映画『COMET(コメット)』。
男女の出会いから別れまでの6年間を、男の目線で表現した映画です。
たまに見たくなってしまうんですよね。
恋愛なんて、他人からみれば取るに足りない話。
だけど本人にとっては自分の命はもちろん、宇宙がどうにかなりそうなくらい切実な感情。
つらい失恋を経験している人は共感できると思います。
COMET(コメット)
作品情報
製作年度 |
2014年 |
上映時間 |
91分 |
監督 |
サム・エスメイル |
キャスト |
・デル
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予告
公式サイト
好きなところ・SFちっくな世界観
墓地で彗星を見る集いに参加したデルは、キンバリーを一目見た瞬間、彼女との未来を想像します。つまり一目惚れです。
デルのストレートなアプローチに、キンバリーもデルのことが気になり始めますが、「愛を信じる」ロマンチストなキンバリーは、自分を口説きながら「愛を信じない」と言い切るデルに最初は心を開けません。
それでもその後二人は偶然の再会を経て、恋人同士になったようなのですが……。
この映画は、全編を通してほとんどが、2人だけの会話劇。
愛を信じない男と、愛を信じる女では、噛み合わないはずなのに、テンポよく言葉が弾み、縁がある運命の2人であることを予感させます。
しかし、デルの偏屈な態度が影響しているのか、幸せな時間は長く続きません。アクの強い相手との恋愛は刺激的だけど衝突も多い。そのあたりもよく描けているなと感心させられます。
キンバリーとの会話を些細なところまで記憶しているデルは、キンバリーを失いそうになり、キンバリーとの夢を繰り返し見るようになり、現実か夢かの区別がつかなくなります。
デルは「脳にとって現実と夢は同じ」と言います。
たしかに現実だけど、デルが繰り返しているのは過去で、決して戻ることはできない手出しのできない現実なのです。
ディーブな失恋を経験している人は、わかりみが深いのではないでしょうか。
デルの夢が現実を踏まえながら、美しく切なく再現されます。
恋をした相手は、実物より何割か増しに見えることがありますが、デルの脳内は現実よりも美しい世界が見えているのでしょう。
いまいちなところ・男が偏屈すぎ
最初はデルは偏屈で、しかも仕事のキャリアもない男でした。すべての面でキンバリーの方が常識人のように見えました。けれどその後のデルは社会性が育まれ、逆にキンバリーの方がしがらみを手放して自由になったように見えます。
時間は人を変えるのですねー。
デルはキンバリーを愛し続けますが、結果的には……。
デルが偏屈になったり愛を信じないと口にした理由の1つには、病気の母親を助けようと奮闘したことなどで苦労したことも影響している様子。そんな背景が世の中を達観することになったのかもしれない。
だけど「愛は信じない。だけど付き合って」と言われたら、返事に困る気持ちはわかりますけどね。
ネタバレ・男ってロマンチストな生き物なのね
2人の出会いからの長い年月をバラバラにして、繋げ直したようなストーリー。
おそらく普通に時系列に並んでいたら、話として全然魅力的ではないのでしょうが、その切り貼りこそが、この映画の魅力です。
愛を信じない男が実はもっともロマンチックだったことがわかってくるのですが、それにしてもデルはしつこい男です。
似た主人公がいるなと思ったら『500日のサマー』でした。主人公トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、サマー(ゾーイ・デシャネル)に振り回されているようで、実は相手のことをあまりよく見ていない。『COMET』もそうですが、男の方が恋愛を自分の中だけで完結させようとしている気がしました。
恋愛は2人でするものだけど、男の脳はそういうものなの?
性別の差なのかなと、興味深かったですね。
さいごに
私はこの映画が好きで、たまに猛烈に見たくなってしまいます。
余談ですが、主演のデル役を演じたジャスティン・ロングは、『ウエディング・ゲスト』で超絶ダメ男を演じています。これが本当に……。(ボソボソ)
▼これもダメ男の話。。。
それではまた。
のじれいか でした。