映画『愛を複製する女』（『Womb』）は、2010年のSF作品です。
愛する人を失った主人公は、彼のクローンを産み育てようと決める。愛する人の子供を産み育てるのとは違う、つらさを伴う愛が描かれる。
ストーリーをネタバレありでご紹介、感想もあります！
愛を複製する女
作品情報
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製作年度 |
2010年 |
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上映時間 |
113分 |
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製作国 |
ドイツ、ハンガリー、フランス |
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監督 |
バネデク・フリーガオフ |
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キャスト |
エヴァ・グリーン マットスミス ハンナ・マリー ピーター・ワイト
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予告
海沿いの田舎町で無邪気に戯れる少女と少年
少女のレベッカ（トリスタン・クリストファー）は、祖父が住む自然に囲まれた静寂な地域を訪れている。誰もいない静かな海岸で、レベッカは同年代の少年、トミー（ルビー・O・フィー）と出会う。
二人はすぐに親しくなるが、レベッカは母の仕事で東京行きが決まっている。なんでも東京で72階の部屋に住むらしい。
レベッカが出発する日、トミーは見送りに行くと言いながら現れず、レベッカは祖父に見送られて旅たちます。
再会する二人
12年が経過して大学を卒業したレベッカ（エヴァ・グリーン）は、トミー（マット・スミス）と出会った町に帰ります。既に祖父は亡くなっていたので、レベッカが戻る理由はただ一つ、トミーとの再会でした。
離れていた時間を取り戻すように、すぐに仲良くなる二人は、愛し合うように。
楽しく過ごす二人でしたが、あるとき、車から降りたところを別の車に轢かれたトミーはあっけなくこの世を去る。
クローン人間を産む決意
トミーが亡くなり、虚無感に包まれるレベッカ。
時代背景は現代かと思っていたら、どうもそうではなく近未来。なぜなら残されたレベッカは、トミーのクローン人間をつくろうと決意するからです。
出産は普通に母体から出産するらしく、レベッカはトミーのクローンを産み育てる決意をします。＜遺伝子複製組織採取同意書＞なる書類をトミーの両親に差し出すのですがトーマスの両親はそれに強く反対。当たり前といえばあたりまえかも。でも決意の固いレベッカは自分の意思を貫きます。
クローンを出産するレベッカ
レベッカはトミーのクローンの子供を出産。同じくトミーと名付け、母親として育てます。
子供の頃は、母と息子でべったりの濃厚な時間を過ごすのですが、やがて学校にも通いだして友人もできたりするうち、トミーと同じクローンの子供が存在し、その子は周囲から気味悪がられ避けられていたのを、同じように接するレベッカは、周囲からトミーはクローンでは疑われてしまうように。
でも子供時代にレベッカはトミーがクローンであることは話さない。周囲の噂が嫌にあんったレベッカはトミーを連れて海岸のコテージに身を隠すように暮らすようになる。
あっという間に時間はすぎる（ネタバレあり）
幼かったトミーも、レベッカと恋仲だった頃と同年代に成長。トミーにはモニカ（ハンナ・マリー）という恋人もでき、当然ながら子供時代と比べれば母との関係には距離ができる。
トミーは自分がクローンとは知らず、普通の母と子だと思っているので、成長後の母親とは距離を取るのが普通。でもレベッカは、幼いときは息子のように接してきても、青年期に成長し絵しまうと、だんだん息子としては見れなくなってしまいます。
レベッカは愛する彼のクローンを産んだのでつらいところ。しかも今度はトミーの本当の両親がトミーを訪ね、亡くなった当時そのままのトミーが存在していることに言葉を失います。そのときやっとトミーは自分がクローンではと疑問を持つようになり、荒れた態度を取るようになってしまう。
真実を打ち明ける（ネタバレあり）
トミーは不安から荒んでしまい、トミーについていけなくなったモニカは、トミーの元を去る。残されたトミーはレベッカに真実を問いただす。
黙っていることが限界だと悟ったレベッカは、トミーに真実を打ち明ける。
自分がクローンであることが明らかになったトミーは恐怖に怯え、母と信じていたレベッカは一体何者なのかを問いただし、その結果、関係を持ってしまいます。
レベッカからすれば、クローンのトミーは愛する人の生まれかわり。だけどクローンのトミーからすれば見た目や思考が同じでも、オリジナルのトミーの過去の記憶を引き継いでいるわけではないので、激しく混乱するのも無理はない。
トミーの選択は頷けるラスト（ネタバレあり）
関係を持ってしまったトミーは、レベッカに「ありがとう」と告げて、家を出ていきます。
レベッカは複雑な心境ですが、もうトミーを止めることはできず、 呆然とトミー見送るのだった。
気持ちはわかるけど……（感想）
クローンが簡単に作り出せる時代が訪れたら？ という過程を描いたラブストーリー。すごく好きな人と永遠の別れをすることになった時、クローンが作れると知ったら同じ行動を取る人はきっと少なくはないはず。私も行動に移すかはわかりませんが、レベッカの取った感情は理解できます。
ただこの話の中で、レベッカ演じる、エヴァ・グリーンは知的で聡明な雰囲気の女性なのに、マット・スミスが演じたトミーは短絡的でそこまで魅力的とは思えず、彼女がそこまで彼を愛する気持ちは正直共感できませんでした。
好きな人のクローンを育てる物語なので、子供の頃から知っている設定にした方がいいということなのでしょうけれど、日本で72階の部屋に暮らし、大学を出て……なんて別の生活をしていたら、かつての初恋なんて簡単に忘れてしまいそう。
レベッカとトミーにそれほど惹かれ合うものがあるのなら、説得力のあるエピソードが欲しかったなーと物足りなさを覚えました。
時代っていつなんだろう。 それはわからないのですが、レベッカとクローンのまだ子供のトミーが海岸を歩いていて「カブトガニ」を見つける異様さが垣間見れる場面があるのですが、あれもクローンなのでしょうか。
トミーはレベッカに礼を述べて去りますが、レベッカの元を去っても、トミーはあまり救われず、きっとこれから苦しむはず。とはいえ、クローンでなくても生まれる運命は自分で決められるものではないので、苦しみは彼だけではないのかもしれません。
愛のSF映画はこちらにも
さいごに
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※本記事の情報は2021年3月時点のものです。
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それではまた。
のじれいか でした。
