【映画】『クローズZEROII』。
原作は高橋ヒロキの人気漫画で、不良男子高校生がライバル高校と抗争する日々を描いた『クローズ』。
映画化は『クローズZERO』に続く2作目です。
三浦春馬が出演していたので観たのですが、キャラクターが魅力的なのと予想に反してユーモアのセンスもあり、原作や前作映画を知らなくても楽しめます。
『クローズZEROII』の主要人物の紹介、面白かったところや、ネタバレ・感想などを書いていきます。
クローズZEROII
作品情報
製作年度 |
2009年 |
上映時間 |
133分 |
監督 |
|
脚本 |
予告
簡単な関係説明
私のように原作も前作も知らない方に、ざーっくり説明します。
舞台は男子高校で登場人物は多いのですが、関係は複雑ではありません。
争っているのは「鈴蘭高校」と「鳳仙高校」の2校。
見分け方はカンタン、黒×白。
不良たちは互いの高校を敵視し、闘うことばかり考えています。
鈴蘭男子高校
鈴蘭男子高校、通称、鈴蘭(すずらん)。
超不良高校。
鈴蘭には頭(リーダー)は不在。ワル揃いでまとまらないためらしい。
鈴蘭には大きく「G.P.S」と「芹澤軍団」の2グループが存在。
トレードマークは学ラン。(劇中で学ランは鈴蘭)
【G.P.S】
主人公、滝谷(小栗旬)が頭のグループ
●メンバー
・滝谷源治(小栗旬)G.P.Sの頭で転校生。 父親の滝谷秀雄(岸谷五朗)は滝谷組の親分/ 彼女(?)は相澤ルカ(黒木メイサ)
・伊崎 瞬(高岡蒼祐)GPSのナンバー2
・牧瀬隆史(高橋努)GPSのナンバー3
【芹沢軍団】
芹沢(山田孝之)が頭を勤めるグループ
●メンバー
・芹沢多摩雄(山田孝之)鈴蘭の頭に近い(ふさわしい存在)と言われている
・辰川時生(桐谷健太)
【かつての頭】
・川西 昇(阿部進之介)鈴蘭の元頭。2年前、鳳仙の頭の美藤真喜雄(美藤竜也(三浦春馬)の兄)を殺めて少年院に入る。その後少年院を出て、組に入るため、幹部の矢崎(遠藤憲一)を訪ねるが断られる
【下級生】
・筒本(上地雄輔)
・桐島(大東俊介)
・リンダマン(深水元基)滝谷がいつも負ける強い男
鳳仙学園
鳳仙学園、通称、鳳仙(ほうせん)。
頭が不在な鈴蘭と違って、鳳仙には毎年、頭が存在する。
現在の頭は鳴海(金子ノブアキ)で、次期頭は、美藤竜也(三浦春馬)がなる予定。
白ジャケットに、スキンヘッドや金髪など、わかりやすい派手めなビジュアルが特徴。
●メンバー
・鳴海大我(金子ノブアキ)▶︎鳳仙の頭
・的場闘志(阿部亮平)
・芝山隼人(蕨野友也)
・漆原凌(綾野剛)
・美藤竜也(三浦春馬)▶︎鳳仙の次期頭。兄の真喜雄はかつての鳳仙の頭だったが、鈴蘭の頭である川西の手に倒れた。だが今回の闘いに竜也は参戦する気はないと公言する
クローズZEROII THE BLACK BIBLE (ぴあMOOK)
好きなところ・勢いがある
鈴蘭と鳳仙は、以前の抗争(美藤と川西の件)で、休戦協定が結ばれていましたが、転校生で詳しいことを知らない滝谷が、鳳仙のメンバーに手を出したことで、協定が破れて闘うことになってしまいます。
滝谷は闘う気満々ですが、休戦になった経緯を知る滝沢からすれば面倒なことになったという思いが強く、一方で自分たちには関係がないという傍観的な気持ちもある。
滝谷は鈴蘭をまとめたい思いがあるようですが、コミュニケーションが下手なこともあって思うようにいきません。
不良高校生の話なので、勢いがあります。
物語がほぼ男だけでつくられているところが潔くて気持いい。たぶん原作では家庭環境などに触れられるのでしょうけれど、映画では生活感が出ていないところがいい。
廃墟のような学校もかっこいいなと思いました。
イマイチなところ・高校生には見えない
別に年齢はどうでもいいのですが、主要キャスト全員、どう見ても高校生には見えないので、だいのオトナが必死に喧嘩しているように見えてしまいます。
唯一1年生の美藤竜也役を演じている三浦春馬は若く見えますが(20歳くらい)あとはおじさん度が高めです。
人の上に立つ男とは・ネタバレ
滝谷が鳳仙のメンバーを殴ったことで、平和を保っていた鈴蘭と鳳仙の戦争が始まります。
鳳仙の頭の鳴海は、美藤真喜雄の敵討をするつもりですが、真喜雄の弟 竜也は、参戦を拒否。竜也は中学時代この辺りの中学校を一つにまとめた人物として一目置かれていることもあり、鳴海は強引に竜也を参戦させることはできません。
美藤真喜雄を刺した罪で少年院に入っていた川西は、自棄になって組の幹部、矢崎に組に入りたいと願いますが、断られてしまいます。
そこに矢崎の手下が近づき、滝谷源治の父親で、滝谷組の組長、滝谷秀雄を川西に始末させようと言葉巧みに誘います。
自棄になっている川西は、秀雄を撃って、追い込まれますが、さいわい無事だった秀雄自身から情けをかけられ、最悪の事態を免れます。
父の無事がわかった滝谷は安堵しますが、鳳仙との闘いの日は迫っています。
鳳仙と闘うメンバーを集うものの助っ人が集まらない。自分の求心力がないことを認めた滝谷はG.P.Sを解散して、単身で鳳仙にのりこみます。
自分の行動から戦争になったことに責任を感じていたこと、以前父から言われたことが滝谷の心には引っかかっていました。
「お前のパンチには怒りしかない、愛がない」
「自分のことしか考えていないやつに、人の上に立つ権利はない。」
また芹沢からも「力だけでは人はついてこない」と言われていました。
100人近くの鳳仙のメンバーと一人闘う滝谷でしたが、そのことを知った芹沢が周囲に声をかけ鳳仙に乗り込み、滝谷に加勢、闘いは始まります。
芹沢は苦労人で人の気持ちがわかる。それにたぶん、権力にもあまり興味がない。
最終的には滝谷が頭になるかたちでおさまりましたが、人の上に立つかどうかは自分で決めることではなく、本当は周囲が決めること。だとしたらやはり芹沢が頭になった方がいいように私には思えました。
三浦春馬の出番
『クローズZEROII』での美藤竜也役は出番は少なめです。
でも大切な役で、兄を亡くした葛藤も抱えている。
① 戦争には参加する気がないと宣言する場面
厳つい人たちに囲まれながらも、得体のしれない存在感がよく出ている。
② 鳴海が竜也を呼び出して、真喜雄の思い出話をする場面
鳴海から、なぜ兄の敵討ちに興味がないかのと訪ねられて「兄は死んでいない、自分のなかでまだ生きている」と答えます。
鳴海と協力し合うより、自分の力を強くして自分の代で鈴蘭を取る(勝つ)ことで兄を越えようとする竜也。二人の考え方の違いが出ている場面です。
③ 鳳仙と鈴蘭の闘いの場面
芹沢が現れたときは闘いを傍観していましたが、屋上にいる滝谷と芹沢に、鳳仙のメンバーが刃物を向けて突進したとき、とっさに現れた竜也は力をもってそれを静止します。カッコいい!
クールで感情を表に出さないけれど、ルール違反は絶対に許さない厳しさがよかった。
そして、ぼろぼろになって倒れている鳴海に「兄貴の夢をかついでくれてありがとう。今度は俺があんたの夢をかつぐ番だ」と声をかける。
鳴海とは考え方は違うものの、竜也はやはり鳴海への感謝はあることがわかる場面でした。
さいごに・三浦春馬はクールな金髪くん
「クローズ」何を意味するのかと思ったら、カラスのクロウだったんですね。
鈴蘭の制服は学ランで黒いから、また、はみ出しものの意味も持っているのかもしれません。
スキンヘッドが大勢いる鳳仙のメンバーのなかで、金髪でクールな三浦春馬は、ダントツ光っていました。
喧嘩の場面はたくさん出てきますが、基本素手なので、暴力ものが苦手な方でもあまり負担に感じず楽しめる映画だと思います。
まだ観ていない方はいかがでしょうか。
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それではまた。
のじれいか でした。