こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。
『くれなずめ』は、結婚式の余興をするため、高校時代の仲間6人が久しぶりに集まり、それぞれの心に思い出が蘇る……といった男同士の友情が描かれる、切ないコメディ。
主演は成田凌。高良健吾、若林竜也、藤原季節ら、演技派俳優が男の友情を見せてくれます。
今回は『くれなずめ』のストーリーについて、また感じたことについて書きます。よろしければお付き合いください!
【映画】『くれなずめ』
作品情報
2021年 96分
監督:松居大悟
こちら舞台の映画化なのね
城田優、前田敦子、滝藤賢一、岩松了、脇役も豪華!
キャスト
吉尾和希(成田凌)仙台在住(5年前に亡くなっている):愛称:ヨシオ
藤田鉄一(高良健吾)劇団を主宰
明石哲也(若葉竜也)鉄一と劇団を運営
浜野健太(曽川拓)吉尾たちの後輩
田島大成(藤原季節)会社員、唯一の既婚 愛称:ソース
水島勇作(目次立樹)地元の工場勤務 愛称:ネジ
予告
ストーリー
友人の結婚式に出席するため、高校時代の仲間6人<吉尾和希(成田凌)、藤田鉄一(高良健吾)、明石哲也(若葉竜也)、浜野健太(曽川拓)、田島大成(藤原季節)、
水島勇作(目次立樹)> が、5年ぶりに顔を合わせた。
吉尾たちは再会を喜びながら余興の練習に励む。だが、吉尾を前に5人の心の中には、あらゆる想いが交錯している。
吉尾は自分が死んでいることに気づくが、他の5人はその肝心なところを誤魔化しながら吉尾と一緒の時間を過ごすのだった。
結婚式が無事に終わり、二次会までの時間を潰しながら、各々の心に吉尾と過ごした過去が遡っていって……。
純粋な男たちのコメディ
吉尾は、高校時代に一緒に掃除委員をやっていた同級生のミキエ(前田敦子)に叱られながら思いを寄せていた非モテ男子。人がよくて繊細、愛されキャラで仲間たちからはイジられている。好きな音楽は「ウルフルズ」というわかりやすい一面もあります。
「それが答えだ!」って、「何が答えかわからない」と話すところは面白い。
吉尾の5人の仲間は、劇団員の藤田と明石以外は会社員。結婚式で5年ぶりに全員が揃います。披露宴を終えて二次会までの時間、全員が吉尾と過ごした過去を思い出します。
最後に全員が顔を揃えたのは、藤田と明石の劇団の公演でのこと。吉尾も観に来ていましたが、仙台在住の吉尾は飲み会に参加せず帰路に着きました。5人で盛り上がって飲んでいると終電を逃した吉尾から電話が入りますが、誰も気づかなかった。そして、その半年後に吉尾が突然亡くなったことを報せが入ります。
つまり、あまり納得ができる別れ方ではなかったわけです。
過去を悔やんでもやり直せるわけではない。それはわかっているけれど、会話の断片が記憶の中に焼き付いて離れないことがある。言葉にはなかなか表せない繊細な感情を明るいタッチで描いています。
過去なんて都合よく書き換えろ!
突然亡くなってしまった吉尾への想いを引きずっていた5人でしたが、披露宴にいた吉尾とは別の吉尾……おそらく本物の吉尾の魂が現れ、言葉をかける場面は印象的でした。
「過去なんて都合よく書き換えろよ」
残された方は、故人への後悔が心に残ってしまいがち。「あのとき、ああしていたら」「もっとこうだったら」と引きずってしまうし、友人が亡くなった実感が湧かなかったりもする。
だけど死んだ側はそこまで生きている人間を追い詰める存在ではない、過ぎたことは忘れて構わないんだ、という吉尾からのメッセージは尊かったですね。
だから5人は、過去を書き換える
「過去なんて都合ようく書き換えろ」という吉尾の言葉に、5人は過去を書き換えます。とはいってもほんの僅かな変化です。
最後に全員が揃った舞台の後のほんの少しの時間を、もう一度やり直し、彼らの気持ちを浄化させます。もちろんやり直したところで、吉尾は飲み会に参加することはなく、夜行バスで帰り、その後亡くなる現実は変わらない。
原作が舞台の脚本なこともあり、率直な感想をいえば映画的ではない演出も多く、無理がある場面もあったように感じます。だから評価が分かれると言われるのもわかる気がしました。
一風変わった作品ではあるのですが、だからこそSFでもなければファンタジーでもない不思議な空気感がある作品になったのでは、そんな印象を持ちました。
過去に後悔を残す人に、オススメしたい映画でした。
▼ 成田凌、高良健吾、若葉竜也の出演作品はこちらにもあります!
それではまた。のじれいか でした。