こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。
映画『俺俺 』は、日常に満たされない男が、ちょっとしたきっかけで働いた俺俺詐を景気になぜが俺が増えていく、という話。
SFサスペンスにジャンルされてるみたいですが、どういう映画と説明し難い不思議な物語でした。
主演の俺は亀梨和也。33の俺が登場します
三木聡監督の独特の世界観が楽しめる
すごく謎めいていて、色々深堀できる話ですが、そうでなくても楽しめます。
ストーリーと率直な感想を書きますので、よろしければ、お付き合いください!
【映画】『俺俺』
作品情報
監督:三木聡
原作:星野智幸
2013年 119分
<キャスト>
・永野均(亀梨和也)
・サヤカ(内田有紀)
・タジマ(加瀬亮)
・サヤカの夫(渋川清彦)
・南(ふせえり)
・永野マサエ(キムラ緑子)
・大樹の母(高橋恵子)
ストーリー
アラサー男の永野均(ひとし)は、カメラマンの夢を諦め、家電量販店のカメラ売り場で働いている。仕事もやる気がでず、つまらない毎日を送っていた。ある日、均がファストフードにいると、隣り合わせた男が話に夢中になって、均のトレイに携帯を置き、均はその携帯をこっそり持ち去る。
会話を聞いていた均は、その携帯が大樹(だいき)という男のものだと察していた。均が持ち去った携帯をチェックしていたところ、母親から着信が。均は大樹の声を似せて、振り込み詐欺を働き、まんまと90万を振り込ませることに成功した。
だがその晩、均が帰宅すると、アパート部屋の照明が灯り、見知らぬ女性が食事の支度をしていた。
その女性は大樹の母。振り込め詐欺がバレたと悟った均は、大樹の母に謝罪するも、なんと大樹の母は、均を大樹と呼び、自分の息子と信じ切っている。
なにがなんだかわからない均は、仕方なく大樹として母に接する。大樹の母に着いて行くと、家には、均と同じ俺と撮った写真が飾られていた。
そこで均は、自分の実家に帰ってみると、インターフォン越しに出た母・マサエは、均を他人として扱い明らかに迷惑がっている。すると家から均にそっくりな男(俺)が出てくる。
実家にいた別の俺と話した均は、昨晩マサエの元にもう一人の俺が現れたことを知る。
そのマサエといたもう一人の俺は大樹で、大樹はもう一人俺がいると話す。大樹に呼ばれて出向くと、そこには学生の俺・本山ナオキ(ナオ)がいた。
その後三人の俺は、ナオの住むボロアパートで、俺たちだけの居心地のよい時間を過ごす。三人はナオの部屋を、猿山にたとえ本山から「俺山」と名付け、俺たちのアジトのようになっていく。
それから俺たちは、均に接近する謎の美女・サヤカの夫たち一味をやっつけるなどして、絆を深めていくのだが……。
好きなところ
三木聡の不思議な世界観
登場人物の不思議さや、室内の独特な雰囲気、街並といったちょっとした場面にも手を抜いていないのが伝わりました。独特な雰囲気があり、ストーリーをより不思議に見せています。
ふせえり、岩松了、松重豊、松尾スズキ、渋川清彦といった個性的なキャラが各場面に登場し、不思議な空気を発散させます。
▼これが好きな人は楽しめると思う。
ロケ地も個性的で謎めいている。「これどこ?」ってちょっと気になる場所ばかりです。
ゴリラ交差点 巨大ゴリラ像 港北区都築まもる君
俺たち三人がボウリングをした場所は閉店していました。
【速報】君津市のボウリング場「アイビーボウル君津」が閉店。
— きみつネット (@kimitsu_net) September 16, 2018
張り紙には16日と書いてありますが、今日の午前2時までの営業という意味のようで既に閉店しているようです。 pic.twitter.com/WKuNA64UG4
均のアパート付近の風景
千葉県若葉区千城台3丁目付近
深い話でもある(ネタバレあり)
永野均が俺俺詐欺をしてから、俺俺詐欺をした携帯の持ち主のはずの俺・大樹と、大学生のナオの俺が登場し、俺が三人に。険悪になるかと思えば、気を遣わない俺だけの関係に居心地のよさを覚え、打ち解けていく。
やがて謎の美女・サヤカの夫たちから襲われた均を、大樹とナオが助けることで、絆が深まります。
だけど、そのうち三人のアジト俺山に、やたら個性が強い俺がぞろぞろ現れると、均と大樹は難色を示すようになる。
「自分の中に許せる自分と許せない自分がいる」
ということです。深いですね。
最初、ナオは俺がたくさんいればいいと思っていたけれど、均と大樹に否定されて、今度はもう一人の俺、ミゾノクチを削除します。
大樹は、削除したということは削除されることもあり得ると均に話す。均たちは危機感を抱えるようになっていきます。
そうするうち、均の務める家電量販店の上司・タジマも均の目には俺に見えてしまう。
街中が俺が増えていき、それを抑えるために、今度は俺の削除が始まります。
その後、警察から俺俺詐欺について質問を受けた均は、自分の部屋に戻ると自分が削除された映像をスマホで受け取り、もしかしたら削除されたのは俺ではと不安になる。
「果てしない削除の末に増殖は収まる」
行方がわからないナオの身を案じながら、均と大樹は、互いの無事を祈って別れます。
そうして均は一旦元に戻ろうとする。具体的には警察でも聴かれたように、俺が増殖した理由は、均の俺俺詐欺から始まっている。だから均は、詐欺にあった金を返そうとしていました。
もしかしたら正解があるのかもしれないけれど、感じ方や解釈は自由にも思える。そんなストーリーは大変魅力的です。
ラストはどうなる?(ネタバレあり)
俺の増殖を収束させるため、俺の削除が始まりました。
ナオが行方不明になり、均の部屋は血で汚れている。しかも均のスマホには、削除され倒れている俺が映っていた。
大樹はナオを探すと言い、均は元に戻ろうとする。つまり均は俺俺詐欺をした大樹の母に金を返したいのですが、行手には別の俺が大勢現れ、阻まれてしまう。
何とか大樹の実家にやってきた均は、そこでナオと再会しますが、それはナオを装った大樹でした。薄々気づいていた均は、ナオを装った大樹が均を削除しようとしていることに気づいていた。それで均は大樹を削除する。
そして大樹の母に金を返し、唯一の俺に戻った均は、母・マサエのいる実家で、これまで呼べなかった母の名前を呼ぶのでした。
時計の色やほかにも謎が…(ネタバレあり)
・カレンダーの日付
冒頭、マサエの実家では3月。ラスト、マサエの実家では7月。その間の出来事なのですが、時系列が入れ替わっていたりするみたいです。
・腕時計の色
均はデジタルの腕時計いくつか持っているが、使っているのは赤色の時計。
ナオは黄色で、大樹は黒(デザインも違う。おそらくそもそもの大樹が持っていたもの)。
腕時計はわかりやすく着けていることもあれば、着けていないこともあります。
均はナオに家電量販店の仕事を代わってもらうのですが、そこで腕時計を交換していた。時計を戻そうとしたナオに「また頼むかも」と戻さず、均が黄色の時計を着けていました。
ラストで均が外したのは黄色の時計でしたが、おそらくナオと均はどこかで腕時計を交換していた。つまり俺こと均はナオであったことが予想できます。
人間の多面性と自意識。他人にはなかなか心を開けないもの。
だけど特別な存在と思っている自分は、実はそれほど他人と変わりはないのかもしれない。
そんなことを伝えたい物語みたいです!
残念だったところ
難解なので考えるとキリがない
あらゆる場面が謎めいていて、一度見ただけではわからないかもしれません。
アマプラなら繰り返し見れますよ。
▼亀梨和也の出演映画はこちらにも
それではまた。のじれいか でした。