映画『コンフィデンスマンJP ロマンス編』。
2018年4月から2018年6月までフジテレビの月9で放送されたドラマの映画版。
昨日、同作品に出演した俳優の三浦春馬の訃報を知り、ショックで血の気が引きました。
三浦春馬という俳優の、出演作品を全部見ているわけではなく、大ファンなどと公言できる立場にはないのですが、容姿や雰囲気に唯一無二なものを感じていました。
とても好きな俳優ひとりです。
この作品の好きなところ、三浦春馬について書いていきます。
9/27追記:竹内結子の訃報を知り加筆します。まだ信じられない気持ちでしかありませんが、ただご冥福をお祈りします。
コンフィデンスマンJP ロマンス編
コンフィデンスマンJP ロマンス編 通常版DVD [ 長澤まさみ ]
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作品情報
製作年度 |
2019年 |
上映時間 |
116分 |
監督 |
田中亮 |
キャスト |
・ダー子/詐欺師(長澤まさみ)
|
予告
この作品の好きなところ
ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)という3人の詐欺師が、色々な騙しテクニックを駆使しながら、獲物(おさかな)をゲットするまでのドタバタコメディ映画です。
今回の舞台は香港。活気のある街中や、水上レストラン、重慶大厦、2階建てトラムなど、香港が好きな人なら楽しめる風景が存分に盛り込まれていました。
三浦春馬が演じるジェシーは、ダー子の昔の恋人で恋愛詐欺師。多彩な言語を操るスマートで謎の多い男。
ボクちゃんからは「若造」呼ばわりされるけれど、ボクちゃんより遥かにスマートでイケる男です。
香港の女帝リン・ソウ(竹内結子)のアジトで、ダー子はジェシーと再会。ジェリーはリンを落とそうとすでに接近していたのでした。
ダー子とジェシーが、九龍のホテル「ハーバーグランドカオルーン」の屋上プールで、夜景を眺めながらカクテルを傾けるシーンはよかった。別れた恋人と再会するにはもってこいの場所だと思います。
また女を落とすことはお手のもののジェシーですが、どうしてもリンが落とせずにダー子を訪ね、再び手を組まないかと誘う。その話をするビルの屋上での場面はドラマの山場ともいえる見所。
ダー子がジェシーに「リンを落とせないから私と手を組みたいんでしょ?」とズバリ指摘されると「きみは落ちたのに?」と切り返すジェシーの色気はすごい。
香港は美しく色気のある街で、ジェシーにはぴったり。
残念なことに香港は最近騒動が多いので、観光としてメディアに取り上げられる機会が減りましたが、やはり魅力的な場所だなと改めて感じさせられます。また行きたいな。
また登場人物は超豪華です。チョイ役に主役級の役者が登場するので、これもまた見所。
イマイチだったところ
動きはあるのですが騒々しいというか、慌ただしすぎるんじゃないかと。コメディ感を出したいためか、全編を通して名作映画のパロディが再現されるのですが、そこは滑ってました。
痛快さはありますが、あとからじわじわきたり、心に残るような話ではないかな。
ストーリーのどんでん返しについては、ドラマを全話見ていないので理解不足かもしれないですが、最初に登場する人や、最も信用しているか情緒的な相手は、騙しの対象になることが多く、ラストでネタがあきらかにされます。
ダー子を騙そうとしてダー子の弟子になるモナコ(織田梨沙)とジェシーの存在は、最初から騙し騙されの関係であることは明らか。
ロマンス編ということで、男女の恋愛と詐欺が絡まるストーリー上、小日向文世演じるリチャードは出番少なめ。変装でリチャードとわかる場面はありますが、リチャード自身もロマンスに絡ませて欲しかったかな。
ロマンスの行方は(ネタバレあり)
ダー子らと、ジェシーがそれぞれ狙う獲物はリンが所有する巨大なブルーダイアモンド。
ダー子はジェシーと手を組み、リンを騙してダイアモンドを手に入れ、ダー子はジェシーと逃亡を計ろうとする。
けれどダイアモンドを狙っているのは、ダー子たちだけではない。日本のマフィア赤星(江口洋介)もダイアモンドを狙っている。また以前も騙されている(ドラマで)ダー子に一泡吹かせてやろうと、ダイヤモンドを狙っていた。
しかもジェシーは赤星の手下で、ダー子をはじめから騙すつもりでいたけれど、そう簡単に騙されるダー子ではなかったのでした。(ダイアモンドは本物? 本物はどこ? 赤星の出資は? ラストでどんでん返しがありますー)
リンはダイアモンドをジェシーから奪われ、逃げられてしまい散々なようで、実はリンもジェシーを騙していたというコンゲーム。それにリンはリンではなかった? という落ちまでついてきます。
結局、詐欺師たちの愛は、仲間だけよねーという、色気のないオチ。
でもそこが魅力かな。
スタアという女詐欺師
竹内結子演じるスタアは、リン・ソウとして登場します。
つまり赤星とジェシーを騙す仕込みの存在なので、どれほどジェシーが色気を振りまこうとも、落とすことはできません。
でも落ちそうなのという仕草を見せるリン(スタア)はまた極上の色気がありました。
男女の触れ合いだけど、その場面は本当に美しくて見惚れてしまう。
このふたりがもう存在しないなんて、本当に信じられない。
このシーンを見ていて、三浦春馬と共演している竹内結子を気持ちを想像することはあったのですが。
でもこの映画では本当にふたりとも輝いている。
それが演じるということなんですね。
『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』で三浦春馬と共演した俳優市原隼人は、演じることの厳しさをインスタに残しています。
自分をすてて違う人間になることは、時に見ている側の想像を絶するつらさを伴うものなのでしょう。
三浦春馬という俳優
冒頭でも触れましたが、三浦春馬の大ファンではありません。
ただふと気づけばそこにいるという印象で、自然と目で追っていた俳優でした。出演していると知ると嬉しくなる俳優でした。
亡くなったことで凄くショックを受けましたが、あまりにショックを受けている自分自身に驚いています。
すごく好きだったのではないか。
うん、そうです、すごく好きだったけれど、無自覚だった。
そういうことなんでしょうね。
好きだと早くに自覚していたとしても、無論、私の中の問題でしかないこと。でも、そうしたら「キンキーブーツ」や舞台は見に行ったに違いない……などと今更しても仕方ない後悔をしています。
馬鹿みたいに泣けて仕方ない、本当に私は馬鹿なんだと思います。
『きみに届け』記憶に残ってる映画。
JUJUと司会を務めている「世界はほしいモノにあふれてる」。
三浦春馬さんとJUJUさんが出演している「世界はほしいモノにあふれてる」がとても好きでした。ご冥福をお祈りします。 pic.twitter.com/4l4t0P8eAm
— リンゴ (@lingo_2003) July 18, 2020
ジュエリーの回で、彼がムーンストーンとサファイアを選び、2連のリングをオーダーしたときは……。
正直、痺れました。
ムーンストーンのチョイスもいいし、ピンキーなのもかっこいい。
ムーンストーンは地味な石と嫌う人もいますが、実は高貴な石で昔は重宝されていた宝石なんですよね。
男性のピンキーリングが似合う人はそうはいないと思います。
エレガントです。
指が長くて細くて美しかったから、指輪がとてもお似合いだった。 pic.twitter.com/adgFoMMnWG
— NKN2020 (@nkn2020) July 18, 2020
彼のように恵まれている人がなぜ?
誰もが考えることですが、そんなこと本人しかわかるわけがない。
ただ、ずっと考えていることがあります。
人間は誰でもひとり。子役から芸能界にいた彼は、多くの人に囲まれながら、おそらくそのことを痛感していた。
だから人との距離の取り方も上手だったのだろうし、相手を傷つけない接し方、気配りを理解していた。でもそうして周囲を気遣い続けるうちに、やがて自分を大切にする術がわからなくなり、自分自身を持て余してしまったのではないか。
そんなふうに思えてしまうのです。
スーツ姿のジェシーは、美しくてスマート、女にやさしくて、だけど薄情で。
目的のために女を利用する恋愛詐欺師の役を、彼は見事に演じきっていました。
映画を見ていて、もうこの姿は存在し得ないのかと思ったら、無念でたまらなくなったけれど、それは本人が決めたこと。
いい悪いじゃなく見守るしかできない。
その決断ですらファンは見守ることしかできないんですよね。
私に許されるのは、ただ彼が遺した作品を見ること。
今すぐには難しいけれど、心が落ち着いたら会いに行こうと思います。
映画は、時を止めてくれるもの。
その中で、俳優は永遠に生き続けるものだから。
▼こちら見ました
それではまた。
のじれいか でした。