映画『きみと、波にのれたら』は、川栄季奈と片寄涼太が主演声優のファンタジー・アニメ映画。
波乗りが大好きな女子大生と消防士との恋と別れ、人間の自立を描いた物語です。
本作品をまだ見ていなくて、見ようかなーと迷っている方に向け、これが好きなら楽しめそういうポイントをまとめてみました。
きみと、波にのれたら
作品情報
製作年度 |
2019年 |
上映時間 |
130分 |
監督 |
湯浅政明 |
脚本 |
吉田玲子 |
キャスト |
雛罌粟港(片寄涼太)
向水ひな子(川栄季奈)
雛罌粟洋子(松本穂香)
川村山葵(伊藤健太郎)
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予告
「波にのる」は彼らにとって生きることを指す
主人公の向水ひな子(川栄季奈)は、子供の頃住んでいた海の近くの大学に入学、一人暮らしを始め、波乗りを楽しんでいる。
地元の消防士の雛罌粟港ひなげし・みなと(片寄涼太)は、ひな子が波乗りをする姿を消防署の屋上から見守り「俺のヒーロー」と呼んでいた。
ある日、ひな子の住むマンションの隣地で、いたずらの花火が引火、ひな子のマンションが火事になる。逃げ遅れたひな子を港が救出したのがきっかけで、港はひな子から波乗りを教わり、二人の恋が始まる。
港は器用でなんでもできる人で、ひな子はそんな港に憧れている。
ひな子はサーフィンは上手だけど、それ以外のことには自信がなく、陸に頼っているところがあって自信のなさもある女性。
港に頼ってばかりではなく、いつかは自分でできることを見つけたいと思っている。ひな子はそれを「波にのれたら」と例えます。
港は子供の頃、溺れたのを助けられ、それがきっかけで、人を助ける生き方を目指して努力を重ねるように。
港はひな子に「ひな子が一人で波にのれるまで、いつまでも側にいるよ」と声をかける。
素敵カップルの関係は永遠に続くと思われましたが、あるとき幸せな日々は突然終わりを告げます。
水の中に現れる恋人
ある日、港は一人で海に出て、溺れた人を助け、命を落としてしまう。
ひな子は、港の死に呆然自失。波乗りも止めめてしまう。けれどあるときコップに入った水を前に、思い出の歌を口ずさむと、水中に港が現れるのに気づく。
海だろうとコップの水だろうと、水がある場所で歌を口ずさめば港は出てくる。
最初は自分がおかしくなったと思うひな子だったが、港の存在を確信できると、水を持ち歩き、港と行動を共にするように。まるで同棲しているみたいだと気持ちが上がる。
水中の港は、ひな子に「ずっとひな子のことを助けるって約束したから、必要なときはいつでも呼んで」と生前と変わらず優しい言葉をかけるのだが、二人は触れ合うことはできないし、周囲に港の姿は見えない。
最愛の人が亡くなり何らかの形で再生するラブストーリーはたくさんありますが、水中だけで霊が登場するのは珍しい。まるでギリシャ神話の神みたいに、ピンチになると巨大化して登場します。
恋はいつかは終わるものですが、相手が亡くなって終わる恋を乗り越えるためには、凄まじい喪失感を乗り越える必要がある。
▼最愛の相手との別れを乗り越えていくストーリー
主人公のひな子が、最愛の男性、港を失ってどのように立ち直り「波にのれる」のかがこの話の最大の見どころです。
「俺のヒーロー」の意味・ネタバレあり
港が亡くなってからは、水中の港と過ごすことばかり考える、ひな子でしたが、港が見えない周囲からは心配されてしまう。
港の後輩、川村山葵(伊藤健太郎)からも「そんなことでは、先輩も心配で成仏できないはず」と言われてしまう。
港の妹、雛罌粟洋子(松本穂香)は、不登校で周囲とうまくやれていなかったけれど、兄が憧れたカフェ経営の夢を叶えたいと、目標に向かってアルバイトを始める。
そんな洋子から、兄は器用だったわけではなく、人一倍努力する人だったと聞かされるひな子。
また港は子供の頃、海で溺れたのを自分より幼い女の子に助けられ、それがきっかけで人を助ける仕事に就きたいと思うようになったことも。
ひな子は、港を助けたのが、子供の頃の自分だったことを思い出し、自分をヒーローと呼んだ港の真意を理解する。
冒頭でひな子がサーフィンをしている姿を見て、「俺のヒーロー」と港が呼んだ意味、すべてに気づきひな子を愛した港の真意が、物語の後半でわかってきます。
けれど再び建設中の高層ビルで花火による火災が発生。
犯人たちの証拠を掴むために追跡していたひな子と洋子が巻き込まれるのを、水の神(?)のような港が助ける。
但し港は、火を消すことでダメージを受け、大きな火災を消し止めたので、港は役割を終える。(つまり成仏)
まだ、港との別れを乗り切れたとは言い切れない、ひな子だったが、ライフセーバーの試験にも合格し、港と同じく人を助ける仕事をしていく決意を固める。そんなストーリーです。
ポイント1 挿入歌が好きなら楽しめる
港とひな子の思い出の曲は、二人が子供の頃に流行っていた曲。港が亡くなってしまってからは、ひな子は港を呼び出すために、繰り返しこの歌を歌います。
曲はGENERATIONS from EXILE TRIBEの「Brand New Story」。
「きみが〜 眺めている〜 水面は〜」
この曲を楽しめるか否かが、映画を楽しめるかの分かれ目になると思います。
好きな人には絶対にオススメ。
ポイント2 カフェシーンが好きなら楽しめる
コーヒーやオムライス、卵サンドといった、カフェメニューの食べ物がよく登場します。絵の雰囲気と合っていて美味しそうでよかったので、カフェ好きな人は楽しめると思います。
ポイント3 サーフィンが好きなら楽しめる
サーフィンの場面は思ったほどは出てきませんが、ひな子と港を繋ぐ大切なアイテム。ひな子は港の死によって、一旦は海から離れますが、最終的にはライフセーバーの資格を取って海に戻ることを選ぶなど、大切な居場所として描かれています。
舞台は千葉らしく、詳しい人であれば、すぐわかる風景が織り込まれてるみたいです。
▼ 三浦春馬の青春映画にもサーフィンは登場します。
ポイント4 アニメならではのファンタジー感が楽しめる
高層ビルが火事になり、 ひな子と洋子のピンチに、港は大量の水と一緒に登場して二人を救出します。
巨大なビルを水で包み込むなど現実離れした展開なので、アニメ映画でよかったと思いました。
現実離れしているといえば、ひな子の部屋が一人暮らしにしては広すぎたり、放火の連中がカフェでペラペラ犯行を喋っていたりと、どこか不思議な場面も出てはくる。
千葉のポートタワーや実在する場所が登場するのと比較して非現実感が漂いましたが、あえての狙いであれば、それでよいのかも。ファンタジーですからね。
▼『美味しんぼ』が、YouTubeでリマスターで見れますよ!
それではまた。
のじれいか でした。