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【映画】『嫌な女』対照的な女の物語なようで人の普遍性を描いている【ネタバレ・感想】

 

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『嫌な女 』は、性格や価値観がまるで違うふたりの女の物語。

心に孤独感を抱える地味な女弁護士が、詐欺師の従姉妹の弁護を引き受けることに。

吉田羊と木村佳乃のタッグが光ってた

次第に明かされる、詐欺師夏子の本音が見どころかな

 

この作品は最初、地上波ドラマで放送され、その後映画化されました。監督を務めたのは女優の黒木瞳。ドラマ版では主演の徹子を演じました。

結論から先にお話ししますと、酷評されていて興行的にも大コケだったみたいですが、そこまで悪くなかったですし、むしろ面白かったです。


ストーリーと率直な感想を書きますので、よろしければ、お付き合いください!

 

 

 

 

 

【映画】『嫌な女』

 

作品情報


監督:黒木瞳
原作:桂望実

2016年 105分   

<キャスト>

・石田徹子(吉田羊)
・木谷夏子(木村佳乃)
・磯崎賢(中村蒼)
・大宅みゆき(永島瑛子)
・萩原道哉(ラサール石井)

www.youtube.com

ストーリー

幼ない頃、祖母からお揃いの向日葵柄のワンピースを与えられた、従兄弟同士の石田徹子と木谷夏子。

すると自我が強く気にくわないことを決して受け入れない夏子は、「お揃いなんて死んでもイヤ!」と、徹子のワンピースを破いてしまう。

時が流れ、徹子は勉強して弁護士になり結婚もして、いろいろ手に入れた。でも孤独感があり寂しい毎日を送っている。

徹子が働くのは、萩原道哉が経営する弁護士事務所。徹子は優秀なのに依頼人に寄り添えないため、評判は芳しいものとはいえなかった。

そんな徹子の前に、結婚詐欺師になった夏子が自分の弁護をしてほしいと突然現れる。

夏子は婚約不履行で慰謝料を求められたが、夏子は愛情がなくなっただけで金を払う気などないと突っぱねる。しかし事情を聴いていくと、マンションの名義を夏子に変更させようとしていたり、実は意図的だったことがわかる。それでも復縁を求める男の方から訴えを取り下げ、ことなきを得た。

その後、再び時は流れ、離婚して相変わらず孤独な徹子の元に、夏子が登場。

今度は、夏子が絵画詐欺で売りつけた絵の代金の返済を求められているのだが…。

 

好きなところ

 

愛されることに貪欲な女、愛を諦めている女


徹子は弁護士になっても結婚しても、自分の中に強い孤独感がある。仕事人としては、冷静でクールで優秀ですが、人と深く関わらないため、とっつきにくく、魅力に欠けているようにも見える。 

それに反して、従姉妹の夏子は定職を持たず身勝手であらゆる男の元を行き来している。結婚詐欺師に絵画詐欺とやりたい放題です。一度は結婚して子供も産んだけれど、家庭人としては暮らしていけず離婚しました。


ただ、徹子が夏子に関係する男たちから話を聞くうち、夏子の実態が見えてくる。

夏子はもちろんお金ほしさで詐欺まがいのことをしていますが、それも好きな男のため。

夏子は、誰かにとって特別な存在になりたいと思う人。たとえ好きな人から傷つけられてもメゲることなく愛を求めていることがわかります。

それは他人に期待せず心を閉ざしてきた徹子とはやはり真逆のようですが、実は傷つくのが怖かっただけの徹子にできないことを、夏子が行動に移しているところもありました。

夏子と接するうちに徹子も変わっていき、心を開いていくところが面白い。徹子の悩みは実は誰もが感じていることなのかもしれないけれど、普段口にすることではないので、自分だけではと思ってしまいがち。

 

長い時間軸がよい


物語は徹子が子供のころのエピソードから始まり、やがて司法試験に合格して弁護士事務所で務め出してから、おそらくですが、13年とか14年くらいの期間が描かれています。

弁護士事務所にカレンダーが貼っていあるのですが、徹子が入所したのが平成13年、近年で平成27年になっています。夏子が「40過ぎて」と話しているので20年くらいの話なのかも。ま、とにかく上映時間は長くないのですが、時間軸が結構眺めです。

その間に徹子は離婚。夏子は結婚詐欺の後、結婚して出産して離婚、絵画詐欺になったりと忙しい。でも好き勝手に生きている夏子も時が過ぎれば、周囲から「オバサン」呼ばわりされるようになっていきますが、夏子はメゲません。


徹子を見守る事務所の事務員が沁みる(ネタバレあり)


徹子が勤務する弁護士事務所は、ラサール石井演じる所長の萩原と、永島瑛子演じる事務員の大宅みゆきがいます。

周囲と馴染めず心を閉ざす徹子を、大宅みゆきは温かく見守り続けます。


夏子が遺産目的で老人介護をしているのですが、そこで知り合った老人から遺言作成を頼まれた徹子は、その妻に向けたメッセージを聴きながら、初めて依頼人に対して心を寄せて涙を流します。

そういう徹子の話を、大宅みゆきはやさしく聴いてきました。徹子も気付けば彼女に対して心を見せるようになっていました。

だけど、長い年月のうち、大宅みゆきは病に倒れてしまいます。

それは徹子にとって痛手だったのですが、後輩弁護士の磯崎を今度は包んでいかなければと成長していく姿がよかった。

またラストに亡くなった大宅みゆきから、徹子に向けて手紙が届きます。その内容はとてもよかった。

映画の主人公は、徹子を演じた吉田羊と、夏子を演じた木村佳乃。(ふたりのバトルシーンもなかなか迫力がありました。ラストは互いの存在を認めて和解します。)

…なのですが、永島瑛子のさりげない存在感も光っていました。

残念だったところ

 

夏子の行動があまりにダメ(ネタバレあり)


夏子が男に向けてあれこれ行動するのは、お金欲しさもあるけれど、自分が特別な存在だと認知されたい欲求からでもあった。そのあたりはすごくよく理解できたのですが、にしてもやっていることが、わかりやすく変すぎです。


あとラストで、夏子が二股をかけられていた恋人の結婚式に乗り込み、新婦に向かって「あなたのためを思って」と披露宴で男の本音を暴露するのですが、こんなのは正直大きなお世話です。

たとえ許し難いことをされたとしても、他人の結婚式をぶち壊す権利は他人にはありませんです。

 

▼女のドロドロ劇もたまにはいい?

noji-rei.hatenablog.com

 

 

それではまた。のじれいか でした。