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【映画】『サイドカーに犬』竹内結子が輝いている【ネタバレ・感想】

映画『サイドカーに犬』は、長嶋有の小説の映画化。
主演は竹内結子


竹内結子は最近では、刑事や弁護士役などキャリアな女性像の役を演じる機会が多く、エルメス、サンローラン、セリーヌ、ジミーチュウといったブランドをまとった姿が印象的。そんな竹内結子ですが出演映画を見たなかで印象に残っているのが、この『サイドカーに犬』。改めて見直してもやはり素晴らしい映画だと思います。

亡くなられたと報道されていますが、まったく信じ難く実感はまるでありません。
ただご冥福をお祈りしつつ、本作を再度鑑賞しました。

 

 


サイドカーに犬』の作品について好きなところ、残念だったところをネタバレありで書いていきます。

 

 

 

サイドカーに犬

 

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作品情報

 

製作年度

2007年

上映時間

94分

監督

根岸吉太郎

キャスト

ヨーコ
竹内結子

薫の父
古田新太

薫・10歳

松本花奈

透・10歳

(谷山毅)

薫・現在

ミムラ
薫の母

鈴木砂羽

浜口

トミーズ雅

釣り堀の主人

寺田農

透・現在

(川村陽介)

吉村

椎名桔平

干物や

温水洋一

干物やの母

樹木希林

 

 

 

 

予告

 

www.youtube.com



竹内結子演じる謎の女「ヨーコ」がとにかく魅力的!

 

物語は、不動産会社に勤務する薫(ミムラが、弟の透(川村陽介)から結婚式の招待状を受け取ることろから始まります。
離婚した両親の話をするうち、薫は20年前、母(鈴木砂羽が家出をした夏休み中に交流した謎の女性ヨーコ(竹内結子のことを思い出していきます。

10歳の薫(松本花奈の元に突然現れるヨーコ。家出した母に変わって父(古田新太から夕飯をつくることを頼まれたと薫を買い物に連れ出し、厳しい母がなかなか買ってくれない「麦チョコ」をカレー皿にだして餌のように与えてしまう。知性的で悟っていながら雑な面もある。だけど決してデリカシーのない女性ではない。薫に対しても上から目線ではなく対等に接します。

 

薫の父は、中古車販売の会社を立ち上げているけれど、非常に怪しいことに手を出している。そのわりに事なかれ主義で、争い事を嫌うといえば聞こえはいいけれど、手っ取り早く言えば現実逃避な性格の男です。

 

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薫の母は外面を大切にする人で、麦チョコをカレー皿に出すようなことは絶対にしたくない人。家出の前には念入りに部屋掃除をしていくような几帳面さも。(これはヨーコが来ることを意識してのことかもしれませんが)
価値観がまるで違う薫の両親がなぜ結婚したのか? そこは男女の不思議ですが、ヨーコは父寄りの人間で、母に比べれば本音を大事にする女性。
薫はヨーコのような大人の女の人と接するのは初めて。それでだんだんとヨーコに興味を持つようになります。


そうして薫の中でも、母とヨーコの違いが明らかになっていく。
父との結婚でうんざりしている母は、家出する前「無理に結婚なんてしなくていいから手に職をつけなさい」と薫に言っている。一方でヨーコは、自転車に乗れない薫に自転車の乗り方を教え、コーラは歯が溶けるからと怖がって飲もうとしない薫に「試してみなよ」と買い与える。母は概念的女性ですが、ヨーコは極めて実践的な女性なのでした。

  

ヨーコはいつも自転車で薫の家に来るのですが、一度サドルを盗まれたことがあると薫に話します。そのときヨーコが取った行動は、ほかの誰かの自転車のサドルを取るというオチ。話を聞いた薫は「ヨーコさんがサドルを取った自転車の持ち主はどうしたんだろう?」と非常にまっとうな質問をします。


ヨーコはどう答えるだろう、自分だったらどう答えるだと、つい本気で考えてしまうほどヨーコと薫の会話が楽しい。「サイドカーに犬」というちょっと変わったタイトルは、以前薫が見かけた風景。誰も飼いたくはない、誰からも飼われたくないと考えるヨーコと薫の想いからきています。

 

 

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自転車にまたがってコンバースのローカット、布バッグを掛けている無造作な竹内結子は輝いている。この映画ではスカートやハイヒール姿の竹内結子は出てきません。夏の日差しの下、当時27歳くらいの竹内結子は、私生活ではいろいろ大変だったのかもしれませんが、そんなことを微塵も感じさせない魅力を放っています。


けれどもそんな彼女(ヨーコ)は、薫との友情が深まるのとは別に、薫の父との関係に悩んでいる。自由でいたいけれど、恋愛は相手を束縛してしまうものでもある。それに薫の父は、破天荒なヨーコですら困ってしまう掴み所のない相手でした。

 

残念に感じたこと・大人になるということ

 

成長した薫は幸せになったかといえば、仕事は忙しく身勝手な客に翻弄されている。母の教えのとおりになったといえばその通りなのですが、この先、薫に幸せを予想できる要素はあまりない。


色々なものが手に入り、誰からも所有されず、所有もしない自由を手に入れたはずなのに幸せを感じられないことがある。
子供の頃、早く大人になりたいと思い、時間と共にその願いは叶ったはずなのに、人生は大人になるほどに刺激を失い惰性になっていく。結局はそんなものなんだろうなとじんわり感じさせるのがちょっと物悲しいかも。


20年前、ヨーコと父は仕事のことや、父の他人と深く関わらない人間性などについて揉めることが増えて、諍いが起こるようになります。
そして母が突然帰宅して、女同士のバトルを引き起こる。
薫にとっては自転車に乗れるようになれたり、いろいろ貴重な経験ができた夏でしたが、ヨーコや母にとっては、薫の夏とはきっと違った夏だったはず。
もしかしたらヨーコにとっては、あまり思い出したくはない夏だったりするのかも。


さいごに

 

映画『サイドカーに犬』の舞台は国立。
三浦百恵の家が近くにあるらしいとか、 清志郎が好きなのといった、さりげない地域の話題も楽しい。


成長した薫が、マンションの内見に連れていく客の役として、なぜか伊勢谷友介が出演しています。

また10歳の薫を演じた松本花奈は、現在は映画監督としても活躍しています。

 

▼映像美の世界を堪能できる『春の雪』

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竹内結子の出演映画『コンフィデンスマン JP』

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オススメ映画まとめもあります。

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それではまた。
のじれいか でした。