映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』。
フジテレビの月9枠で放送されていたドラマの映画版、第2弾です。
▼第1作目『コンフィデンスマンJP ロマンス編』 はコチラ
詐欺師のダー子、ボクちゃん、リチャードの3人が、これまで以上の大物の詐欺に挑むお話。
でも今回は騙す対象が実はちょっと違ったりして。
前回同様、多額のお金をゲットしてほしかったのですが、今回の流れはこれまでと異なりましたね。個人的にはちょっと残念かな。
登場人物は前回の『ロマンス編』に加えて、さらに豪華なキャストが加わっています。
評判どおりジェシーはカッコよかったです。
ここがよかった、ここが残念、ネタバレ、ジェシーのことなど書いていきます。
コンフィデンスマンJP プリンセス編
作品情報
製作年度 |
2020年 |
上映時間 |
124分 |
監督 |
田中亮 |
キャスト |
ダー子(長澤まさみ) ボクちゃん(東出昌大) リチャード(小日向文世) 五十嵐(小手伸也) コックリ(関水渚) ちょび髭(瀧川英次) 鈴木さん(前田敦子) ブリジット(ビビアン・スー) アンドリュー(白濱亜嵐) クリストファー(古河雄大) 滝藤賢一(支配人) トニー(柴田恭兵) レイモンド・フウ(北大路欣也) スタア(竹内結子) 波子(広末涼子)
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予告
1 ここがよかった・信じれば真実になる!
世界で第3位の資産を有するフウ家の主、レイモンド・フウ(北大路欣也)が亡くなった。
レイモンドの子供たち、ブリジット(ビビアン・スー)、クリストファー(古川雄大)、アンドリュー(白濱亜嵐)は巨額な遺産を巡って火花を散らします。
レイモンドの執事、トニー(柴田恭兵)が、レイモンドの遺書を公開すると、全財産を隠し子のミッシェル・フウという人物に譲ると記されていたから大変。
ミッシェル・フウなる人物があちこちで名乗りを上げるも、どれも本人らしき人物ではない。
その話を聞きつけたダー子(長澤まさみ)。
ボクちゃん(東出昌大)リチャード(小日向文世)に、身よりのない貧しい少女、コックリ(関水渚)をミッシェルに仕立て上げ、フウ家から多額の慰謝料を受け取ろうと持ちかけます。
自信なさそうでぼんやりしているコックリの姿に「これは無理でしょ」とダー子を止めるボクちゃんとリチャード。だけどダー子は計画をやめるつもりはありません。
「本物も偽物もない、信じればそれが真実」
コックリに繰り返しそのことを言い聞かせて、ダー子とコックリはフウ家に乗り込んでいく。
コックリはミッシェルとして認められますが、4ヶ月後のお披露目のため、なんと屋敷で当主としての帝王学を学ぶことになってしまいます。
突然現れたコックリを認めるはずがない姉弟たちは、コックリとダー子につらく当たります。それに何やら危険な目にも遭ってしまう。
貧しく教養もなく、ただ頷くことしかできなかった少女(だからコックリ)が、教育を受け、外見も美しく磨かれ、自我に目覚めていく、その過程がなかなか面白い。
母と娘役を演じるダー子とコックリですが、だんだん本当の母と娘のようになっていきます。
もともとダー子は、ジェシーに騙された鈴木さん(前田敦子)の仕返しをしたり、女の子に優しい。前回弟子だったモナコ(織田梨沙)も、実はジェシーの仕込みだったのに軽〜く許していますからね!
そしてコックリも愛されるべき人物で、利用されていることを恨んだりせず、苦労人だからか、本人の素養なのか、短い時間でもこの経験ができることを感謝している。
このダー子とコックリの2人の関係が、真実を作り出していきます。
そこが好きなところで、今回の『コンフィデンスマンJP プリンセス編』の見所です。
信じれば真実になれたらどんなにいいだろう、それが率直な感想ですね。
いえいえ、それはコックリだからこそ可能だった。それが次第にわかってきます。
コックリもダー子同様、器が大きく懐の深い人物なのでした。
2 ここがよかった・過去より優れる者こそが高貴である
最初は慰謝料をもらってトンズラを目論んでいたダー子でしたが、、ブリジットも(ビビアン・スー)、クリストファー(古川雄大)も、アンドリュー(白濱亜嵐)もお金を払う気はないとダー子の提案をつっぱねる。
困ったダー子とボクちゃんは、フウ家に伝わる玉璽(王族??)の存在を知り、コックリをミッシェルとしてお披露目するパーティの際に盗み出そうと計画します。
値段にすれば1000億はくだらないという玉璽を見事にすり替えたダー子でしたが、同じく玉璽を狙っている赤星(江口洋介)に奪われてピンチに。
一方でコックリは、パーティで主人としてのスピーチをみごとに務め、4ヶ月間で別人のように成長した姿を披露するのでした。
映画のオープニングでヘミングウェイの言葉が流れます。
「高貴とは他より優れる者ではない。真の高貴とは過去の自分より優れる者である」
この言葉はコックリへの言葉ではなく、ダー子自身の成長をたとえた言葉。
コックリへの愛を、ダー子は形にした。
そんなダー子が、すべてが終わったあとで、自分の心をたとえたものだと思います。
3 ここがよかった・伏線は必ず回収される
登場人物が豪華で、見ていて飽きません。
台湾、シンガポール、マレーシアのランカウイ島と場面も豪華。
ランカウイ島では、毎年恒例のフウ家によるチャリティパーティが開かれ、そこには豪華なゲスト、かつての詐欺師たちが集結します。
ゲストたちも単なる賑やかしではありません。
ダー子たちにとって、それぞれの役割を持って登場しています。
落としたもの、拾ったもの。
交わした言葉のその全てが、必ず後に回収されます。
残念なところ・これは詐欺師じゃない!
玉璽を赤星に奪われたダー子でしたが、数枚上手なダー子だけあって(『ロマンス編』より。)赤星(江口洋介)をまんまと出し抜きます。
けれどもダー子は最終的には自らオケラの道を選んでしまう。
これでは詐欺師の話ではない。コンゲームではありません。
いい話ではあるのですが、普通のドラマになってしまった気がします。『オーシャンズ』シリーズみたいな爽快さを期待していたので、そこは残念でした。
誰でも観れる映画を意識したのか、シリーズのラストという噂もあるので美しく終わらせたかったのでしょうか。
それとコックリと一緒に屋敷から出れないダー子の動きは停滞気味。その分は仲間たちに任せることになります。(つまり後からわかる)
必然、この動きの早いストーリー展開がウリな物語にしては、動きが鈍ってしまったのが残念でした。
ネタバレ・ 本物も偽物もない!
最初は慰謝料、その後は玉璽と目的が変わっていきます。
でも本当のところ彼らは何も奪う気はなかった。それでいいと思うようになっていたのです。
レイモンドは、ダー子たちのような詐欺師が自分の財産をねらってくることを知っていた。ダー子たちは執事のトニーを騙すことはできたけれど、レイモンドの方が数段上手。そして亡くなっているレイモンドと無欲のコックリを引き合わせた形になりました。
ジェシーは踊り、踊らされ……
ジェシーの登場は、フウ家のパーティ会場。
またまた赤いスーツを着込んでいます。
予告でも流れるダー子とのダンスは、昔の恋人同士なのだから、もっとセクシーなものかと思ったら、 笑える流れでした。
ジェシーの狙いはブリジット(ビビアン・スー)でしたが、それはダメだとダー子に言われ、今回は会場に現れた赤星(江口洋介)から逃れるのが最優先課題になり、ダー子に踊らされます。
赤星に雇われたナイフ女子を誘惑する、一銭にもならない仕事をしまうジェシーはセクシーの無駄使いでしたが、それもよしかな。
「縛っちゃうぞ〜」(ジェシーの言葉に喜ぶ女子たち)
やれやれといったジェシーのクールな表情もまたステキでした。
本編が終了、エンドロールも終わったところで、突然、画面は劇場の舞台。
『蒲田行進曲』の階段落ちに似た場面で、銀ちゃんに粉したダー子が、転げ落ちていくヤス役のボクちゃんに「死ぬんじゃないよー」と声をかける。
『蒲田行進曲』の中ではない台詞です。
「死ぬんじゃないよ」
偶然の台詞が、沁みて仕方ない。
あれからずっと考えていることを、とてもシンプルな言葉で言い切られてしまった。
そんな気持ちになりました。
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それではまた。
のじれいか でした。