映画『秘密 THE TOP SECRET』、清水玲子の人気コミックスの映画化です。
死者が生前み見た光景を映像化することで事件を解決できるというお話。
むちゃくちゃ面白そうじゃんと思いました。しかもキャストが、生田斗真、岡田将生、松坂桃李とかなりよい。お金かかってますね。
ストーリー展開や感じたことをネタバレありで書いてゆきます。
秘密 THE TOP SECRET
作品情報
製作年度 |
2016年 |
上映時間 |
149分 |
監督 |
大友啓史 |
キャスト |
生田斗真 岡田将生 吉川晃司 松坂桃李 織田梨沙 大倉孝二 木南晴夏 栗山千明 リリー・フランキー 椎名桔平 大森南朋
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犯人探しに被害者の脳の記憶を再生
死者の生前の記憶をスキャンして映像化できるMRIスキャナーが、科学警察研究所法医第九研究室(略して第九)に導入される。
第九の室長、薪剛(生田斗真)は、超エリートで自分自身も何者かに家族を襲われている青木(岡田将生)を配属させて、事件を任せることに。
第九はまだ法的能力としては認められていないが、近いうちに正式機関になる予定。
最終試験は、ある死刑囚の脳をスキャンして、臨床試験にしようとしている。死刑囚は家族を殺めた脳科学者の露口(椎名桔平)。
青木は、露口の脳内の世界と接続させる。
これまで何人もの調査官が、世界を見ることで精神を病んで第九を去っている。自分は大丈夫だと高を括る青木だが、実際他人の脳の記憶を覗き見ることは想像以上に苦しみを伴うものだった。
繰り返してしまいますが、脳内が見れるという設定はすごく面白いと思いました。
人間ってすごいので、もしかして似たようなことを既に誰かが研究していてもおかしくないし、実際に起こりうる話だなと感じてしまう。
第九のメンバーは、やたらとお洒落で独特な世界観があります。
未読ですが、原作の世界観なのかもしれません。
インテリアもアールデコだったり、ところどころ、フランク・ロイド・ライトのデザインモチーフを意識していたり、独特な風味があるといえばあります。
犯人はほかにいる ネタバレあり
犯人の露口が亡くなり、露口の脳内がスキャンされる。
そこで真犯人は露口ではなく、露口の娘で行方不明になっている、絹子(織田梨沙)が犯人だったとわかる。が、報告してしまうと、露口が冤罪とわかってしまうので、公表は避けられる。
それからすぐ、記憶喪失を偽って絹子は発見され、あくまで被害者として扱われる。身元保証人もいて、海外で優雅に暮らせる手筈も整っている。
薪と青木は、絹子に接触。
でも絹子はそう簡単に尻尾は出さない。やがて絹子の幼なじみも亡くなったりと物騒な話になっていきます。
サイコパスの絹子を探すために、弱みを握られた刑事の真鍋(大森南朋)らも無理無理に捜査に導入される。
やがて、過去が晒され、若者の心を操る存在、貝沼(吉川晃司)が快楽殺人犯で、催眠暗示で少年たちを操っていたことが判明。薪は、貝沼の存在を以前から知っていて、でもそこを見落とすというか、見逃したことがわかってきます。
そこから絹子も貝沼に操られていたことがわかるのでした。
発想は好きだがテーマが見えない
原作を読んでいないのでわからないのですが、表面的な世界観は美しいし、気持ちもよくわかる。何より亡くなった人の映像が見えるという斬新さはよいと思いました。(何度も繰り返してしまうのですが、発想はすごい!)
でも見終わって結局何が言いたかったのか、テーマが見えなかったのは残念。
もっとあらゆる事件を解決しながらストーリーが進むのかと思えばそうではなく、一定のサイコパスにただ翻弄されるだけでした。
以前、絹子に接触した医師の斎藤(リリー・フランキー)が、他人になって世の中を眺める感覚を『マルコヴィッチの穴 』を例に挙げていますが、言いたいことはわかる。
わかるのですが、たぶん、敵と味方とに分けている時点で、展開が単純すぎる感が拭えないとのだと思います。
コミックスはもっとあらゆる展開を見せているので、きっともっと複雑なのでしょう。
149分と上映時間も長い。その割りには核心に迫っていない印象でした。
松坂桃李の出番は?
松坂桃李の演じる鈴木克洋は、かつて薪と共に、第九を創設した仲間でしたが、脳内を見続けるうち狂ってしまい、突然、薪に襲いかかる。それで薪は鈴木を撃ってしまったという隠された過去がある。
また、法医学の監察医、雪子(栗山千明)は、鈴木の基子恋人だった。
友人だった二人の思い出のようなものが、回想シーンに出てきて、そこは美しかったです。
微妙に感じた点・ネタバレ
最初、青木が露口の脳を見た時点で、犯人は絹子だとわかっているのに、その時点では絹子を追い詰めることをしなかった。
それなのに、犬の脳から、絹子が犯人と断定されてしまうのはお粗末すぎませんかとガッカリ感が漂いました。
なんだろう、全体的に重くて暗い割りに、軽いんだと思います。
キャストについて
冒頭でも書きましたが、役者は豪華です。
絹子を演じた織田梨沙は『コンフィデンスマン JP』ではダー子の弟子、モナコを演じていました。
▼コンフィデンスマン JPはこちらです
木南晴夏も第九のメンバーとして出演しています。が、これは木南春夏の無駄遣いかも。吉川晃司も出番は少なく見せ場もない、無駄遣いに思えました。
まとめ
おそらくこの話は、原作を読んだ方が良さげです。内容だけ聞いてすごく期待しただけに残念でした。
色々と書いてしまったのですが、これを観て原作を読みたいと思いました。それだけでも成功していると言えるもかも。
▼ 松坂桃李出演作品です。
それではまた。
のじれいか でした。