映画『かもめ食堂』。原作は群ようこ。荻上直子監督が手掛けた2005年の作品です。
フィンランドで食堂を経営をする日本人女性と、客人たちの不思議な関係を描いたもの。食堂の主人を小林聡美、訳ありな日本人旅行者に片桐はいり、もたいまさこが演じてます。
テーマは、異国の地での触れ合いと、人生の変化を受け止めるかといったところ。またインテリアやファッションも見所のひとつ。
『かもめ食堂』の好きなところと、大人の女性をさりげなく光らせるファッションについて考えてみました。
かもめ食堂
作品情報
製作年度 |
2005年 |
上映時間 |
102分 |
監督 |
荻上直子 |
キャスト |
サチエ(小林聡美) ミドリ(片桐はいり) マサコ(もたいまさこ) ヤルッコ・ニエミ タリア・マルクス |
予告
サチエ・ミドリ・マサコ 柄×柄の組み合わせ
料理上手なサチエ(小林聡美)は「かもめ食堂」の経営者です。おにぎりなど和食メニューの食堂をやっていますが、人は全然入らない。でも慌てずに淡々としています。
髪を束ねて、柄のトップスに柄のボトムスという高度な組み合わせのコーディネート。一粒ピアスが目をひきます。
柄×柄の高度な組み合わせ pic.twitter.com/lo7ns0mfi5
— noji_rei (@noji_rei) October 29, 2020
ミドリ(片桐はいり)は訳ありっぽい旅行者。サチエが話しかけたのが縁で親しくなり、特に目的もない旅だからとサチエの店を手伝うことに。
ミドリは、イラストが上手で、店に客が入らないのを心配したり、いろいろと目敏い。せっかちだけどさっぱりとした性格や旅行者らしい雰囲気も出すためか、ファッションは無地でシンプルなものが多めです。
映画『かもめ食堂』もたいまさこのマリメッコのワンピ pic.twitter.com/sQV239p2XD
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マサコ(もたいまさこ)はロストバゲージで途方にくれている旅行者。エレガントな装いです。私は女性のスカート姿が好き。パンツもいいですが、人生でスカートは手放したくないな。
バゲージがないので着替えを現地調達して、マリメッコの大柄ワンピースに着替えるのがいい。すごく似合っています。もたいまさこは小柄なのに、こんなに大きな柄の服がばっちり似合ってしまうところはさすが。
映画『かもめ食堂』
— noji_rei (@noji_rei) October 29, 2020
もたいまさこのジュエリーがたまらん pic.twitter.com/TLdLwYi4IB
マサコはジュエリーの付け方も素敵。大振りのリングを人差し指、中指、薬指につけている。これ公開当時から話題でしたね。
たぶんすべてアンティーク。おそらくですけど、ホワイトオパール、オニキスとベビーパール、イエローの石のマーキースカットのリング。イエローの石はダイヤモンドかも。劇中でマサコは両親を看取っていると語っているので、形見を身につけているのかなとも想像しました。
好きなところ・過去は棄てても、経験が残る
サチエはミドリに店のメインメニューをおにぎりにしたことを問われて、父親がつくってくれたおにぎりの思い出について語ります。でもサチエは過去に囚われているわけではない。変化に対してもとてもおおらかです。
マサコが一度帰国を決めたときも、人生はその人もので、ずっと同じではいられないとミドリに話します。サチエは流れるものに寛容でありたいと思っているけれど、実際に経験したことは体には残る、そう考えているのが伝わります。
また、マサコが最初にミドリを泊めた日、和食が並んだテーブルの前でミドリが涙し、黙ってマサコがティッシュ箱を差し出すところは名シーンですね。
店のインテリアはアルヴァ・アアルト。食器はイッタラ。生活に馴染み、デザインが前目に出過ぎないさりげなさ。フィンランドでは普通に使われているものですけどね。
▼協力ショップの一部
www.sempre.jp
さいごに・ちょっとくらいあざとくても
この映画は会話はあまり多くありません。会話の中で、一種のあざとさも感じてしまいますが、それだっていいんじゃないかと思ってしまう。たぶんゆるぎない世界観があるから。
▼ジュエリーネタの映画はこちらです。
それではまた。
のじれいか でした。