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NHKドラマ「太陽の子」率直な感想と映画版について【ドキュメンタリーについても】

こんにちは。
8月15日の終戦記念日に、NHK総合で放送されたドラマ「太陽の子」。

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このドラマは三浦春馬が出演していることで話題になりました。

三浦春馬が亡くなったことは、いまだ受け入れがたい。
彼の出演している番組を見るとやるせない気持ちになります。

また主演の柳楽優弥は、三浦春馬と年齢も近く、子役からこの世界に身を置き、苦労も少なくなかったと聞いています。有村架純もとても優秀な役者。
台詞のところどころに、本人の心の叫びと重なるところがあり、見ていて辛くなりました。

ただ今回は、そのあたりの感情というよりは、ドラマの内容を中心に、初見を見た率直な感想を書こうと思います。

 

 

ドラマ「太陽の子」

www.nhk.jp

作品情報

 

 

配役
・石村修(柳楽優弥):原子物理学を学んでいる研究者の卵
・朝倉世津(有村架純):修、祐之の幼なじみ
・石村祐之(三浦春馬):修の弟で陸軍の下士官
・澤村(イッセー尾形):陶器屋の主人で、修に釉薬につかう硝酸ウランを提供
・朝倉清三(山本晋也):世津の祖父
・荒勝文策(國村隼):修の研究室の教授
・石村フミ(田中裕子):修、祐之の母
 

今一つ伝わらないもどかしさ

このお話は、若き原子物理学の研究員、石村修の視線で描かれます。

修は、原子力を爆弾をつくる任務のため日夜研究に没頭する一方、これが形になれば、被害の程度を推定して恐ろしくなっている。荒勝教授は研究者らしい思考の持ち主で、戦争に対して疑問を感じながら「原子の力を開放させるために」研究は必要なのだと学生たちに説いています。また戦争はエネルギーを求めるのが原因だから、核分裂を成功させてエネルギーを自由に使えるようになれば、戦いは終わるとも話します。
科学者が夢を語らないでどうするという台詞にはグッときました。


修の家庭は、母と幼なじみの世津とその祖父、清三との4人暮らし。
そこに特攻隊に配属されている次男の祐之が休暇で戻り、一時の家族の時間が訪れます。

流れとしては、修の研究所での場面が長かったですね。
それは主人公修の科学者としての視線と、その上での葛藤を描くためなのですが、家族で過ごす場面は想像以上に少なめでした。

修は子供の頃から消極的で、母親が心配するほど自分を押さえ込む性格だったけれど、成長して科学としての好奇心に目覚め、科学が自分を違う世界に連れて行ってくれると信じて研究に没頭します。


修、世津、裕之、3人の感情が絡みあう場面は、予告などで繰り返し流された、砂浜のシーンと自宅縁側のシーンがほとんどです。 

 

特攻隊に戻らなければならない祐之。父親から軍人になるように言われながら、研究者への道を選んだ修。
また夫は軍人だったが、大切な祐之を戦争にやりたくない母、フミの矛盾と葛藤。
家族の中に居候しながら、終戦後のことを考え、教師の職に就くことを考える逞しくて現実的な女性、世津。

個々の演技も設定もとてもいい。なので、すごく感動する話になるはずなのに、私はいまひとつ感情移入できず、もどかしく感じてしまいました。

家族のそれぞれのエピソードの弱さ、3人の距離感が今一つ掴めず、心情をりかいするより先に、同行を追うように見ていた気がします。
一生懸命に寄り添わないと近づいていけない距離感があるような、物足りさが残りました。(いい話でしたよ、でも、もっともっとすごい話にできるのではと持ってしまった)


もちろん、役者はみなさん一流なので、すごく上手です。(役者の存在に頼っちゃダメ)
場面ごとはよかったのに、ブツ切れに思えたのは編集の問題でしょうか。カットした場面が多かったのではないかと疑問が残ります。

 

冒頭から実話に基づいた話だというテロップから始まるので、ラストも現実に戻るのは頷けますが、修が比叡山を登り、その後なぜか原爆ドームに立つ展開は、無理がある流れに感じました。
 

印象に残った場面



イッセー尾形の演じる、陶器やのおやじ澤村には、修と同年代の娘がいます。
修は釉薬に使われるウランを澤村から入手していましたが、あるとき澤村の元を尋ねた修は、娘がいた場所に骨壺と花が置かれていることに気づきます。

大阪の空襲でやられたと澤村は言い、修はとっさに自分がウランの入手を頼んだためだと悟ります。
イッセー尾形が修への怒りをギリギリまで隠そうとするところが凄かった。

 

最初、NHKで焼き物で陶芸家なので「フカ先生!キター!」と軽い気持ちで見ていたので、正直どん底に突き落とされた気分に……。

 

 

映画版の番宣ドラマなのか?

先ほど知ったのですが、「太陽の子」は2021年に映画版の公開が決まっています。
 

 

映画版はテレビ版とは「視点」が変わるとのこと。
テレビの撮影時に映画版も撮っていたのなら、今回のテレビ版はある意味納得できます。

 

視点が変わるとしたら、修の大学にいる別の研究所が主軸になって、ドラマ版はその話のスピンオフのような形、そのように予想できます。

修、世津、裕之が、まったく登場しないことはないにしろ、同じキャストで同じ話が深掘りされることは、流れ的に考えられません。
そう思うとなんとなく残念に思えてしまいました。

荒勝博士と研究所のメンバーたちのその後

ドラマから話が逸れてしまいますが、実話のその後に少しだけ触れておきます。
ドラマ放送の翌日、NHKBSで同テーマでドキュメンタリーが放送されました。

www.nhk.jp


京都大学の荒勝教授は、原子力爆弾をつくることを期待されていたのはドラマの中でも触れられていました。広島に原爆が落とされたことで、強いショックを受けていたことも。

荒勝教授は、若く優秀な能力が戦争に奪われないよう、研究所に入れて守ろうとします。しかしその願い虚しく研究員のうち2名は台風で亡くてしまう。


また終戦後はGHQからの命令で、荒勝が研究に使用していた円形加速器「サイクロトロン」の破壊をを命じられてしまいます。自分がしてきた研究は、基礎研究のためで、軍事的な利用価値を目的にしたものではないと荒勝は主張しますが、当時のアメリカの判断は無情でした。

荒勝文策は高い
志を持ち、原子力が人類の未来に貢献できると信じていただけに、大きな悲しみを背負ったまま、原子睦理学の一線を退きます。

アインシュタインの発表に続けと、純粋に研究に打ち込もうとした研究者たちは戦争に利用されたかたちに。これも戦争による悲劇なのでしょう。

 

さいごに

だらだら書いてしまいましたが、何が言いたかったかといえば、ストーリーはよいはずでキャストも素晴らしいのに、なぜか腹に落ちなかったドラマだったというのが感想です。

だけど、映画版がこのキャストありきなら超絶、期待してしまう。
おそらくそんな話にはならないはずですけどね。

三浦春馬、柳楽優弥、有村架純の事務所の公式には、映画のスケジュールに出ていないんですよね。まだ公開できないので伏せているだけかもしれませんが。

 

6月3日更新
映画上映発表されましたね。なんだかんだいっても、観たら泣いてしまうんだろうな…。

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それではまた。
のじれいか でした。