郷ひろみは歌手ですが、長いキャリアのなかでドラマや映画にも出演しています。
昭和を代表する名プロデューサ、久世光彦が監督を勤めた映画『夢一族 ザ・らいばる』にも主演で登場していました。
映画として面白いかといえば、正直そうでもない…のですが、20代の郷ひろみは、さすがに美しく、昭和の有名俳優は大勢出演しているので、記録的な価値はあります。
今だと絶対にあり得ない映像や設定が逆に新鮮でした。
ストーリーと時代背景、見どころをサラッとご紹介します。
🎦 U-NEXTは\31日間無料お試し/があるので、登録するといろいろな映画・ドラマが見られます。🎦
夢一族 ザ・らいばる(1979)
※本記事の情報は2021年6月時点のものです。 最新の配信状況はサイトにてご確認ください。
作品情報
90分
監督:久世光彦
キャスト:森繁久彌、郷ひろみ、岸本加世子、内田裕也、伊藤四郎、結城しのぶ、小林亜星、叶和貴子、成田三樹夫、由利徹、三谷昇
ストーリー
「睡眠口座」が物語の発端です。
長年動いていない預金口座のことですが、ある日、新聞広告に『眠り続けている口座があります。ご連絡をお待ちしてます』と何名かの名前が羅列した記事が掲載されます。
郷ひろみ演じるマコトは、広告を見て、持ち主が死んでいる可能性が高く要らない金だと銀行に電話をし、数名の名前から咄嗟に「雨笠」を名乗ります。
ですが、個人情報ゆるゆるの当時にしても、すぐに金を渡してもらえるはずはない。
マコトは、雨笠について調べ、20年間火災で夫婦が亡くなり、夫婦の当時4歳になる息子の治が行方不明なことを突き止めます。
ちょうど自分の年齢と合致すると気づいたマコトは、雨笠治になりきり銀行に行きますが、金を手に入れるには戸籍の写しが必要になります。
一方、森繁久彌演じる84歳の老人、雨笠治平は、孫の治の死亡届を出すため役所を訪れてマコトと出くわす。そしてなぜか治平はマコトを孫の治と呼ぶように。
役所の職員の内田裕也と伊藤四郎は、実は雨笠治平を追っている。マコトを治平の孫と信じる彼らによって、マコトは危険に晒されるのでした。
テレビシリーズの続編のようで異なる物語
この作品の原作はコーネル・ウールリッチの小説。久瀬光彦はテレビドラマが有名ですが、映画も撮っていたんですね。
雰囲気としては、昭和のドタバタホームドラマのテイストが、そのまま映画になった感じです。
『ムー一族』や『寺内貫太郎一家』のテイストを映画で楽しむにはいいのかも。キャストもテレビに出演している人がほとんどです。
登場する場面もストリップ劇場の舞台裏が登場します。まだあるのかなとちょっと調べてみたらまだありますね。でも数は激減している。時代ですね。
久世光彦の復帰作?
ちなみにこちらの映画は、当時TBSのプロデューサーとして人気番組を世に送り出していた久世光彦が、スキャンダルが原因で会社を退社した後の復帰作です。
当時は一大スキャンダルだったそうです。
岸本加世子がなぜ? 成田三樹夫が尊い(ネタバレあり)
岸本加世子が演じる薫は、成田三樹夫の演じる和尚が、下働きとして預かっている女の子です。このあたりもドラマにありがちな設定ですね。
薫は雨笠治平とマコトが祖父と孫とだ信じているので、二人の口論に割って入り、喧嘩を止めるために脱ぎ出します。演出指示があったからに決まっていますが、かなり無意味なまっぱ姿でかわいそうでした。
あと成田三樹夫の凛々しさが素晴らしい。何かを持っていそうな男が醸し出す存在感があります。成田三樹夫というと松田優作主演のドラマ『探偵物語』の刑事役、やくざ映画を思い出す人が多いと思いますが、この映画では役は物静かな常識人。個人的には郷ひろみより好きかも。光っていました。
▼ザ・昭和の映画はこちらにも!
それではまた。 のじれいか でした。