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【映画】『ガス燈』宝石に魅了された男の悪意【ガスライティング・ネタバレあり】

映画『ガス燈』(gaslighting)はイングリッド・バーグマン主演のサスペンス映画。1944年と大変古い映画なのですが、いまだに多くの人から愛されている作品です。

ストーリーは、夫に騙されてマインドコントロールを受けた妻が、精神的に追い込まれていくというもの。こういう心理的に相手を追い込むことを本作のタイトルから、ガスライティングと呼ばれています。

最近では三浦春馬の主演ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』の中で、このガスライティング演出があったのではと話題になったりしました。

この映画『ガス燈』が、なぜ主人公に偽りの情報操作を仕組まれるに至ったのか。またタイトルの意味について書いていきます。

 

 

 

ガス燈

 


ガス燈(字幕版)

 

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作品情報

製作年度

1944年

上映時間

113分

監督

ジョージ・クーカー

キャスト

グレゴリー・アントン
(シャルル・ホワイエ)

 

ポーラ・アルキスト・アントン
(イングリッド・バーグマン)

 

ブライアン・キャメロン(ジョセフ・コットン)

 

ベッシースウェイツ
(メイ・ウィッティ)


ナンシー

(アンジェラ・ランズベリー)

 

エリザベス

(バーバラ・エヴェレスト)

 

 

 

宝石に魅せられた男の話

 

19世紀末のロンドン。有名女優の叔母アリスと暮らすポーラ(イングリッド・バーグマン)。しかし叔母は自宅で何者かに殺害されてしまい、ポーラは家屋敷と財産を相続することになった。

その後、ロンドンを離れたポーラは歌手を目指してレッスンに励むうち、グレゴリー(シャルル・ホワイエ)と恋におちて電撃結婚する。

結婚後、夫のグレゴリーは、なぜかロンドンの屋敷を新居にしたいと主張する。叔母が亡くなって長年誰も住んでいない屋敷で暮らすことにポーラは抵抗を感じるが、グレゴリーに説得されて仕方なくロンドンで新婚生活をスタートさせるのだった。

既にこのあたりでグレゴリーには怪しさしかない。何らかの目的でポーラに接近していることはミエミエで、叔母雑害の犯人もグレゴリーであることが透けて見える場面があり、ここまで見せていいのか戸惑います。

でも犯人であればロンドンの屋敷に住みたがるのがおかしい。絶対に避けたいはずなのにどうして?

つまりロンドンの屋敷に住む必要があったのです。グレゴリーは妻が健全で好き勝手に振る舞われては困る。だから少々回りくどい手口に見えるものの、忘れ物の多さを指摘して妻を精神的に追い込もうと画策します。

夫の嘘の操作によって、悩み塞ぎ込む妻ポーラ。そんな追い込まれていく妻を尻目に、夫が何をしているかといえば、屋敷を粗探しの真っ最中です。

あるものを探して

 

宝石は男女をかかわらず、人を狂わせる

 

結婚後のポーラは、自宅に人を招待することも、外出することも制限されてしまう。唯一接点があるのは、夫と使用人だけ。その使用人もエリザベス(バーバラ・エベレスト)は耳が遠く、若いナンシー(アンジェラ・ランズベリー)は人を食っているところがある。どちらもポーラの話し相手には不向きです。

つまり自分としか会話ができないように仕向け、忘れ物の多さや盗み癖を指摘して精神的に追い込んでいく算段です。

そんなわけで屋敷で塞ぎ込む日々を送るポーラでしたが、珍しくグレゴリーとロンドン塔に出かけ展示物の宝石を目にします。宝飾品には伝説といわれた「コ・イ・ヌール」(光の山)という105ctのダイアモンドや、ビクトリア女王が即位のときに使った王冠が展示されています。

グレゴリーは恍惚とした表情で「コ・イ・ヌール」は世界で一番有名なダイアだと語るのでした。

 


コ・イ・ヌール 美しきダイヤモンドの血塗られた歴史

 

そうグレゴリーは宝石に魅了されていました。叔母アリスが隠し持っていたポーラも知らない宝石をこっそり奪うためにポーラに近づき結婚したのです。このグレゴリーという男にとって、イングリッド・バーグマンの美しさより鉱石の美しさに価値があったということ。

グレゴリーが語る世界で有名なダイアモンド、コ・イ・ヌールは、現在もロンドン塔に展示されています。

カラット数では合計9石(3106.75ct)からなる「カナリン」が世界最大のダイアモンドと認定されていますが。ちなみに宝石の単位である「ct(カラット)」は大きさではなく宝石の重さにつかわれる単位で1ctは0.2グラムです。

4cs.gia.edu

 

なぜ『ガス燈』なのか? 


舞台は19世紀末、ガス燈の照明を使っていた頃のお話です。
屋敷にいたポーラは、夫の留守中、部屋の明かりが暗くなったことに違和感を抱く。誰かが明かりを点けたのかと使用人のエリザベスに確かめるが、ガス燈をつかったのは使用人たちではなかった。どこかで明かりをつかったから、部屋は暗くなったはずと察したポーラは「では誰が?」と疑問を抱く。また同時に屋根裏の物音も不安だった。

一方で、屋敷中を探して屋根裏部屋に宝石が隠されていると確信したグレゴリーは、屋根裏部屋のドアを塞ぎ、外部から屋根裏に侵入して宝石を探していたのです。明かりはグレゴリーが点けていたのでした。

アリスが衣装に縫い込んだ宝石をグレゴリーが発見するのと、以前からグレゴリーを怪しんでいたブライアン警部(ジョセフ・コットン)がポーラに接近するのとはほぼ同時。マインドコントロールの果てに病院送りにされそうだったポーラは、ギリギリのところで最悪の事態から逃れることができたのでした。

以上、欲望から悪意に走った男の話でした。


▼現実にも悪意は蔓延っていますが……、 

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それではまた。
のじれいか でした。