ドラマ『その時までサヨナラ』。
『リアル鬼ごっこ』の山田悠介の小説をWOWWOWでドラマ化したものです。女にだらしない主人公の前に、亡き妻の友人が現れて親子の絆を繋ぐのだが、実はその友人とは……。
家族愛を描いた切ないお話。感想をネタバレありで書いていきます。
その時までサヨナラ
作品情報
製作年度 |
2010年 |
上映時間 |
114分 |
監督 |
岡本愛彦 |
キャスト |
森悟(北村一輝) 中森多恵(銀粉蝶) 森稔(北見敏之) 住職(寺田農) |
北村一輝ファンにはおすすめかも
主人公は文芸誌の編集長の森悟(北村一輝)。
妻、亜紀(清水美沙)とは別居中で、福島の鉄道に乗っていたが事故で亡くなる。
森には息子の裕太がいる。事故現場には裕太も乗車していたので心に深い傷を抱えている。義父母は裕太を引き取りたがり、森自身もそのつもりでいた。
そんなある日、森が帰宅すると、自宅に妻の元同僚、宮前春子(栗山千明)が上がり込んでいる。嫌がる森に構わず、春子は強引に裕太の面倒をみはじめる。そして二人で暮らしていけるように家事を教え込むとまで言い出すのでした。
率直に言えば、物語の核になる宮前春子の登場が、あまりに唐突でついていけません。
宮前は妻 亜紀の親友で、何かあったときは夫と息子のことを頼まれていたとのこと。でもそこまで単純な話ではないことはすぐわかります。
宮前信子が家に現れるようになってすぐ、森は愛人の編集者、川田(大塚シノブ)が作家の後藤田(河相我聞)から預かった原稿のデータを盗まれてしまい、責任を取らされた森は、編集部から営業に異動させられます。ほんと散々です。
北村一輝が好きな人にはおすすめできますが、ストーリーは無理が多くて微妙。なぜ、この話をドラマ化したんだろう。原作は読んでいないのでわかりませんが、どうしてこの作品を選んだのか正直よくわかりませんでした。
河相我聞が演じる、作家 後藤田の出番も今一つ。森が激務の編集者をやめるきっかになる人物ですが、設定も台詞もお粗末に感じました。同じく住職の寺田農も同じかな。
緩い話が観たいときにはいいかも
宮前信子に教わりながら家事を覚えていく森。これまでの時間を取り戻すかのような日々を過ごしますが、それも束の間。
実は、宮前信子は宮前信子ではない。妻の亜紀が電車事故のとき隣になった女性(神崎一恵)でした。神崎と体が入れ替わった亜紀は、森と裕太が二人で暮らしてゆけるように一時的に戻ってきたのでした。
亜紀は成長した二人を置いて旅立ちます。
なんだろう。繰り返しますが無理がありすぎます。SFファンタジーはあり得なくてよいので、あり得ない設定をとやかく言っているわけではありません。ただ設定に無理がありすぎるんです。
森も最初はやたらと横柄で、誰彼構わず平気でタメ口。こんな人滅多にいないと思いました。台詞が全体的に説明調で白けてしまうのも、残念なところなのかも。
でもダメ男がちょっと成長できて、そこはよかったねーのお話でした。
それではまた。
のじれいか でした。