結婚を決めた相手と別れることになりそう。
そんな話を耳にしました。
問題は彼の母親だったという話です。
フリーで働く30代の彼女と家電メーカー勤務の40代の彼は、交際1年半。
一緒に暮らすようになって約1年が経ちましたが、新型コロナウイルスの騒ぎもあり、この機会に結婚の意思を固めたそうです。
お互いの年齢のこともあり、一緒に暮らすにあたっては結婚前提ではありましたが、特に期限を定めていたわけではありませんでした。
でもこの状況下では先々何があるかわからないし、どちらかが感染して入院になった場合でも、家族になっていた方がスムーズなどの理由もあったようです。
とりあえず入籍だけ済ませてと考えていたものの、どうやら話はそう簡単ではなかったという話です。
登場人物
・彼(43歳)家電メーカー勤務・実家は中部地区・次男(長男は独身)
・彼女(35歳)フリーのデザイナー・実家は首都圏・長女(弟あり)
・彼母(70歳)専業主婦
・彼父(73歳)無職
2人は1年半ほど前に友人の紹介で出会い、1年前から都内で一緒に暮らし始める。
新型コロナウイルスで非常事態宣言が出る前に結婚を意識するようになり、4月半ば双方で結婚の意思を固める。
息子の結婚に母激怒
彼女は会社員を経てフリーのデザイナーになった人で、堅実で現実的な性格、結婚に夢を見るタイプではありません。
元々、結婚式も披露宴も興味はないので、婚姻届だけ提出すればいいくらいの考えでした。
新婚旅行は行きたかったけれど、この状況なのでいつか行けたらという程度。
落ち着いたら両家で食事会をしよう。
その辺りのことは、2人の間では話がついていました。
しかし彼が電話で両親に報告を入れると、話を聞いた彼の母は激昂。
「そんな大切なことを電話で済ませるのはおかしい」と泣きながら電話を切ってしまったそうです。
母親の激昂ぶりにただならぬ空気を感じた彼は、電話をかけ直して必死に説明します。
彼母と彼女は、彼母が上京した折に紹介されましたが、そのときの彼母の態度はとても友好的でした。
彼母の終始にこやかな態度に安心した彼女は、今回の態度はまったく別人のようだとびっくり。
彼母は、彼に次のようなことを言いました。
結婚するにあたっては、2人でちゃんと挨拶に来て頭を下げるのが当たり前。
結婚を反対とまでは言わないが、何も今すぐ結婚する必要はなく、挨拶や段取りが踏める時期になってから結婚すればいいだけの話。
こんな勝手な結婚をされたら、周囲に対して恥ずかしく顔向けができない。
母親に泣きつかれて、彼の心も「確かに今すぐじゃなくてもよいのかも」と揺れ始めてしまいました。
自分の母親がここまで頑なに結婚を反対するとは考えていなかった彼は、みんなに喜んで貰える結婚がしたいと言い出すように。
彼女は、人生の決断を母親に左右されてしまう彼への不信感を募らせるようになりました。
それにもしここで折れてしまったら、今後事あるごとに、彼の母(姑)の判断を仰ぐことになり兼ねません。
彼母(姑)の存在が、ここまで自分の人生に直結することは、彼女は想定外だったのです。
彼女の実家に彼母から突撃電話
そして悶々としていた彼女の元に追い討ちをかける出来事が起こります。
彼女の母親からの電話で衝撃を受けることに。
彼女の実家は通勤圏内にありますが、社会人になってすぐ一人暮らしを始め、実家に帰るのは年に数回。
母親とも頻繁に連絡を取り合っているわけでもなく、比較的あっさりした関係です。
彼のことは一緒に暮らし始めるときに紹介済みで、結婚のことはメールで連絡を入れ、落ち着いたら食事会をすることで了解を得ていました。
その実家の母が言うには、彼の母親から電話があり、2人の結婚を止めるよう説得してほしいと言われたというのです。
彼母の主張は彼に話した内容とほぼ同じ。
この時期に結婚するのは相応しくないこと、やはり簡単でも式は挙げた方がよいこと、こちらの親戚にお披露目も必要だということ。
だから現状はこのままの関係を続けるべきというものでした。
それまで感情を抑えていた彼女でしたが、実家の電話を教えたのが彼だとわかり、感情が爆発、口論になってしまいました。
彼女のジレンマ
都内暮らしの2人は、コロナウイルスの感染を恐れながらテレワークで仕事をする日々。
2人とも仕事はありますが、先のことはわからない。
結婚はこの機会に世帯を築き、助け合って暮らしたいという決意の表れでした。
ですが彼の母親から否定され、彼女は彼との関係を続けることに迷いが出てきてしまったそうです。
しかし彼女の方も一度会っただけの彼の母親という存在を、自分に都合よく捉えてしまい、自分たちを無条件で温かく見守ってくれるだろうと勝手に信じていたところもあったといいます。
そういえば彼宛の荷物に添えられた手紙には「お母さんはいつでも、あなたのことを考えていますからね」と書かれていたり、「愛する息子へ」と結ばれていたりと、よく考えればキモい内容だったことを思い出しました。
こういうとき男性は空気なことが多く、彼の父親は全てを妻に任せきりにしているのかダンマリを通しています。
肝心の彼は、とりあえず婚約して機会を見て結婚すればいいと、母親の顔色を見ているのが見え見えな態度です。
もともと優柔不断な彼でしたが、彼女に対しては揺るぎない思いを持ってくれていると信じていたのに。
本当はただの軟弱な男だったのかもと思うようになり、テレワーク中の毎日のご飯作りも負担を感じるようになってしまいました。
これまでも彼はゴミ捨てと洗濯ぐらいしか家事をしてきませんでしたし、テレワークになってからは3食を彼女に依存していて、そのことが負担になってはいたようです。
本当は少し距離が置きたいけれど、コロナウイルスが蔓延している現状では一緒にいる時間は長くなり、別居するのも一苦労。
もう多分結婚はないと思うが、どのタイミングで別れればいいかわからない。
別れるのなら少しでも早く、次のステップに進みたいと考えるのが普通ですが、情もあり、物理的な理由もありで、彼女の心は揺れに揺れているようです。
別れる前にできること
相手の嫌なところや不安材料があったのでしょうね。
そのことに気づきながらも一緒にやっていくことを一度は選んでいます。
自分が欠点だらけなのと同じように相手だって欠点はある。完璧な人間は存在しません。
彼女自身が限界を迎えれば、遅かれ早かれ2人の関係は終わりを迎えることになるのでしょう。
ただ物理的に離れられない現状、ダメ元で話し合ってもいい気がします。
同居人として家事分担を決めてしまうだけでも、気持ちが楽になれるのではないでしょうか。
経済的な分担がどうなっているのかがわからないのですが、もしきっちりと折半しているのであれば情けは無用です。
自分のことをしっかりこなして、引越しのタイミングを待てればいいように思いました。
それではまた。
のじれいか でした。