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【SF映画】『モダン・ラブ』誰かを深く愛すること【ネタバレ・感想】

映画『モダン・ラブ』。

脳内で昔の恋人と会話をする女性が、過去の自分と遭遇するSF恋愛映画です。
主演は稲村梓、彼女の個性が光る作品でした。

SF映画が好きな人、損失感を抱えている人に特におすすめしたい映画。
ストーリーを解説しつつ、好きなところをまとめました。

 

 

モダン・ラブ

 

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作品情報

 

製作年度

2018年

上映時間

115分

監督・脚本

福島拓哉

キャスト

ミカ(稲村梓)

テル(高橋卓郎)

シゲ(芳村正朝)

バード(今村怜央)

 

高山(佐藤睦)

セルジ(ヤン・いメリック)

中井(町山博彦)

前田教授(町山博彦)

遠峰名誉教授(大木雄高)

 

公式 

映画『モダン・ラブ』公式サイト

 

予告

www.youtube.com

 

社会と宇宙の問題が、ある女に影響して? 

 

世の中は、新惑星「エマノン」が接近し、異常気象が続いている。

大学院で量子力学を研究するミカ(稲村梓)は、5年前に恋人のテル(高橋卓郎)が失踪してから、彼がいなくなった苦しみから逃れられずにいる。

研究室とアルバイト先の旅行代理店を行き来し、バイト仲間でオネエのシゲ(芳野正朝)と飲み歩く、荒れた日々を送っていました。


頭の中でテルと会話をし続け、出会い系サイトで知り合った男と一夜限りの関係を持つことを繰り返している。

ある日、ミカが朝帰りしたとき、部屋に自分が寝ているのを見て仰天する。

ミカは自分以外に2人、全部で3人いる、そのミカはかつての自分でした。

3人のミカは

  • テルと一緒にいるミカ
  • テルが失踪したミカ
  • テルが自殺したことを知るミカ ◀︎ 現在のミカ

こんなミカたちです。

テルと一緒にいるミカと、テルが失踪していると思っているミカは、多世界解釈の存在で、テルが自殺したことを知る(実は亡くなっていた)ミカの、脳内の妄想でしかない。

でも彼女らは個々に明確な感情を持つので、3人のミカは混乱する。
3人は、同じ一日を繰り返し、夢の中で3人が会うループを繰り返すようになります。

その原因は、新惑星「エマノン」の膨張。その影響で、時空にエラーを起きたのだろうとミカたちは解釈する。

テルと一緒にいるミカは、唯一テルが側にいるので、幸せではあるけれど、その後のテルの運命を知らされ、テルを救いたいと願います。

そして3人はただただ繰り返されるループから抜け出すことを誓い合う。

現在のミカは、テルが亡くなったのは自分のせいと思い詰めているので、自分がいなくなることでループも終わるのではと考えたりもする。

 

 

 

でも今のミカが消えたところで、ミカの世界が終わるだけ。ほかのミカには影響はないし何も変わらない。それは誰の人生でも同じこと。

 

誰かの人生に深く関わったからといって、誰かの人生そのものになることは不可能だからです。

そのことに気づいたミカは、目的を持たない旅に出る

テルと過ごした場所から遠く離れ、新しい場所に自分の身を置くために。

 

テルと一緒にいるミカは?

 

テルと一緒にいるミカは「あなたがこの先どこか遠くに消えてしまったとしても、私はあなたといることを選ぶ」とテルに告げます。

テルは、ミカと出会えたことで本当の愛を知ったと打ち明ける。結果的にテルが死を選ぶ運命は変えられなくても、ミカと繋がったことで、深い幸せを実感できたということです。

今この瞬間を大切にすることで、愛を燃焼させたのです

 

旅に出たミカは?アガルタとは?

 

本当のミカは、最初は国内でバックパッカーで旅をして、時折、テルと脳内で会話をしながら、あらゆる人と交流する。

やがて日本を離れて海外の山道を歩くうち「アガルタ」という国に入っていく。

以前、ミカは旅行代理店で謎の客が訪れ「アガルタ」に行きたいと言われていました。だけどミカが調べてもそんな地名は存在しない

その後、その客が土産にと「脳のオブジェ」を持ってくる。

「アガルタ」という土地に引き寄せられたミカは、現地の男性に泊めてもらい、しばらく宿泊するうち、その男性がテルになっていることをに気づく。

ミカはテルによって導かれたことを知るのです。ミカは長い旅を経て、外国人に姿を借りたテルと再会するのでした。

 

 

 

どれほど愛し合っても別の人生

 

テルはミカとの関係が深まるにつれ、言いようのない不安を感じるようになっていた。

自分とミカの区別がつかないほどの一体感は、テルがこれまで感じたことのなかった感覚で、離れなければいけないと危険を感じほどになっていたのです。

自分をやめようと決意したテルは、テル自身がミカに語っていた壁の向こうの世界に行ってしまったのでした。

それからもミカと壁の向こうのテルは話していたけれど、5年経ってやっとミカはテルの本心をやっと知る。

旅を終えたミカは、帰国して部屋に戻って、テルに言います。

「私は、ほんの少しでもあなたを変えられたかな」
「もちろんだよ、ありがとう」

どれほど愛した相手でも、自分の人生とその人の人生は別。
決して溶け込むことはない。

でも、だからこそ誰かの人生に深くかかわることに意味がある。

この映画はそんなことを伝えたいように感じました。

 

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センチメンタルではなくロマンチック

 

多くのSF恋愛ものは、過去に囚われている作品が多いものですが、この『モダン・ラブ』の主人公ミカは、最愛の恋人を亡くして狂いそうになりながら、それでも前を向かなければと本能的に感じている女性。

宇宙の影響で多世界の自分と出会うという設定は特に斬新ではない。それなのにすごく新しい印象を持ちました。

テルは考えることをやめられない男でしたが、ミカと一緒にいるときだけ忘れることができた。

テルは思い詰める性格の男性だから、ミカと出会わなくても結果は同じだったようにも思える。

そして、ミカが自分のせいでテルが死んだとつらい気持ちから抜け出せずにいる気持ちもわかる。

でも人生はどんなに誰かを愛しても、その人一人のもので、相手とは同化できない。そんなことも描かれているように感じました。

またミカと初対面のテルが、「きみとさっき会った」と話すのは、既視感のようでいて、実際にパラレルワールドのミカが現れていたわけですが、運命的な出会いにありがちな「初めて会った気がしない」親近感は、もしかすると、別の自分が出会っていたのかもといったエピソードもなかなかロマンチックでした。

 

主演の稲村梓・福島拓哉監督の今度に期待!

 

ミカの5年間の世界を、三人のミカによって散らばっているのをかき集めて眺めている感覚。

現実にこんなことはあり得ません。

ないに決まっているのですが、もしかすると、あるんじゃないかと思えてくる不思議さがある。

主人公のミカを演じた稲村梓という女優は、この作品で初めて知りました。

時間軸の違う3人の自分をすごく上手に演じている。

ずっとフリーで活動してきて、最近になって事務所に所属したようです。

見いるうちに味わいの出てくる演技をする、肌がすごくきれいで清潔感のある女優です。
 

 

本作の脚本・監督の福島拓哉は、映画やCMを中心に活動している。

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しかし何度も観てしまう。
すごい映画だわ。

誰かを深く愛した経験があれば、きっと何かを感じることができるはず。

▼こちらもトラウマ映画です。 

noji-rei.hatenablog.com

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それではまた。
のじれかでした。