映画『君に届け』。
三浦春馬・多部未華子の、映画初共演となった作品です。
多部未華子演じる不器用な女子高生が、クラスで人気者の男子と親しくなることで、居場所を築いて成長するストーリーです。
なぜもっと早く観なかったのだろうとすごく後悔です。正直泣けました。
Amazon Primeで観れますよ。
これは、まだ観ていない人には、ぜひ、おすすめしたい映画です。
君に届け
作品情報
製作年度 |
2010年 |
上映時間 |
128分 |
監督・脚本 |
熊澤尚人 |
キャスト |
・黒沼爽子(多部未華子) ・風早翔太(三浦春馬) ・胡桃沢梅(桐谷美玲)
・爽子の母(富田靖子) ・爽子の父(勝村政信) |
原作は椎名軽穂のコミックスでアニメ化もされてる
予告
好きなところ・友情と成長も描かれる
爽子はどんな女の子?
爽やかでクラスの人気者、風早翔太との関わりで変化する学校生活
暗くてコミュ障の黒沼爽子は、クラスで浮いた存在。
「貞子」と呼ばれコワがられ、避けられています。
居場所のない日々を過ごす爽子でしたが、クラスの中心人物、風早翔太は、唯一爽子の理解者で、爽子に対して普通の女の子として接します。
爽子に対して分け隔てなく接する風早に、爽子も少しずつ心を開くようになります。やがて同じクラスで派手めな女子、あやねと千鶴も、爽子の純粋さ、やさしさに気づき、親しくなっていきます。
イジられキャラというより、イジメに近いクラスメイトの態度ですが、嫌な目にあっても、他人を悪く言わない爽子の健気さ、イジケたり拗ねたりせず、わかってもらいたいと物事に真っ直ぐに立ち向かう爽子の姿勢は、ときに鈍感すぎるようにも思えますが、それでも魅力的です。
爽子が一人でいることを案じたあやねと千鶴の会話のなかに「ずっと一人でいると、自分の感情に鈍くなる気持ちはわかる」という下りは胸に沁みました。
爽子は、あやねや千鶴、風早が、自分と一緒にいることで、陰口を言われて嫌な思いをするのではと案じ、「私と一緒にいると……」と距離を置こうとします。
だけど、彼らは悪い噂など信じようとせず、爽子と友達と絆を深める。友達を得て、爽子も変わり者なりに成長していきます。
多感な年頃にありがちな悩みを中途半端にせず、受け止めて解決して前に進む姿勢が胸に沁みました。きっといい大人になるんだろうなあ。
ここで、しっかり悩むことができるか、解決ができるかできっと先が決まる。
誤魔化して生きてしまうと中二病患者の出来上がりですから。
大人の映画は、友情と恋愛を同じ比率で描くのはなかなか難しい気がするんですよね。
ネタバレ・三浦春馬が切ない
実は風早くんの心は……
風早は以前から爽子に好意を寄せていました。やっと親しくなれたのに、なかなか距離が縮まらないことに次第に焦れていく。
しかも途中で、お決まりの横恋慕キャラ、胡桃沢梅が登場、風早と爽子を邪魔します。
爽子のことが気になって仕方ないのに、肝心の爽子は鈍すぎて、せっかく二人になれたのに、なぜか風早が悲しくなるような行動を取ってしまう。
友情のためになら、どんなに嫌な相手でも、わかってほしいと迫る爽子なのに、恋に対しては臆病なのか、戸惑いなのか、本心を隠そうとします。
なぜなんだ?
どうして、これほど爽やかで美しい風早くん(三浦春馬)を拒むのだと、若干ですが憎くなってくるほどです。本当に無理やりにでも、頭を縦に振らせたくなります。
真っ直ぐに自分の思いを伝えながら、爽子から受け止められず、悲しむ風早くんが切なすぎます。
爽やかで明るくて人気者だけど、自分の気持ちに正直で、他人の価値観など気にしない意思の強さを持ち合わせている。
そんな風早翔太は、三浦春馬のためにあるような役だなと思いました。
三浦春馬の視線や仕草の一つ一つが、すべて風早翔太になっていき、だけど三浦春馬でもあってほしいと願ってもいる。
少し気を許すと、2010年のこの時は、こんなにも輝いているのに何故と、やはり答えの出ない押し問答をしてしまう自分がいます。
彼は今どこにいるのかわからないけれど、この作品の中には確実に存在している。
そう自分に言い聞かせながら観たという感じでしょうか。
いまいちなところ・主人公の恋心が見えない
この『君に届け』の主人公は黒沼爽子で、友人に対する思慮や、天然すぎるところなどは見ていて楽しいのですが、恋愛のことになると、一気に共感できなくなります。
なぜ風早を遠ざけてしまうのだろう。
恋のライバル、胡桃沢梅には「風早くんは特別な人」と気持ちをしっかり言葉にして伝えているのに、どうして風早本人の前では戸惑うのか理解に苦しみます。
でもラストの「ゆっくりでいいよ」はなかなかの萌えポイントでした。
さいごに
正直ここまで感動するとは
青春映画『君に届け』はこれまでノーチェックの映画でした。
私は、映画を観るときストーリーを優先させるので、配役で作品を選ぶことがあまりなく、三浦春馬は好きですが、彼が出演した映画をあまり観ていなかったんですね。
今更感もあるのですが、でもやはり観ておきたいと、機会があれば出演作品を観ています。
こんな記事がありました。
「遅すぎた支持」というタイトルは乱暴すぎる気がする。
別に売れていなかったわけではないし、十分に評価されていたでしょうから。
ただ、単なるいちファンの私がそうであったように、好意を寄せていながら、作品を観る機会を持たなかった人は少なくないのかもしれない。もっともっと評価されてもよかったという意味として捉えれば、共感せざるを得ません。
そんな取り止めのないことを、この映画を観ながらずっと考えていました。
それではまた。
のじれいか でした。