が倒れていたら放念することはあり得ないし、小春も最後には助けているのですが、「関わりたくない」「面倒」「放置したらどうなる」といった本音は誰でもあるはずで、この選択も後に続く、親はどこまで子どもの責任を取ればよいのか、どこまで信じ与えればよいのかといったこの物語のテーマを連想させます。

 

 

残念だったところ

 

素晴らしい親になるための努力(ネタバレあり)


結婚当初は幸せいっぱいで何不自由のない生活を手に入れた小春でしたが、すぐに娘のヒカリの奇行に気づく。

具体的には小春が手作りしたペンケースをトイレに捨てられていたり、お弁当を食べていなかったり、クラスの男子が自分を攻撃すると嘘を吐いたりと、なかなか姑息です。

でも父親の大悟は、やはり自分自身のコンレックスから、ヒカリを盲信することが愛情と信じて疑わず、小春にも同じことを要求します。でも頑張っても盲信することはできず、ついヒカリに手を上げてしまったことがバレた小春は、大悟から「母親失格」を告げられて家を出ることに。

家を出る小春をなぜかヒカリは引き止めますが、限界を感じた小春は実家に帰ろうとし思う。でも、父にことの顛末を打ち明ける気になれず、やはり大悟の家に戻ります。つまりそれは大悟と同じ考えを持つということで、大悟の望むヒカリの母親になる覚悟を決めるということでした。

 

最近では『毒親』という言葉が一般的になりましたが、役割としての愛情と、自然に感じる愛情とはやはり質が違って当然だけど、それってなかなか口にできませんよね。それにこのヒカリって子、かなり癖が強いので、愛するには精神が崩壊しないと難しいのかも。



ラストは確かにおかしい(ネタバレあり)


ヒカリが自分を虐めていると言っている男子は、ほかの女子が好きで、ヒカリに見向きもしていませんでした。そこでヒカリの行動はエスカレートしていく。

 

その女の子は学校で転落死しているのですが、ヒカリが犯人として疑われるようになります。さすがに世間から白い目で見られるようになった小春と大悟は、学校の校医でもある大悟の立場を使い、まさかの報復を企てます。

ラストは本当あり得ないので、洒落だと思って見ることをお勧めしたいですね。

あとストーリーとは直接関係ないけど、田中圭っていつでも田中圭だなとしみじみしたり。

子どもが騒ぐ場面が出てくるので、そういうの苦手な方にはお勧めできない映画だと思いました!

 

 

▼土屋太鳳主演映画はこちらにもあります!

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それではまた。のじれいか でした。

【映画】『君が落とした青空』タイムリープなようで実は…【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『君が落とした青空』は、高校生のタムリープ・ラブストーリー。映画好きなカップルが、同じ一日を繰り返します。

「今ひとつよくわからなかった」というレビューを見かけるので、たぶんこういうことなのではと、個人的解釈を含めたネタバレあり解説をしていこうと思います!



彼を救えるのか、主人公女子!

同じ日が、自分の気持ちで次第で変わるのは尊い

 



よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

【映画】『君が落とした青空』

 

作品情報


監督:Yuki Saito
原作:櫻いいよ

2022年 93分  

<キャスト>

・水野実結(福本莉子)
・篠原修弥(松田元太)
・本山佑人(板垣瑞生)
・西村トモカ(横田真悠)
・丸井佐喜子(莉子)
・実結の母(松本若菜)
・教師(矢柴俊博)


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ストーリー

水野実結篠原修弥は、同じ高校の3年生で付き合って2年のカップル

ふたりは毎月1日に映画を見に行くのだが、11月1日、修弥は用事があるからと、映画館のロビーで実結を残して去ってしまう。

その日の夜、修弥から連絡が入り、時計台の前でふたりは待ち合わせる


実結は、あまり会えないことへの不満や、修弥が同級生の西村トモカといるのを見かけ不安を感じていた。だが修弥に面と向かって尋ねられず、思わず「修弥なんかいなくなっちゃえばいいのに」と呟きながら立ち去る。

しかし、次の瞬間、実結の前方からトラックが接近、気づけばアスファルトに修弥が倒れている。

やがて、目覚めた実結は、今日が昨日と同じ11月1日の朝であることに気づく。それから実結は同じ日を繰り返すことになった。

そして実結は、修弥を事故から回避させようと、奮闘するのだが。

 

 

好きなところ

 

主演の福本莉子の透明感

主人公の高校三年生の実結役を演じてるのが福本莉子。
すごく肌が白くて透明感のある女優です。

沢口靖子、長澤まさみを輩出した『東宝シンデレラ』オーディションで、2016年にグランプリに選ばれました。すでに本作以外にも主演映画が公開されていますが、今後一層の活躍が期待される感じです。


タイムリープなようでタイムリープではない?(ネタバレあり)


実結は同じ日を繰り返すうち、時間の大切さを実感する。
そして、もし今日が最後であっても大切に過ごしたいと、考えるようになります。


同じ時間を繰り返すことでの意識の変化は、タイムリープ映画の名作『恋はデジャ・ブ』などが似た展開なので、思い出す人もいるかもです。




ただ本作はタイムリープかと思っていると、どうやら違うことがわかってきます。おそらく繰り返される7日間は、実結の脳内の意識の中の出来事、つまり実結の夢でした。

ただ、そうなると、実結の知らなかった修弥の秘密や本心をどうして知ったという疑問が出てきますが、意識の中で真実を悟る、そのことに薄々気づいていたと考えることもできそうです。

実結は病院のベッドで目覚め、自分を救おうとして負傷した修弥の姿に愕然とします。

つまり現実では、最初に映画を修弥にドタキャンされ、夜になって時計台で待ち合わせをして立ち去ろうとした実結がトラックに轢かれ、守ろうとした修弥も負傷した、と考えられます。

 

同じ繰り返しではないと気づく主人公・実結(ネタバレあり)


あまり会えない彼氏、朝食にカレーを出す母親など、日常に小さな不満を募らせていた実結。

そんな実結は、タイムリープで11月1日を繰り返すうち、まったく同じ日は存在しない。自分の心持ち次第で、違う一日にできることに気づきます。


やがて実結は、修弥が本当に自分を思ってくれていることを知る。またふたりが付き合うきっかけは、映画の趣味が似ていたのが縁だと実結は思っていましたが、それは以前から実結を好きだった修弥が事前に調べていたからでした。

 

修弥の秘密(ネタバレあり)

 

修弥は実結に黙ってアルバイトをしていました。その理由は、付き合って1年の記念日のとき、実結はプレゼントを用意してくれたのに、自分は忘れていた。そのことを激しく後悔した修弥は、今回こそサプライズをしたいと考え、内緒でアルバイトをしていたのです。

 

修弥が映画館から消えた理由(ネタバレあり)



押しの強い女子高生トモカは、修弥のバイト仲間で、修弥に片想いをしています。トモカは、実結が修弥との関係に悩み、自信がないことにつけこみ、邪魔をしていただけでした。

映画館で修弥が去ったのは、バイトのシフトが入っていると、トモカから嘘の連絡が入ったから。

その日は自分の誕生日だったトモカは、修弥に告白をしようと考えていたのです。



残念だったところ

 

いろいろ曖昧でわかりにくい(ネタバレあり)


テーマもいいと思うし、タイムリープものとしては変化球で楽しめるストーリーですが、展開がわかりにくい印象でした。

何より、修弥がアルバイトを隠すことに共感できず、映画館の劇場でドリンクまで買っていながら、用ができたから帰るっていうのはあり得ない。

せめてそのときは、理由くらい打ち明けた方がいい…。

それにトモカが修弥を映画館まで探しに現れるのは、さすがにどうかしている……。

 

▼タイムリープ映画はこちらにもあります!

 

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それではまた。のじれいか でした。

【映画】『honey ハニー』親世代に見て欲しい本気の恋愛物語【ネタバレ・感想】

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『honey』は、幼いときに両親を亡くして叔父と暮らす女子高生と、元不良の男子高校生の恋の物語。

平野紫耀、平祐奈の共演です。リアル世代はもちろん、親世代でも感動できそうなラブストーリーでした。

平野紫耀の赤髪がいい!

恋愛をつうじて、大人への階段をのぼる姿が描かれている

 

ストーリーについて、感想をネタバレありで書きます。

よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

【映画】『honey』

 

作品情報


監督:神徳幸治
原作:目黒あむ

2018年 105分  

<キャスト>

・小暮奈緒(平祐奈)
・鬼瀬大雅(平野紫耀)
・三咲渉(横浜流星)
・八代かよ(水谷果穂)
・西垣雅(浅川梨奈)
・権瓦郁美(佐野岳)
・南野葵(臼田あさ美)
・鬼瀬香緒里(中山忍)
・小暮宗介(高橋優)

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ストーリー

中学生の小暮奈緒は、喧嘩で傷つき道路に蹲る鬼瀬大雅を心配し、傘と絆創膏を手渡した。

その後、高校生になった奈緒は、鬼瀬に呼び出され「結婚を前提に付き合ってください」と告白される。

ビビりで怖がりの奈緒は、髪を赤く染めた強面の鬼瀬が怖くて、思わず交際をOKしてしまう。

だが、奈緒には、親代わりで自分を育ててくれた叔父・宗介への、淡い恋心のようなものがある。

最初、奈緒は、鬼瀬を恐れていたが、料理上手で心優しい鬼瀬の意外な面に触れてゆく。そして鬼瀬は、奈緒の宗介への想いを理解し、好きだけど、友だちになることに。

 

しかし、やがて奈緒は、鬼瀬に心惹かれていることに気づき、今度は、自分から鬼瀬に告白する。

晴れて恋人同士になった二人だった。

鬼瀬は、宗介のところに交際の挨拶に行き、命に代えても奈緒を守ると話すが、逆に鬼瀬に「どうしやって守る」と強い口調で言われてしまう。

鬼瀬は、決して適当な気持ちで言ったことえはなかったのだが、より具体的に奈緒との未来を考えるようになって……。


 

好きなところ

 

とにかく主演の二人がかわいい 

とにかく平祐奈と平野紫耀の二人がすごく似合っています。

ビジュアル的に合っているし(イケメン&かわいい)、演じるキャラクターも魅力があります。

平野紫耀の演じる鬼瀬大雅は、不良に見えるけど実は正義感の塊で、困っている人を放っておけない性格です。それほどキャラが深掘りされてはいませんが素直にいいなと思えます。

平祐奈の演じる小暮奈緒は、両親を交通事故で亡くし、叔父・宗介に育てられました。宗介は奈緒をすごく大切に育ててきた。だから普段の奈緒は精神的に安定していますが、ビビりな部分や、両親が亡くなったトンネルに行くとパニックを起こすなど、トラウマが解消されていません。

平野紫苑と横浜流星の友情が尊い

鬼瀬のクラスメイトの三咲渉は、自分から交流できる性格ではなく、帰国子女なこともあって、周囲と馴染めず一人でいます。

そんな三咲のことを、かつての自分に重ねる鬼瀬は、自分から三咲に近づき、やがて二人のあいだに友情が芽生えます。

物語的には、鬼瀬&奈緒のラブストーリーなので、あっさりとすぐに仲良くなったりしますが、イケメンの二人の友情をさらっと楽しめました。


叔父と姪っ子の愛に涙!(ネタバレあり)

この物語の中心は高校生の恋愛ですが、もう一つの見せ所に奈緒と叔父の宗介との関係があります。

この宗介は、幼い奈緒を残して両親が事故死し、以来親代わりになり奈緒を本気で守ってきました。

宗介は、奈緒の両親が営んでいたカフェを継ぎましたが、それ以前はなんと宇宙関係の技術者の仕事に就いていた。奈緒に寄り添うため夢を諦めていたことが明らかになります。

カフェ店長として女子に人気の宗介ですが、実は進むべき道を断念しても姪の奈緒の成長を選んだ、まさに命懸けで奈緒を守ってきたのです。

けれど成長した奈緒に鬼瀬という恋人ができ、宗介自身は同僚の南野葵から種子島で始まるプロジェクトに呼ばれている。二人は別れの予感が訪れます。

子どもの頃、自転車の練習をして後ろを持ってあげた宗介は、今はすいすい自転車に乗れる奈緒の後ろをあえて持ち、思い出と一緒に彼女を鬼瀬に渡す場面は、本気で泣けました。(別に子どもいないけど)

家族は成長すれば、関係を変えなければいけない時が訪れるもの。

でも、宗介と奈緒の別れは、決して寂しいだけではなく、心の自立と二人の幸せな未来のために必要なことが伝わってきます。

叔父の宗介を演じたのは、高橋優。この人ミュージシャンだよねーと思いつつ観ていましたが、役柄と合っているし、見せ場もよかった。最近、映画やドラマで見かけません。音楽活動が忙しいのでしょうが、演じる姿も見たいかな。


残念だったところ

 

ラストのドタバタが残念(ネタバレあり)

鬼瀬と宗介の絆が深まる展開として、ドタバタ劇が怒ります。

奈緒が、友だちの八代かよの彼氏たちに拉致られ、助けに行った鬼瀬と殴り合い……それを救出したのは三咲と宗介。ちょっとベタかな、ここまでやらなくてもよかったように思えました。

▼恋愛って素敵! いのち短し恋せよ少女 な恋愛映画はこちらにもあります!

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それではまた。のじれいか でした。

【映画】『あしたのパスタはアルデンテ』パスタ会社の家族のコメディ【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『あしたのパスタはアルデンテ』(Mine vaganti)は、イタリアのパスタメーカーを経営する家族の姿を描いたコメディドラマです。

後継者になりたくない次男が、兄の思わぬ暴走で、否応もなしに会社の事業に巻き込まれてしまうのですが……。

イタリア人は家族を大事にすることで有名ですが、そんな彼らでも色々あるのね。家族と個人について考えさせられる物語でした。

 

深みのあるコメディ

イタリアに行きたくなっちゃった〜

 

ストーリーについて、感想をネタバレありで書きます。

よろしければ、お付き合いください!

 

 


Prime Video

 

 

【映画】『あしたのパスタはアルデンテ』



作品情報


監督:フェルザン・オズべテク

2016年 107分  

<キャスト>

・トンマーゾ・カントーネ(リッカルド・スカマルチョ)
・アントニオ・カントーネ(ニコール・グリマウド)
・ビィンチェンツオ・カントーネ(アレッサンドロ・プレツィオージ)
・アルバ・ブルネッティ(ニコール・グリマウド)


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ストーリー


カントーネ家は、南イタリアの都市レッチェで、老舗パスタメーカーを経営している。

次男のトンマーゾは、普段はローマに住んでいるが、兄のアントニオが社長に就任するため帰省した。

社長就任の食事会の前夜。トンマーゾはアントニオに、勉強しているのは経営ではなく文学で、小説家を目指していること、そしてゲイなことを打ち明ける。そして明日、このことを家族に話すつもりだも。

すると翌日ディナーの席で、トンマーゾの先手を打って、兄のアントニオが自分はゲイだとカミングアウト。一同は騒然となり、怒った父はアントニオを追い出してしまう。

アントニオの告白により、ローマに帰れなくなったトンマーゾは、アントニオに代わり会社で働くことに。

しかしトンマーゾにはローマに恋人がいるが、ショックで倒れた父や、狼狽える母のことを考えると「実は自分もゲイで」とは言い出せない。

アテにし期待を寄せていた、長男アントニオに代わって、父の期待を一心に受けることになったトンマーゾは、共同経営者の娘アルバと共に、パスタ工場の仕事に励むことになった。

 

 

好きなところ

 

次男の困惑とやさしさがよく出ている

次男のトンマーゾは、密かに兄のアントニオにゲイであることを打ち明けます。するとアントニオは、そんなこと言ったら追い出されるだろうとニヤニヤしている。

それなのに蓋を開けてみれば、まさかの兄のアントニオの抜け駆け。父は心筋梗塞で倒れ、まさか放っておくこともできず、トンマーゾが会社の経営をすることになってしまう。

父親は人の良い男性ですが、ワンマンで古いタイプの人だから、息子がゲイという事実は受け入れ難い。それは母親も一緒です。

 

そんな両親のために、我慢をし続けてきたアントニオも限界だったのかもしれない。

トンマーゾからすれば、会社と家族を押し付けられた格好ですが、この人はやさしいので、自分までゲイ告白をしたら父親が死んでしまうと、仕方なく沈黙を守ることになります。

祖母の存在が効果的でよい(ネタバレあり)

映画のオープニングで、ウエディングドレスを着た美しい女性が登場し、何やらピストル片手に男性と揉めています。

これが誰かといえばカントーネ家のゴットマザー。創業者の妻で、トンマーゾの祖母にあたる女性の若き日の姿であることがわかってきます。

彼女は会社を創立してここまで大きくしてきましたが、その分、自分の幸せを犠牲にしてきた。だから彼女は、自分の孫たちに同じ思いを強いることを望んでいるかといえば、そうではない。

ときにすべてを壊すことも必要だと考えている。

経営はトンマーゾの父に譲っているため、口うるさいことを言うわけではないけれど、折々に触れて、トンマーゾにアドバイスをします。

それは彼女自身が、今でも犠牲にしてきた思いを大切に心に寄り添わせているから。

人生は一度きり。すべてを感情任せにはできませんが、かといって家族のためにすべてを犠牲にもできない。現代に生きるには、個人と家族のバランスが大切だよね、と考えさせられるところが多々ありました。

ラストで祖母が亡くなり、それによって父と息子たちは歩み寄る。一度は勘当された長男も再び一緒に協力していくであろうことを想像させつつ、物語は終わります。

 

アルバの役割も魅力的(ネタバレあり)


トンマーゾはパスタ工場で働くにあたり、共同経営者の娘アルバと行動を共にするようになります。

アルバは仕事ができて気の強さのある女性ですが、母を亡くし家族には恵まれていない。そういうコンプレックスから自分の性格に問題があると常々考えていて、見た目とは異なり、自分に自信がなかったりします。

そして密かに、トンマーゾに思いを寄せている様子ですが、いつまで経っても戻らないトンマーゾに会うため恋人が訪れており、なんとなく現実を知ることになる。

家族に振り回され自由を求めるトンマーゾと、孤独な影を抱えるアルバの立場が対比的に描かれていました。

 

監督自身と重なる物語(ネタバレあり)

映画の冒頭で、父に捧げる、といったテロップが出てきます。この物語は監督が、家族に捧げている物語らしいのです。

この映画を手がけたフェルザン・オズべテクは、トルコ出身の映画監督。自身もゲイで現在はイタリア在住だそう。イタリア人家族を、自身の家族にどこか置き換えるようにして、書かれた物語であることが想像できます。


残念だったところ

 

タイトルがキツイ

ちょっと邦題がダサすぎます。
パスタはいつでもアルデンテ、のはず!


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それではまた。のじれいか でした。

【映画】『時間離脱者』邦題が微妙だけどスルーしないでみてほしい名作【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『時間離脱者』(Time Renegades)は、韓国のサスペンス。

 

2015年と1983年、32年離れた二人の男性が夢を通じて繋がる。

本当にこれは超おすすめ。思わずうなってしまいました。

すべてがしっかりと回収されてゆく、本当に素晴らしいタイムリープ。

 

サスペンスだけど、タイムリープ

後から意味がわかってくるの〜

 

ストーリーについて、感想をネタバレありで書きます。

よろしければ、お付き合いください!

 

 


Prime Video

 

 

【映画】『時間離脱者』



作品情報


監督:クァク・ジェヨン

2016年 107分  

<キャスト>

・ゴヌ(イ・ジヌク)
・ジファン(チョ・ジョンソク)
・ユンジョン/ソウン(イム・スジョン)

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ストーリー

2014年の大晦日刑事のゴヌは、カウントダウンの群衆のなかにいた。
目的はスリ逮捕のためだが、その際に大怪我を負い、生死の境を彷徨う。

一方、32年前の1982年の大晦日、同じカウントダウン会場。
教師のジファンは、恋人のユンジョンに指輪を渡してプロポーズ。
いい雰囲気の二人だが、ユンジョンのバッグがスリに盗まれ、ジファンは犯人を追い格闘、負傷して生死の境を彷徨う。

ゴヌもジファンも一命を取りとめるが、その日を境に、32年の時差のあるゴヌとジファンの二人は、夢の中で繋がるようになる。

最初は驚くふたり。やがてゴヌは、夢で見たジファンの恋人ユンジョンと瓜二つの女性を見かけ、彼女に接近する。

するとユンジョンそっくりの女性は、ソウンという名の教師とわかる。ユンジョンと同じ学校に勤めているなど奇妙な偶然が続く。その後、ゴヌは、ユンジョンが殺害されていたことを知った。

当時、ユンジョン殺害犯として逮捕されたのは、ジファンとユンジョンの勤める学校の生徒の父親。

だが、犯人がほかにいると感じている、ジファンとゴヌは、お互いの夢を通じて事件を突き止めようとする。

 

 

好きなところ

 

タイムリープだが行き来はしない(ネタバレあり)

タイムリープ作品の多くは、主人公が過去と未来時を行き来しますが、こちらの『時間離脱者』は、主人公の男性二人(ゴヌとジファン)は、それぞれの時代から動くことはありません。

二人の男性が、夢で過去と未来を見ながら、事件を解決する。そこがとても斬新です。


本当いろいろよくできてる!(ネタバレあり)


物語の中心になるのは、教師のジファンの恋人ユンジョンが何者かに殺害され、その真犯人は誰かということ。

 

その真犯人は、ユンジョンのみならず、生徒たちも犠牲にしていました。過去に体育館が全勝し、生徒に多くの犠牲者を出したのも、女生徒たちが殺害されたのも、真犯人の仕業でした。


よく見ているとすべてが気持ちよく回収されていきますが、単なる回収劇にとどまらず、男女の深い愛をしっかり描いているところが魅力的です。

 

冒頭の二人がラストに戻ってくる(ネタバレあり)


1983年のジファンとユンジョンは、結婚後の新居探しで、高台の家を下見に訪れます。それは古い家ですが、ここに住む人は成功して出ていく縁起のよい家と、案内した不動産屋は話します。

二人は家を見てまわり、縁側で肩を寄せ合い、未来について語り合う。

そしてユンジャンは言います。

人は死ぬとき来世の自分を見るという。でも忘却の川を渡るとすべてを忘れてしまう。だから運命の人を再び探すことになる。私は生まれ変わったら、あなたに見つけてもらえるよう、同じ姿で生まれてくるから、来世でも必ず会いましょう、と。

ユンジョンのその言葉が、物語の中心になります。

やがてユンジャンは不孝にも亡くなったので、その家に二人が住むことはなかった。けれど30年後、ユンジャンはソウンとして蘇った。そしてユンジャンの事件を通じ、ソウンと出会ったゴヌは、ソウンに心を寄せるようなり、やがてその家は、ゴヌとソウンの家になる。

つまり、夢で繋がるゴヌとジファンも、ユンジョンとソウンと同じく生まれ変わりゴヌからすれば、ユンジョンは前世の自分だったのです。

 

残念だったところ

 

出来がよすぎてマニアックに(ネタバレあり)

本当によくできているのですが、凝りすぎているため、番人ウケする話ではないのかもしれません。

日本では劇場公開されていないようで、それもあってこのタイトルなのでしょうが、もう少し評価されてもいいのになと、ちょっと切なくなったりします。


▼タイムリープ映画はこちらにもあります!

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それではまた。のじれいか でした。

【映画】『フード・ラック!食運』焼肉版・美味しんぼでしっかり感動【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『フード・ラック!食運』は、実家が元人気焼肉店というライターと、グルメ記事の編集者が食の紹介サイトを立ち上げることになる、というドラマ。

監督と原作を手がけたのは「焼肉」に並並ならぬこだわりがある、ダチョウ倶楽部の寺門ジモンです。

 

思いのほか、真面目な話で感動したわ。

焼肉が食べたくなる〜、焼肉版『美味しんぼ』って印象かな

 

ストーリーについて、感想をネタバレありで書きます。

よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

【映画】『フード・ラック!食運』



作品情報


監督・原作:寺門ジモン

2020年 104分  

<キャスト>

・佐藤良人(EXILE NAOTO)
・竹中静香(土屋太鳳)
・佐藤安江(りょう)
・新生英二(石黒賢)
・古山達也(松尾勤)
・山田智洋(寺脇康文)
・滝沢二郎(白龍)
・滝沢小百合(東ちずる)


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ストーリー

かつて『根岸苑』は、佐藤良人母・安江がひとりで切り盛りする、人気焼肉店だった。だがグルメ評論家・古山達也に酷評記事を掲載され、その後、原因不明の食中毒を出してたことで店を閉じ、その後、安江は病におかされ闘病生活を送っていた。

18年後。随分前に実家を出た良人は、しがないライターとして活動している。

ある日、良人は、編集長の新生からグルメサイトの立ち上げの仕事を依頼される。安江の仕事ぶりを見て成長した良人は、本物の味を知る『食運』を持つ男へと成長していたのだ。新生の部下で、新人編集者の竹中静香とコンビを組み、二人は本物の焼肉店を探すことになった。

だがそんなとき、母・安江が倒れたと連絡を受け、良人は病院に駆けつける。すると安江の病はすでに末期とわかり、何も知らない良人はショックを受ける。

それなのに、良人は安江につれない態度を取り、病院に顔を出そうとはしない。

また行く先々の名店の焼肉屋は、安江と付き合いのある店も多い。だが、時折、古山達也とも遭遇してしまい……。

 

 

好きなところ

 

いい話です(キッパリ) 

寺門ジモンが5年もの期間を経て、構成を練っただけあり、とてもよい話です。

食べ物を扱う商売の大変さ、店と客を繋ぐ役割をするはずのグルメ評論家の影響力の大きさが問題として取り上げられています。たとえ悪気がなく真実を伝えたにしろ、最悪の場合、店は再起できず閉店に追い込まてしまうなど、メディアの影響についても考えさせられるところがありました。

そんなふうに、飲食店、とくに個人店を続けるには厳しさと覚悟が必要。だからこそ『根岸苑』をひとりで営んできた安江は、食中毒を出すようなことはあり得なくても、真実を追求せず店を閉じた。そんな安江は、同業者には自分の経験やスキルを惜しげなく与える懐の広い女性だった。

だから安江が『根岸苑』を閉じることになっても、安江が育てた技や技術は、他店に引き継がれていた、そんな繋がりが感動を呼びます。

 

肉の焼きっぷりがいい!


主人公は、EXILEのNAOTOです。ダンサーとして認識していましたが、彼の肉焼く姿や食べ方がとてもきれい、好感が持てます。

きっと肉の焼き方は、寺門ジモン師匠から相当仕込まれたんでしょうね。だんだんとジモンに見えてくる…見事な寄せっぷりの演技でした。

あと良人が興奮状態で喋りだすと、テロップのように文字が流れ出るところもよかった。ライターの良人の原稿として、また寺門ジモンからのメッセージとしても伝わってきます。


キャストが豪華(ネタバレあり)


この物語は、ライターと編集者が、本物の焼肉店を探す。『美味しんぼ』焼肉ヴァージョンのようなお話です。

本物の店を探していくと、その店の多くは、ライターの良人である焼肉屋の元店主、母・安江がかつて世話をした店ばかりだった。

安江が教えた、タレ、肉の切り方、付け合わせの糠漬けを、今の人気店が引き継いで守り続けている。だから最初、取材を受けたことで嫌な思いを経験した焼肉屋も、息子の良人の姿勢に、取材に応じると、考えを変える店も出てきます。

良人の味や食材への誠実さが周囲を動かしていく……そんな話ですが、本物の焼肉屋の店主は、寺脇康文大和田伸也東ちずる白龍峰竜太と大変豪華でした。

特別出演に大泉洋MEGUMIもちらっと出ています。あとダチョウ倶楽部リーダー上島竜兵もチラッと出演していました。(本人は出てきません)

また、グルメ評論家の古山達也は、『拾われた男』の松尾勤です。この人はびっくり顔がツボる役者ですが、ここではNAOTOとトークバトルを繰り広げていました。

 

 

残念だったところ

 

罪も許されるのよ〜(ネタバレあり)


安江の店『根岸苑』は、古山達也の酷評記事で、客足が一時は遠のいたものの、真面目に仕事を続けたことで、徐々に客足戻っていた。

そんなとき、食中毒騒ぎと、糠漬けに洗剤が入っていたことがわかり、安江は責任を感じて店を閉じました。

でも、安江を知る人は、そんなことになるはずがないとわかっていた。それに安江自身も本当はわかっていた。それを誰が仕掛けたのかということを。

真実は、母が忙しくなり寂しさを感じた、幼かった息子の良人がしたことでした。良人は成長するにつれ、自分のしたことの大きさを自覚し、母の安江に顔向けができなくなって、家を出ていたのでした。

なんとなく予想できましたが、ちょっと悲しいオチでした。


▼目と心とお腹で楽しめる、グルメ映画はこちらにもあります!

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それではまた。のじれいか でした。

【映画】『ハニーレモンソーダ』大人が見たいラブコメ【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『ハニーレモンソーダ』は、村田真優のコミックが原作。

これぞ令和の青春ラブコメ。

イジメにあっている女子と、彼女にさり気なく手を差し伸べる男子との爽やかな恋の物語です。

 

大人になってからこそ見たい映画かな。

ストーリーが◎ 非リアな青春を過ごした人でも記憶の上書き的な楽しみ方ができるかも!

 

ストーリーについて、感想をネタバレありで書きます。

よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

【映画】『ハニーレモンソーダ』



作品情報


監督:神徳幸治


2021年 111分  

<キャスト>

・三浦界(ラウール Snow Man)
・石森羽花(吉川愛)

・菅野芹奈(堀田真由)
・瀬戸悟(坂東龍太)
・遠藤あゆみ(岡本夏美)
・高峯友哉(濱田龍臣)

www.youtube.com

 

ストーリー

優等生の石森羽花は、中学時代に感情を押し殺してしまいがちで、周囲からは「石」と呼ばれイジメられていた。怯える日々を過ごす羽花に、同級生の三浦界が「どうして助けてと言わないんだ」と言葉をかける。

最初は界に対し、心を開けなかった羽花だが、そっけない態度の奥にある界の優しさに気づき、やがて素直に助けを求めるようになり、羽花の心は救われていった。

やがて羽花と界は同じ高校に入学すると、界の機転もあって羽花は友人もできて楽しい高校生活が送れるように。それと同時に、羽花は界への恋心を募らせていく。

しかし人気者で女子から絶大な人気がある界には、かつて羽花と同じようにイジメを救い、親しくしていた元カノのような存在の菅野芹奈がいた。

それに羽花が好きになればなるほど、界は心を閉ざすことがあり、羽花は心配になる。暗い影を背負う界に、自分には何ができるのだろうと、羽花は考える……。

 

 

好きなところ

 

主人公の二人がかわいい 


この物語の羽花と界の二人は、お肌つるつるのすべすべ、清潔感と若さが漲っています。

現実にはそうはいない二人なのでしょうが、仮想恋愛を楽しむにはなかなかよいキャストです。

吉川愛は、以前は違う名前で子役として活動したのち、一度は引退しましたが、再度違う事務所からスカウトされて女優として復活しています。まだ若いのにさすがの演技力、安定感があります。


ラウールはSnow Manのメンバー。俳優としてのキャリアはまだそれほど多くないのですが、個性的でいい味が出ていました。金髪もいい。


二人がデートでいろいろ食べ歩きます。
韓国スイーツ『トゥンカロン』が登場するところもかわいかった。





高校のメンバーがよい、大人が出てこない


主人公の羽花は、中学のときにイジメられて、界くんから助けられる。そして高校は自由な校風なことや、界の気配りがあって、夢に見ていたリア充ライフを手に入れます。


あまり複雑すぎない人間関係、先生が出てくることもないですし、そのぶん二人の関係に集中できるところがよかったですね。

あと先生で思い出したんですが、大人が本当に登場しない。青春ストーリーに大人は不要です。

 

残念だったところ

 

彼の家庭問題について(ネタバレあり)


最初、界くんは「羽花担当」で、イジメから彼女を救出する程度に考えていたし、友だちから聞かれたときは「恋人候補とは考えていない」と話していました。

でもやがて、羽花の誠意ある接し方もあり、界の心は羽花に惹かれるように。やがて恋人同士になります。周囲の温かい視線も微笑ましい。

……のですが、界くんには誰にも話していない問題がある。彼には両親がおらず生活のため働いていたという秘密でした。こういう話は現実にない話ではなく、実際に似たような話を耳にしたことがあります。だから同学年の羽花のサポートで彼は救われるのかなと、ちょっと考えてしまいました。

もし彼を心から救うことができたのなら、彼女の包容力は並大抵ではないのでしょうね。

 


▼大人が見たい。ラブコメはこちらにもありますー。

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それではまた。のじれいか でした。

【映画】『謎解きはディナーのあとで』ドラマ、原作を知らずとも楽しめる【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『謎解きはディナーのあとで』は、東川篤哉による人気小説。


2011年にドラマ化されましたが、こちらの映画はその劇場版として公開されました。

 

財閥のお嬢様とその執事が、難解事件の解決に挑む!

意外な展開がナイス。テレビ版を見ていなくても十分楽しめます。

 

ストーリーと感想をネタバレありで書きます。

よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

 

【映画】『謎解きはディナーのあとで』



作品情報


監督:土方政人


2013年 121分  

<キャスト>

・影山(櫻井翔)
・宝生麗子(北川景子)
・風祭京一郎(椎名桔平)

・海原真之介(鹿賀丈史)
・藤堂卓也(中村雅俊)
・藤堂凛子(桜庭ななみ)
・熊沢美穂/ファントムソロス(宮沢りえ)
・石川天明(要潤)
・レイモンド・ヨー(団時朗)

 

www.youtube.com

 

ストーリー


日本有数の財閥、宝生グループの令嬢・宝生麗子は、休暇を取りシンガポール行きの船に乗船した。

麗子が乗船した客船は、宝生グループの所有の超豪華客船で、麗子の名前がつけられた特別室が部屋があったりする。麗子は事件解決になると途端に毒舌になる執事の影山を引き連れて、優雅な休暇を楽しむつもりでいた。

ところが航海中の船内で殺人事件が発生。
偶然同船していた風祭警部とともに、麗子と影山は事件を調べることになる。

そして風祭がシンガポールに搬送する「ケーライオン」を狙うコソ泥もいるが、真犯人の狙いは別にありそうだと影山は察しをつけた。

そんなとき、麗子自身が何者かに拉致誘拐される。手持ちにない多額の身代金を請求された影山は、麗子を助けるために、有り金を叩いてカジノで一発逆転を試みるのだったが……。

 

好きなところ

 

豪華な設定と雰囲気が夢があってよい 

本作の舞台は船上なのですが、その船旅の風景が大変豪華なので、見ていて楽しめます。

クルーズ船は、シンガポールのスーパースター・ヴァーゴという旅客船。2019年の20年間を節目に、スーパースター・ファーゴとしてのサービスは終了したみたいです。どうやら名称が変更されたようで、現在はエキスプローラードリームという船として、ニュージーランドやオーストラリアで航海をしているようです。

船旅は贅沢な気持ちになれますし、楽しそうではありますが、時間もかかるのと船酔いがあるので、自分では楽しめないという方もいそうですよね(私は船酔いするタイプ)。

そういう人はせめて、物語の中で、船旅気分が味わえるだけでもポイントが高いんじゃないでしょうか。


キャストが豪華


テレビドラマのスペシャル版、番外編のような設定なので、テレビ版の豪華なキャストに加えて、更に豪華ゲストを招いているところが、楽しめるポイントだと思います。

鹿賀丈史、要潤、宮沢りえ、桜庭ななみ、竹中直人、生瀬勝久、中村雅俊などの有名俳優が登場します。


コメディ要素と事件解決のバランスが◎


物語はお嬢様と執事、で、お嬢様は実は刑事。

『こち亀』『貴族探偵』のような現実離れした夢のある設定です。

麗子と影山の遣り取りがテンポがよく面白いのと、限りなくコメディなのですが、ちゃんとラストでしっかりと謎解きをしてくれ、それが思いのほか納得できる展開だったのがよかったですね。

 

残念だったところ

 

犯人がすぐにわかってしまった(ネタバレあり)


最初は、風祭刑事の警護によってシンガポールに搬送される「ケーライオン」が狙われている? と思わせておきつつ、実はそんなにケーライオンを欲しがっている人はいないとわかる。

実は、麗子が旅行に出かける際に必ず持参する、旅のお守り「セイレーンの涙」を欲しがる人たちがチラホラいることがわかってきます。

そのあたりの事情は、最後まで見ないと絶対にわからない(と思う)のですが、犯人が誰なのかはすぐにわかってしまう。敢えて最初に犯人を匂わせているのかもしれませんが。

殺人犯と、セイレーンの涙を盗んだ犯人がまた別にいるオチは楽しめました。子供の頃、麗子がこの船に乗ったときに助けていた、怪盗ファントムソロスのエピソードはなかなかよかった。

 

 

▼こちらも執事が大活躍。noji-rei.hatenablog.com

 

それではまた。のじれいか でした。

【映画】『大空に乾杯』CAがスチュワーデスと呼ばれた時代【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『大空に乾杯』は、若いスチュワーデスたちが、仕事と恋を楽しむ恋愛群像コメディです。

1960年代に、絶頂期を迎えている、吉永小百合、十朱幸代、和泉雅子らのビジュアルが堪能できる映画でもありました。

 

 

吉永小百合、十朱幸代、和泉雅子らのビジュアルが堪能できる。

1960年代の「おしゃれ」な暮らしぶりが楽しめます!

 

ストーリーと感想をネタバレありで書きます。

よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

 

【映画】『大空に乾杯』



作品情報


監督:高木雅幸


1966年 96分  

<キャスト>

・滝村ゆり子(吉永小百合)
・矢部朝子(十朱幸代)
・工藤冴子(広瀬みさ)
・工藤ミチ子(和泉雅子)
・北倉誠(浜田光夫)

 

www.youtube.com

 

ストーリー


スチュワーデスの女性3人と、その妹による、家族と恋の物語。


滝村ゆり子は、お嬢さん育ちでおてんばな新人スチュワーデス。研修を経て搭乗するが、東京ー大阪間の飛行機内で「東京行き」と間違えてアナウンスしてしまう、おっちょこちょいなところがある女性。

実家暮らしのゆり子は、庭を手入れを頼まれたという、園芸大学の学生・北倉誠と知り合い、彼の無骨で強引なところが気になっている。その一方、仕事を通じて知り合った財閥御曹司の立花に気に入られ、二人の間で揺れる。

また、ゆり子の先輩スチュワーデス・工藤冴子は関名俊太郎という婚約者がいる。しかし冴子の母が入院中のため結婚を先送りにしている。そんなゆり子の前に別れた恋人が客として搭乗、過去が彼にバレたらと心配になる。

工藤冴子の高校生の妹・ミチ子は、夢みがちで気まぐれな性格。まだ高校生なこともあって、俊太郎やあらゆる男との恋模様を一人で妄想してその気になっている。


先輩スチュワーデスの朝子は、両親が海外におり、部屋を太郎くんという若い男とシェアしたり、車を有料で貸したりと、ちゃっかり稼ぎながら独身で気ままな暮らしを楽しんでいる。


女たちはそれぞれ、どんな幸せを掴むのか。

 

好きなところ

 

飛行機や職業ドラマではない (ネタバレあり)

この映画が公開されたのは1966年。客室乗務員(CA)が、スチュワーデスと呼ばれ、客室乗務員が花形職業として持てはやされていた頃の、選ばれた者たちのお話しです。

客室乗務員が主人公の物語はあらゆる時代に作られています。こちらの映画はタイトルが『大空に乾杯』なこともあり、飛行機内での出会いと恋を期待したくなるのですが、実際には飛行機の場面はあまり出てきません。

▼こういうのを期待してたんですが。。




どちらかといえば、スチュワーデスを職業に持つ女性たちのオフの物語といった方が近い。職業物語を期待するとちょっと違うぞとなると思います。

 

 


ただその分、シリアスさもあまりないし、全員が当時の女性にしては自由で奔放なのがよかったです。

吉永小百合演じるゆり子は、活発で酒豪、自分の考えに正直に生きている。

ゆり子に輪を掛けた感じなのが、十朱幸代演じる、朝子。恋人はいませんが、しつこい男を適当にあしらい、気持ちよく生きている。

唯一、落ち着いたキャラの冴子は、妄想癖のある妹のミチコに引っ張り回されて、ちょっと大変そうですが。


1960年代後半の街や暮らしを窺える


当時のバーやアパートの部屋、羽田空港近くの風景なども出てきます。

ゆり子の家は、両親がいて父は医師、母の家に養子に入ったため、夫婦仲が今ひとつしっくりこないらしいのですが、家はザ・昭和の民家、とった味わい深い住まいがよいです。

娘時代の吉永小百合もいいですね。ちなみに、母は佐々木すみ江、父は下村勉で、父母感はばっちりですが、想像するにこの二人から吉永小百合が生まれないだろーななどと思ったりもします。


残念だったところ

 

パンチがない(ネタバレあり)


吉永小百合と浜田光夫はコンビで何作も映画を撮っていますから、この面子だと吉永小百合の相手は間違いなく、農業大学の貧乏学生浜田光夫演じる北倉誠なんだろうなと何のひねりもなくわかってしまいます。

設定もいいし、吉永小百合が演じる大酒飲みのお嬢様キャラも新鮮です。

でもどこか盛り上がりに欠けるというのか、せっかくの豪華キャストでCAの物語を描くのなら、もっとぶっ飛んだ話でもよかったんじゃないかなと思ったりしました。

誰か一人くらい仕事で恋の出会いがあってもいい気がしたんですが、どうなんでしょうね。

また、この作品は、全日空羽田沖墜落事故が起きた3週間後に公開されているのは有名な話みたいですけど当時の世論などはどうだったのか、気になるところでもありました。

▼昭和の邦画はこちらにもあります。

 

 

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それではまた。のじれいか でした。

【映画】『雪の華』あり得ないラブロマンスもたまにはよいね!【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『雪の華』は、中条あやみ、登坂広臣によるラブロマンスでございます。

病気で余命を告げられた女性と、彼女と偶然知り合った男が、期間限定の恋人関係になる恋愛物語ですね。

いろいろと突っ込みどころがある映画ではあるのですが、主演の二人の魅力が光る作品ではありました。

 

中条あやみがかわいい

あり得ない展開も中条あやみで許せそう?

 

ストーリーについて、感想をネタバレありで書きます。よろしければ、お付き合いください!

 

 

▼名曲『雪の華』から想起した物語、劇中でも流れます

 

 

【映画】『雪の華』



作品情報


監督:橋本光二郎
脚本:岡田恵和


2018年 125分  

<キャスト>

・美雪(中条あやみ)
・悠輔(登坂広臣)

・礼子(高岡早紀)
・岩永(浜野謙太)
・若村(田辺誠一)

www.youtube.com

 

ストーリー

病院で1年の余命宣告を受けた美雪は深い絶望の中にいる。病院からの帰路、呆然とした㒼年橋を歩いていた美雪は、引ったくりにバッグを奪われてしまう。

落ち込んでいる美雪は、犯人を追うこともできずにいたが、その様子を偶然目にした悠輔が犯人からバッグを取り返す。そして「声出していけよ」と元気付けて去っていく。

後日、美雪は、悠輔が歩いているのを見かけて後を追う。すると悠輔は、カフェ店員として働いていた。

思わず客として店に入る美雪だが、悠輔は美雪のことを覚えていない。

やがて美雪は、悠輔が働くカフェが経営危機に瀕していることを知ってしまう。

100万円がなければ店が人手に渡るというのだ。

店長の岩永と悠輔の会話を聞いた美雪は、自分の貯金の100万円を悠輔にあげると言い出す。

 

驚く悠輔に、美雪は「その代わり、1か月間、私の恋人になってください」と期間限定の恋人関係になることを条件にあげるのだった。

最初は承諾できないでいた悠輔だったが、美雪の本気の申し出を引き受けることに。

そして恋人同士になった二人は、デートをするようになるのだが、悠輔は今ひとつ納得できずにいる。

けれど、美雪と会い続けていくうちに、悠輔もだんだんと美雪に惹かれるようになる。

ある晩、悠輔は兄弟と暮らす家に美雪を招き、楽しいひとときを過ごす。すると、その帰り道、美雪は悠輔にフィンランドへの旅行を誘う。だが、その旅は、二人の契約終了を意味していた。

 

 

 

好きなところ

 

中条あやみと登坂広臣のキャラが合っている(ネタバレあり)

中条あやみの演じる美雪は、職業は図書館書士で、北欧雑貨が好き、普段はメガネをかけている、恋愛にはオクテな女性です。

一方、登坂広臣の演じる悠輔は、両親を亡くし、弟と妹の親代わりとして面倒をみている。悠輔の仕事はカフェ店員ですが、亡父と同じくガラス作家への道を目指す、ちょっと無骨だけどそのぶん逞しさのある男性です。

下世話なことを言ってしまえば、中条あやみが引ったくりに遭遇したのを助けながら、数日後にはそのことをケロッと忘れている、単純でよい人であることが伺えます。間違ってもここで恩を売って連絡先を交換して……などという卑しさは持ち合わせていません。

そういう男性的キャラとしては、ヴィジュアル的にも保坂広臣は合っていると思いました。

また、この中条あやみと登坂広臣、二人の組み合わせもよかった。二人とも役者としても活躍していますが、他に本業がある感じも(モデル、歌手)立ち位置的に似ているので、無理なく見れた気がします。


本当に北欧でロケしているリッチ感がよい

 

美雪は北欧雑貨が好きで、お気に入りのノートにデート行きたい場所、したいことを綴ったりする乙女なのです。特にフィンランドで、幸運が訪れると言われている「赤いオーロラ」を見るのが夢だったりします。

それもあって美雪は悠輔をフィンランド旅行へと誘うのですが、そのときは普通に帰ってきてしまい、その後、美雪は単身で再びフィンランドに向かいます。

最初のフィンランド旅行で、美雪と悠輔は別れましたが、悠輔は何故、美雪が急に恋人関係を望んだのか、また、せっかく惹かれだしたのに、急に別れることを望むのか理解に苦しんでいました

そんなとき、悠輔は、偶然病院で美雪を見かけ、田辺誠一演じる医師・若村から全てを聞かされる。そして美雪を追って、悠輔も再度、フィンランドに向かいます。


フィンランドの街並みを二人で歩く、今どきあまりない贅沢感がありました。

(北欧といいつつ、ロケ地、北海道ではなかったです。)

 

残念だったところ

 

100万円で経営難になるお店(ネタバレあり)


悠輔が働くカフェはリバーサイドに位置する、アンティークな雰囲気がオサレなお店です。店も結構広く、現実的な目線でいえば家賃が大変そう。

そこに店のオーナーである、浜野謙太が演じる岩永が「100マンエンないと店が取られてしまう〜ゴメン〜」とメソメソするのですが、全く現実的ではありません。

このスケールの店で、100マンエンが手元にないようなら、店は潔く閉じた方が良さそうです。(笑)きっとすぐ同じ状態になるでしょう。

そう言われてみると、美雪の部屋や暮らしも贅沢ではないのに、どことなーく浮世離れしているし、京都に住んでいる美雪の母・高岡早紀もどこかふわっとし過ぎていました。

しかもフィンランド旅行を終えて、一度は別れた悠輔と美雪でしたが、美雪の秘密と単身フィランドに向かったことを知った悠輔は、美雪を追うことに。渡航費はどうしたんだろうと、また心配になります。

ラストの二人の再会は、レヴィの積雪の高原にいきなり一人で佇む美雪のところに悠輔が現れて……という大変ロマンチックな場面です。雪道が封鎖され、走って彼女の元へと向かうデンジャラスな展開は一直線な恋心が炸裂する様が描かれていますが、現実から離れるにしたがい、見ている側の取り残され感が残りました。

もちろんフィクションストーリーなので、現実的でなくてもよいのですが、ここまでやってしまうのなら、思い切ってファンタジーにしてもよかったかもしれません。



▼中条あやみの映画はこちらにもあります!

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それではまた。のじれいか でした。

【映画】『ちょっと思い出しただけ』別れから始まるラブストーリー【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『ちょっと思い出しただけ』は、別れた恋人が、過去を遡っていく物語。

彼と彼女が過ごした6年間を彼の誕生日ごとに振り返っていく物語です。

別れを描く物語は洋画では多いですが、邦画では珍しいかな。

 

ダンサーとタクシー運転手の職業が面白かった。

池松壮亮と伊藤沙莉のカップルがナイス!

 

ストーリーについて、感想をネタバレありで書きます。

よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

【映画】『ちょっと思い出しただけ』



作品情報


監督:松井大悟


2021年 115分  

<キャスト>

・佐伯照生(池松壮亮)
・野原葉(伊藤沙莉)

www.youtube.com

 

 

ストーリー

 

ダンサーの佐伯照生は足の故障でダンスを断念、舞台照明の仕事をすることになった。照生は誕生日の7月26日にダンス仲間と行きつけの飲み屋にいる。


タクシー運転手の野原葉は、かつて演劇の道を志したことがあり、友人の舞台を見にいて照生と出会っていた。

コロナ禍の中、仕事で客を降ろした劇場で、葉は、舞台の隅で一人踊る照生を見てしまう。

 

 

好きなところ

 

邦画では珍しい別れの物語(ネタバレあり)


ざっくり言うと、別れた恋人が過ごした過ごした6年間を、彼氏・照生の誕生日である7月26日に焦点を当てて描かれるお話です。

照生と葉の恋模様は、時系列では進まず、断片的に前後しながら進みます。

6年間の変化は、ダンサーの照生は髪を伸ばしていましたが、足の怪我でダンスの仕事を諦め、照明の仕事にキャリアチェンジします。


以前、髪の長い照生に、葉が誕生日プレゼントにバレッタを贈りましたが、それは不要になり、それも見る側に二人の時間の立ち位置を教えてくれます。

また物語が2021年7月からスタートして遡っていき、コロナ禍の現実が忠実に再現されています。


別れの映画は洋画に多いですね。真っ先に思い出したのは『ブルーバレンタイン』でした。恋が破綻する恋愛映画には『COMET コメット』『500日のサマー』といった名作もありますが、そういった作品にも寄せている印象でした。


二人の職業が新鮮でいい


タクシー運転手の葉は、夜の仕事をしていそうな乗客から(高岡早紀)との雑談で、「仕事の好きなことって何?」と聞かれます。

葉は「何処かに行きたいと思うけど、何処に行けばいいかわからないことがある。だけどタクシー運転手は、お客さんに行き先を決めて貰えるから、いつでも何処かに向かっているように思える」みたいに答えるのですが、そういう気持ちはすごくよくわかりました。

ダンサーの照生は、池松壮亮が演じているだけあり飄々としたキャラクー。だから足の故障という大ショックを比較的冷静に受け止めています。でも実はかなりつらそう。そのあたりから二人の関係が変わっていくことになります。

 

永瀬正敏の待つ男の意味(ネタバレあり)


二人が暮らすアパート近くの公園で、ずっと妻を待ち続けているおっさんが永瀬正敏が演じるジュンさんです。二人の時間が流れていく中、実はおっさんには亡くなった妻をただ待ち続けています。

変わっていく二人と、変わらないおっさんの対比は味わい深さがありました。

 

残念だったところ

 

6年続いたカップルなの?(ネタバレあり)


誕生日の1日を切り取っているので、見える風景は限定的ですが、それでも全体を俯瞰すると6年間続いたカップルにはちょっと見えませんでした。

二人が結婚していれば、別れのとき、もっと苦しみが伴い、それこそ『ブルーバレンタイン』のようになりそうですが。

あと、やはり切り抜いているのが照生の誕生日という1日なので、そこがいいという考えもあると思うのですが、二人の全体が見えないのがちょっと物足りなくも思えました。

 


▼池松壮亮の出演作品はこちらにもあります。

 

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それではまた。のじれいか でした。

【映画】『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』40代女性なら共感できそうなこじらせSFストーリー【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』(Ich bin dein Mensch)は、孤独な独女が自分の欲望を満たしてくれるアンドロイドと暮らすというSFファンタジー。

 

自分を満たしてくれる唯一の存在がアンドロイドという切なさ。

コメディ要素もあるけれど、考えさせられるところも。アラフォー以上の人には共感できるところがありそう!

 

ストーリーについて、感想をネタバレありで書きます。

よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

【映画】『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』



作品情報


監督:マリア・シュラーダー
原作:エマ・ブラスラフスキー


2021年 105分 ドイツ 

<キャスト>

・アルマ(アレン・エッゲルト)
・トム(ダン・スティーヴンス)
・テラレカ社の営業(ザンドラ・ヒュラー)

www.youtube.com

 

ストーリー

 

博物館の考古学社であるアルマは、研究資金を得るため、企業の極秘実験に参加する。

その実験は、独身向けに開発された、伴侶用のロボットと暮らすというもの。

アルマの前に現れた、ロボットのトムは、完璧な容姿の青年で頭脳明晰でパートナーとしては完璧。

全女性の恋愛や意識のデータに加えて、アルマの好みと意識に応じるよう、完璧にプログラミングされているため。

 

最初アルマは、ロボットと暮らすことに抵抗を感じ、トムに心を開くことはない。だがやがて、少しずつだが、アルマの中でトムの存在が大きくなっていく。

二人はリラックスした時間を送れるようになるのだが、アルマは自分の気持ちの変化に恐れと虚しさを感じるようになる……。

 

 

好きなところ

 

一人暮らしの人には沁みる(ネタバレあり)

 

アルマという女性は40代で独身。パートナーがいた時期もありましたが、今は独身で、子供はいません。

なのでアルマの日常は、博物館での研究と、郊外で暮らす父親の介護がほとんどです。

仕事には恵まれているけれど、寂しさだってあるし、先々への不安もあるはず。

そんなアルマは、3週間という期間限定で、伴侶ロボットを試すことになりますが、最初の目的は研究資金欲しさ。そのためトムとはぎこちなく接することしかできない。


だけどイケメンロボットのトムは、アルゴリズムを搭載しており、頭脳明晰で家事能力だって高く、しかもイケメン。そして何よりアルマの望む行動をするように設定されているため、プログラミングだとわかりながらも、アルマは心を許すようになる。

やがてアルマとトムは、心を通わせるようになり一線も超えますが、そこでやはりアルマはわかりきっていたことを改めて実感して愕然とします。

それは、どれだけ深く関わってもトムはアルマ自身でしかなく、二人の人間はそこに存在していないこと。

つまりアルマは一人でいるのと同じということでした。

 

ロボット主演でないところがよい


ロボット(と、ここでは書きましたが、アンドロイドとかAIとか、そういう類)を取り上げたSF作品は無数にあります。この作品が面白いのは、主人公はあくまでアルマで、トムはアルマの心の投影であるということ。

人間に寄り添うことが目的のロボットを前に人間の戸惑いや、受け入れることで生じる、人生の虚しさや切なさがテーマになっているところです。

間違ってもロボットが氾濫を起こすことはないので、そっち系の物語を期待する場合は不向きですね。

個人的には便利さの先にある、人の心の葛藤がメインのストーリーの方が、これぞSF作品だと感じるのですが、どんなものでしょうか。

トム役のダン・スティーヴンスがかっこよき(ネタバレあり)

 

女性の欲求を満たすために製造されたロボットのトムは、堅物で神経質なアルマの要求にも見事に応じます。ただ、好みに近すぎる(望んだことが再現される)ため、逆にアルマをイラつかせてしまい、衝突も起こります。


そんな完璧なロボットのトムを演じているのは、イギリスの俳優、ダン・スティーヴンス。『美女と野獣』『ダウントンアビー』などでお馴染みですが、やっぱりかっこいい。


ロボット役の演技が見事。本当にロボットに見えてきます。

 

残念だったところ

 

ラストの解釈に悩む(ネタバレあり)


実験期間を終え、アルマはトムと暮らすことに限界を感じて、返却してしまう。情が移っているだけに痛みの伴う別れでした。

そして企業への報告書には、伴侶ロボットは想像以上にすばらしく、孤独を取り除いてくれる存在ではあるが、あまりに簡単に欲望が満たされ、人間同士の交流が不要になるという危機感から、反対であるという意見を述べます。


けれどそう答えながら、アルマ自身は、トムに自分の片割れのような愛情を感じるようになり、行方のわからないトムを探します。

きっとそのまま一緒にいるんじゃないかな。そんなふうに思えるラストなのですが、わかるようでいてちょっと不可解でした。

 


▼ちょっと変わった物語はこちらにもあります。

noji-rei.hatenablog.com

 

 

それではまた。のじれいか でした。