映画『PとJK』はタイトルどおり、警察官と女子高生のラブコメです。
原作は三次マキの漫画。
主演は亀梨和也と土屋太鳳で、ちょっと意外な組み合わせで新鮮な印象を持ちました。
ストーリーの感想をネタバレありで書いていきます。
PとJK
作品情報
製作年度 |
2017年 |
上映時間 |
124分 |
監督 |
廣木隆一 |
キャスト |
嵯峨野功太
本谷歌子(土屋太鳳)
大神平助(高杉真宙)
矢口三門(玉城ティナ)
永倉二郎(西畑大吾) 江口のりこ 川瀬陽太 河井春葉 高橋メアリージュン ともさかりえ 大政絢 田口トモロヲ |
予告
恋をすっ飛ばして夫婦になる警官と女子高生
女子高生の歌子かこ(土屋太鳳)は、16歳という年齢を偽って合コンに参加。
真面目な警察官、佐賀野功太(亀梨和也)と知り合うが、歌子が未成年と知り一度は拒絶。
でも不良高校生の大神(高杉真宙)と功太の言い争いに巻き込まれて怪我を負った歌子を本気で好きになった功太は、いきなり歌子にプロポーズ。歌子の家族や警察署の先輩を説得して夫婦になります。
高校生と警察官が付き合うわけにはいかないが、一緒にいられる手段として結婚を選ぶ生真面目な功太が、女子をきゅんきゅんさせることは請け合いででしょう。
10代女子にとって「結婚」という響きが崇高に感じられる時期があるものですが、そんな乙女なマインドに訴えかけてくるストーリーです。
まして相手はイケメンの警官。誰かに守られたい女子の夢を叶えてくれるという美味しさも含まれている。
ただ、それだけでは話にならないので、かつて功太はワルで、功太の父親も警察官だったこと、また父は功太を守って殉死したこと、そういった過去から功太が警察官を目指した背景が見えてきます。
功太の葛藤・ネタバレあり
父の死をきっかけに功太は警察官への道を選んだ。
でも功太は、警察官と1人の人間としてのバランスにも悩んでいる。父の殉死を自分の責任と思っていて、どれだけ自分が頑張っても父には敵わず、また悲しみも癒せずにいた。そのことは姉(河井青葉)や上司(田口トモロヲ)はよく知っているけれど、出会ったばかりの歌子に話したいことではない。
警察官としての秘密と、功太が抱える葛藤を感じる歌子でしたが、自分の入れない世界があることを知った歌子は、功太とすれ違っていくのでした。
土屋太鳳は愛され役が似合う
愛されキャラの土屋太鳳はここでも当然愛されます。
邪悪で他人の不幸を嘲笑う土屋太鳳があまり想像できないように、この作品でも、土屋太鳳演じる歌子は、控えめさと積極性をバランスよく持ち合わせた健全な主人公を軽快に演じています。
亀梨和也との組み合わせも案外悪くはない。亀梨って深田恭子などなど、年上と一緒にいるイメージがどうも強いのですが、こういうのもいいですね。
悩みを抱える高杉真宙が魅力的
不良グループに入っている大神くん。
悪いやつなのですが学校に居場所がなく、また母親(江口のりこ)の恋人のDVオヤジが抱える借金に振り回されているといった事情があることがやがて明らかに。
高校では文化祭が近づき、歌子と友だちの矢口(玉城ティナ)、永倉(西畑大吾)らと準備をしているのですが、歌子は大神も仲間に引き入れ、友情を育んで行くのでした。
ただ、大神は歌子に密かに好意を持っていて、彼氏がいること程度に話しているけれど相手が警官の功太とは知りません。
本当は母親思いで、アルバイトに励むよい男子なのに感情を表に出すのが苦手。そういった不器用さがとてもよく出ています。高杉真宙はいい俳優だな。安定するし土屋太鳳と亀梨和也の間で上手に存在感を出しています。
所属事務所を2021年4月をもって退所することが発表されましたが、先々が心配です。NHKの朝の連ドラも降板してしまいましたね。
最悪な時期に別れてしまう2人・ネタバレあり
歌子の高校の文化祭に非番で訪れた功太。大神らも一緒に楽しい一時を過ごします。
しかし、大神が抜けたグループの仲間が文化祭に来ていて、大神をおびき寄せるために歌子を拉致してしまう。
それに気がついた功太と大神は、歌子を救うために奴らのアジトに向かう。
かなり強引な展開です。でも悪い連中は全然怖くないし、アクションも残念で緊張感は感じられませんでした。
でもその格闘で功太は腹部を刺されてしまい、一部始終を見ていた歌子は警察官の妻になることの重さや覚悟のなさに気づきます。そしてすれ違いがちだったことに加えて、いろいろ恐ろしくなってしまい、功太の前から去ってしまうのでした。
ここでかよ。という展開ですが、一度別れないと強い絆ができないので仕方ありません。
涙する2人、この恋は、このまま終わってしまうのでしょうか。
函館がドラマをロマンチックに・ネタバレあり
騒動が落着して、歌子の日常は一見して普通に戻ったように見える。
大神は母親が彼と別れ、母の実家に戻ることになって、街を離れることに。
功太は警察の講習会で歌子の高校を訪れ、生徒からの質問で「危険な職業である、警察官を選んだ理由」を問われた功太は、自分の父親の死のこと、自分は警察官は死と隣り合わせでいつ死ぬことも仕方ないと思っていたが、それは間違いだったこと、愛する人を残して死んではいけないのだと語る。
それを聞いていた歌子は号泣。功太と歌子は再び硬い絆で結ばれるのでした。
物語の舞台は函館
このドラマが成立しているのは、舞台が函館というのも大きい気がします。街並みも自然の風景もロマンチックです。
とくに頻出するのが歌子が通う高校なのですが、情緒があってすてきな校舎。遣愛学園という函館の学校がロケ地です。
【IAI】北海道 函館の女子中・女子高 | 遺愛女子中学校・高等学校
さいごに
10代の恋と夢、友情がつまった『PとJK』でした。
いいですね、リア充青春。ほど遠い青春だった人も、こういうラブコメで一時のリア充青春を味わえそうです。
まあ、現実的な話をしてしまえば、10代なんかで結婚してしまったら、その後、何度、結婚と離婚を繰り返すことになるんだよって話なのですが。
まして20代に入った途端、現実の波が押し寄せてきますので。
そんな意地悪なことを考えてしまう私は、非リア充アラフォーです。
それではまた。
のじれいか でした。