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【映画】『窮鼠はチーズの夢を見る』優柔不断モテ男、大倉忠義を求める成田凌【ネタバレ・感想】

映画『窮鼠はチーズの夢を見る』は、水城せとな原作の漫画の実写版です。

誘われたら断れない受け身のモテ男と、男を以前から好きだった後輩男子くんとの愛の物語。

大倉忠義と成田凌による濃厚なBLです。白シャツスニーカーのおしゃれサラリーマンと、怪しい色気を発する青年探偵との、切ない映画でした。

映画『窮鼠はチーズの夢を見る』を見て感じたことを、ネタバレありでご紹介します。

 

 

窮鼠はチーズの夢を見る

 

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作品情報

 

製作年度

2019年

上映時間

130分

監督

行定勲

キャスト

大倉忠義

成田凌

吉田志織

さとうほなみ

咲妃知佳子

小原徳子

 

 

 

予告

 

www.youtube.com

 

www.phantom-film.com

 

「流され侍」恋の行方

 

大学時代「流され侍」というあだ名があったくらい、迫られると断れない29歳、大友恭一(大倉忠義)は、現在は結婚して妻、知佳子(咲妃みゆ)と暮らしている。

しかし恭一の性格は結婚後も変わらず、流れるがままに浮気をしていた。

あるとき恭一は、大学時代の後輩、今ヶ瀬歩(成田凌)と7年ぶりに再会する。今ヶ瀬は、知佳子から恭一の浮気調査を請け負う、興信所の探偵だった。

知佳子に浮気報告をされたくない恭一は、今ヶ瀬に報告をしないでほしいと頼み込む。

恭一の弱みを握った今ヶ瀬は、昔から恭一に恋心を抱いていたと気持ちを告白する。恭一は、今ヶ瀬に困惑しながらも、段々と今ヶ瀬の勢いに流されるように。

恭一はノンケなので、今ヶ瀬と会うのは、最初はあくまで知佳子に浮気の報告をされたくないから。ところが実は、知佳子も浮気をしていて、離婚準備のため興信所で恭一を調べていたことが判明。というか、黙っていられなくなった知佳子が自ら事情を説明して離婚を切り出します。

知佳子の態度からも読める展開で、恭一の優柔不断さや、恭一が大切にしているつもだった家庭も実はとても脆かったことがわかる場面です。

恭一は妻に興味がないから浮気にも気づかない。そんな恭一の虚ろな人間性が窺い知れる。

一人になった恭一の元を今ヶ瀬が訪ね、それから部屋に居つくように。今ヶ瀬の本気の恋のペースに、流され侍の恭一は流されてます。

妻の裏切りと離婚はそれなりに恭一に堪えたようでしたが、恭一はモテるので、黙っていても不倫相手の井出瑠璃子(小原徳子)や職場の部下、岡村たまき(吉田志織)、大学時代の元彼女、夏生(さとうほなみ)と次から次へと女が登場する。  


今ヶ瀬は、そんな恭一が心配で、気が気ではない。しかも今ヶ瀬は自分は男で、ライバルは女、恭一は世間的にノンケなので、小さなことでも疑い、苦しむのでした。

 

優柔不断なようで選んでいる(ネタバレあり)

 

離婚した恭一の部屋に居つくようになった今ヶ瀬ですが、幸せは続かず、その後も女の影に怯え続けます。

夏生とは正面を切ったバトルになり「どちらかを取って!」と夏生は恭一に迫る。

ノンケだから男を選ぶわけにはいかないという理由で、今ヶ瀬は恭一に棄てられる。そんな不安さを繰り返すうちに、今ヶ瀬は、不安や疑いから自滅的になり、自分から関係を壊してしまう。

恭一と部下の岡村たまきとは結婚寸前までいくものの、そこに一度は自分の前を去った今ヶ瀬が現れ、その時になって、恭一はやっと今ヶ瀬への気持ちに気づく。

今ヶ瀬は彼女と別れて自分を選んでほしいと頼みますが、恭一は「自分たちは恋愛にじたばたする年齢ではないはず」と悟りを開くような言葉に続き「一緒に暮らそう」と今ヶ瀬に言います。

いきなり人生感を突きつけられた今ヶ瀬は、呆然として恭一の元を去っていきます。その結論は今ヶ瀬が望んだラストとはあまりに違うものだったから。

「あまりにも相手を好きすぎると、自分を保てなくなって壊れてしまう」今ヶ瀬が去って空洞になった恭一を前に、岡村たまきは言います。

その言葉は恭一が今ヶ瀬に感じていた言葉で、好きになったからほかの女たちに吐いた優しい嘘は言えなかったのかもしれない。それは愛求める今ヶ瀬には、言ってはいけない言葉でした。


▼自分を保てなくなった恋の話 

noji-rei.hatenablog.com

 

恭一という男・今ヶ瀬という男

 

恭一は誰にでも親切で優しい。でも実は誰も好きじゃないし、誰にも興味はないのかもしれない、そんな空洞を抱えているように見えました。

でも今ヶ瀬は恭一のことを「愛してくれる人に弱いけど、その愛情を信用しないで、自分に近づく相手の気持ちを嗅ぎまわる」と分析します。そして自分はそういうやつが大嫌いだとも。その言葉を聞いて、恭一はたんに疑り深く、愛されるのは好きだけど愛するのは得意ではないという、最低ぶりが見えてきます。

今ヶ瀬は、相手に心底惚れてしまうと、その人がすべてにおいて自分の好みとは違っても例外にOKになるという、恋愛至上主義の男。

愛を与えることで喜びを感じる今ヶ瀬と、恭一は真逆な性格。
優しいようで実はひねくれ者で薄情な恭一のような男の心を、本当の意味で満たすことができたのは、今ヶ瀬みたいな奴だけなのかもしれない。

一方で今ヶ瀬は、自分がゲイであることの後ろめたさと、恭一を好き過ぎて苦しみのたうち回り、会うたびに矛盾したことを口にしてしまう。でも望んだのは本当はシンプルな愛の言葉だった。

20代は恋愛に苦しむのが常なのでしょうが、私自身も振り返れば、もうちょっと直球で行動してけばよかったと思うところがあります。

今ヶ瀬も恭一ももうちょい素直に生きた方が楽になれたのに。 

 

別れの海の場面が美しい

 

行定勲監督はどこかに圧倒的な見せ場が登場するのですが、こちらの作品ではラスト近くで、男二人夜明けの海岸に佇むシーンが美しかった。ザ・行定勲監督といった場面です。

役者は大倉忠義は、取り止めのない男の役を上手に演じていましたし、成田凌のゲイもよかった。

ストーリーは冗長ぎみだったような。もう少し短くてもよかったように思えました。


▼行定勲監督作品はこちらにもあります

noji-rei.hatenablog.com

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それではまた。
のじれいか でした。