キレイなトイレ調査研究所

外出先で使えるキレイで安心トイレの調査をやってるブログ。おすすめ商品や心の保ち方、映画レビューなどを書いてます。

 当サイトにはプロモーションが含まれています

【映画】『裏アカ』瀧内公美の演技に痺れた・犯人は誰?【ネタバレ・感想】

 

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『裏アカ 』は、都会暮らしの女男が、SNSの裏アカを使って一夜限りの出会いを繰り返しながら、心の空洞を埋めようするお話しです。

幻想的な雰囲気。滝内公美の演技が凄かったわ

神尾楓珠がふつくしい〜



ストーリーと率直な感想を書きますので、よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

【映画】『裏アカ』

 

作品情報


監督:加藤卓哉

2016年 105分   

<キャスト>
・伊藤真知子/March(滝内公美)
・島原努/ゆーと(神尾楓珠)

・真知子の同僚(市川知宏)
・新堂さやか(SUMIRE)
・真知子の会社・社長(田中要次)
・飲み屋のおばちゃん(ふせえり)

 

www.youtube.com

ストーリー

青山にあるアパレルショップの店長・伊藤真知子は、仕事が生きがいだが、失敗続きで上手くいかず、後輩の新堂さやかに立場を奪われてしまう。立ち止まった真知子は、自分が何もないことに気づき強烈な虚しさを覚えてしまった。

仕事ばかりで恋人がいない真知子は、SNSの裏アカを作り、そこに自分の体を晒す。投稿を続けるうち裏アカのフォロワーは増えていき、やがて裏アカの「ゆーと」という、年下の男と知り合う。

実際に会うことに躊躇っていた真知子だったが、「一度だけ会おう」という言葉に、ゆーととリアルで会い、関係を持つ。

でも、ゆーとと会う条件は一度だけ、次はないと言われてしまう。

ゆーとと会えない真知子は、SNSで出会いを繰り返すが、満たされることはない。

一方で、真知子の店の売り上げが下がり、回復策が必要になる。そこで真知子が以前社長に提案した百貨店とのコラボレーション企画を始めることになるのだが、本社の担当として紹介された、島原努はゆーとだった。

 

好きなところ

 

真知子の虚しさがわかれば…


この映画は評価が分かれているみたいです。そもそも肉体関係だけで虚しさを埋められるはずがないので、たどり着く先にあるのは絶望だけ。それでも何もせずにはいられないほど苦しいときもある。真知子はそのくらい追い詰められていました。

終盤近く、ブランドリニューアルのレセプションパーティで、男たちと遊びの関係を持ったときの動画と(もちろん顔はない)指輪や服などで真知子と断定している動画が、何者かによって流されてしまいます。

ショックを受けながらも真知子は「あれは私です、誰かに見てほしかった、誰かに認めてほしかった」と叫びます。

たんなる認証欲求といってしまえばそれまでですし、後輩に持っていかれたくらいで余裕がないと思う人もいるのかもしれない。でも仕事は認められて成立するもので、認められなければ成立しない。とはいえ所詮は他人の評価もあやふやですから、誰かからの評価ってもの自体が、おぼつかないものないものなんですよね。

一方で、ゆーとこと島原努は、何をやっても上手くできてしまい、生きることに喜びを得られず苦しくなっている。どうせ仕事で成功したって忘れられてしまうのだから、適当でいいんだと真知子に語りかけながら涙を流すわけです。

つまり種類は少し違うけど、生きていて苦しいという意味ではゆーとと真知子は同じ。だからゆーとは真知子を自分と同じ人間だと感じていた。


日常に虚しさを感じたり、埋められない何かがあると気づく人には伝わる映画なんじゃないかと思いました。

 

滝内公美の存在感がすごい(ネタバレあり)


とにかく滝内公美がすごかったです。アパレル店長らしいヴィジュアルも三十代らしくて貫禄があるけれど、年下のゆーとの言葉に翻弄される、自信なげな表情を見せるところもよかった。あやふやで心許ない雰囲気がとてもよく出ていました。

ゆーとに会いたくて、やっと再会できた真知子は、ゆーとが結婚することも知っていたけれど、そこに嫉妬があるわけではない。真知子が惹かれていたのは島原努ではなく、ゆーとだから。

だけどレセプションパーティーで動画を流した犯人をゆーとだと思った真知子はゆーとを責め、最悪な別れ方をしてしまった。

その後、犯人は別の人間と知らされた真知子は、すっぴんにスウェットで、ゆーとと初めて一緒に入った大衆居酒屋で食事をします。

だけどそこにはゆーとはいない。同じような客がいるなかで、真知子の姿が別人のように違う。

店を出た真知子は川沿いの橋を走り続けるのですが、切なさが込み上げます。


神尾楓珠がかっこいいぞ


神尾楓珠が堪能できます。あの容姿はデカダンスな役柄と合っているかも。

滝内公美とは、実年齢でも10歳くらい離れているのですが、無理に若づくりせず、実年齢の大人っぽい雰囲気にした方が、神尾楓珠演じるゆーとと、リアルではない出会い方をしているっぽさがよく出ていると思いました。


動画を流した犯人は誰??(ネタバレあり)


レセプションパーティで真知子の動画を流した犯人は、真知子の会社のウェブチームのオカダです。

おそらくオカダは真知子のことが好きだった。またおそらくオカダは真知子の裏アカにもしつこく絡んでいた「おっくん」というクマのアイコンの人でもあるっぽいです。



残念だったところ

 

テーマが新しいとは思えない


個人的には好みの作品で、役者も好きですし、同じことを続けていくことで感じてしまう虚しさや絶望感はよくわかる気がしました。

ただタイトルが『裏アカ』っていうのがちょっとどうなんだろう。

あとSNSの裏アカで出会うシチュエーションも既出感があるかな。


つらいのは、ゆーと・真知子だけではない(ネタバレあり)


ゆーとは、これまで、仕事も、恋愛も、すべて上手くやってきた。結婚だって自分がしたいわけではなく相手が望んだから。そしてこれから続くのは地獄だと、結婚後に住むマンションを見上げながら話し、生きている気がしないとも言います。

もしかすると、ゆーとは、自分みたいな人間は、自分ともしかして真知子くらいなものだと考えているのかもしれないけれど、それは形こそ違え、おそらく誰だって似たようなもの。


誰もが、やるせなさや空洞を持っていて、もしかしたら、ゆーとの結婚相手の女性だって一緒かもしれないんです。

心の中は人には見えません。多くの人は、そうして自分や世の中を騙し騙し生きているんじゃないかな。そんなふうにも思えました。

 

▼神尾楓珠の出演映画はこちらにも

 

noji-rei.hatenablog.com

 


 

 

それではまた。のじれいか でした。