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【映画】良作発掘『ジャケット』不思議おすすめSF映画【ネタバレ・感想】

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『ジャケット』は、スティーブン・ソダーバーグジョージ・クルーニが共同プロデュースをしたSFサスペンス。

湾岸戦争の後遺症で記憶障害になった男が、未来に姿を表して過去を取り戻す。

蘇る過去の先で、男を待つものは?

「なるほど」と納得させられる味わい深いSFです。派手さはなくどちらかというと目立たない映画ですが、これはおすすめ!

ストーリーと好きだったところを、ネタバレありでご紹介します!

 

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ジャケット(2005)

 

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 ※本記事の情報は2021年7月時点のものです。 最新の配信状況はサイトにてご確認ください。   

作品情報

 

122分
監督:ジョン・メイバリー

キャスト:エイドリアン・ブロディ、キーラ・ナイトレイ、クリス・クリストファーソン、ダニエル・グレイグ

 

予告

www.youtube.com

 

ストーリー

 
1992年、湾岸戦争で兵士としてイラクにいたジャック(エイドリアン・ブロディ)は頭部を撃たれ一度は死亡するが奇跡的に蘇生する。

一年後、逆行性健忘と心的抑圧と診断されたジャックは除隊になり、雪道で母と幼い娘を助けた後に、ヒッチハイクをした車の運転手が警官を撃ち殺す事件に巻き込まれてしまう。

記憶障害で事件当時を思い出せないジャックは、犯人と疑われ精神病院に収容されてしまった。

医師から手荒い治療を受けるジャックは、あるとき突然意識が飛び、ひとけのない街に立っている。

そこでジャックはジャッキーという女(キーラ・ナイトレイ)と出会うのだが、彼女が雪道で出会った幼い娘とわかり、15年の年月をタイムスリップしたのを理解する。

ジャッキーは母を亡くして荒んだ暮らしをしている。ジャックが自分たちが以前会っていることを話すと、ジャッキーはジャックが1994年に亡くなったことを伝え、目の前にいる男がジャックとは信じきれずに拒絶する。

ジャッキーの言葉の意味が理解できなかったジャックだったが、治療のたびに未来へ行き、過去を思い出すのだが…。

「ジャケット」の意味(好きなところ)


主人公のジャックは記憶障害になっているので、幻想的なストーリー展開、時系列は前後しながら進みます。


ジャックは過去の記憶を断片的に見失い、しかも事件に巻き込まれたことで犯人扱いを受けて精神病院に入れられてしまいます。

 

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担当医のベッカー(クリス・クリストファーソン)は、以前担当した幼児殺害犯とジャックを同じ療法で治療している。ベッカーの治療に反対する医師もいますが、年長者のベッカーに逆らえません。

ベッカーはジャックに筋肉弛緩剤を注射し、遺体安置の引き出しに閉じ込める治療をおこないますが、それを繰り返されるうち、ジャックは意識だけでなく肉体ごとタイムトリップをするようになります。

閉所恐怖症でなくても殺到しそう。

かなりハードな治療で、ジャックは疲弊します。タイトルの「ジャケット」は拘束服のこと。引き出しに入れられるときに体の自由を奪うために使われます。

それによってジャックは自分が亡くなっているはずの未来にもタイムトリップできるのですから皮肉です。

愛のある行動(好きなところ)


1993年に幼女と元兵士として出会ったジャックとジャッキーは、2008年で再会して愛し合うようになります。

ただし二人が過ごせるのは、ジャックがタイムスリップをして2008年に現れるときだけ。断続的な時間しか一緒にいられません。切ないですね。

しかも自分が死んだ事実と残された時間があと数日(4日)とわかるため余計です。

ジャックは、自分と同じベッカー医師の治療の犠牲になった少年、ババッグの治療を20アドバイスをして救います。

そして何よりジャックがタイムトリップで遣り遂げようとしたのは、母親を亡くしたことで運命が狂ってしまったジャッキーの運命を変えることでした。

 

自分の運命ではなく、愛する人の運命を変えるために翻弄する真摯さに感動します。

 

犯人探しがメインではない(好きなところ)


ジャックが巻き込まれた事件は、警察官の殺害事件とベッカー医師による違法医療行為ですが、事件を解決させることは物語の中心ではなく、解決を追求する話ではありません。

2008年にタイムトリップしたジャックは、すでに医師を辞めたベッカーを探し出すと、自分たちにしてきた治療法は当時すでに禁止されていたこと、犠牲者も自分だけではなく何もかも知っているのだと伝えます。

ベッカーは平静を装いジャックをジャックの息子ではないかと思っていますが、そうではないと知らされて流石に狼狽します。

怖いでしょうね。でもジャックは幽霊ではないし、むしろ自分が拘束服で縛り付け、引き出しに放り込んでいるから目の前にいるわけです。

事件現場は見えなくても犯人は想像がつくし、ジャックが冤罪なのは思い切り想定内のため、謎解き、犯人探しではないところが個人的には好きでした。

それにタイムリープ作品としてもありきたりではなく一風変わっているというか既視感がありませんでした。

エイドリアン・ブロディの演技が光る

 

エイドリアン・ブロディといえば、オスカー俳優で、本当に幅広い役柄を演じている俳優なのですが、この『ジャケット』は、自分は何一つ悪くないのにただただ運命に翻弄され、なおかつタイムリープまですることになってしまった理不尽極まりない男の役を実にスマートに演じています。

キーラ・ナイトレイとのラブシーンも美しい。

 

ラストでじんわり(ネタバレあり)

 

運命の死を受け入れたジャックは、その後、ジャッキーの前に現れます。

ジャッキーの母は、ジャックのアドバイスを聞き入れて運命が変わり今も存命、ジャッキーは荒んだ生活ではなく明るく健康的な日々を送り、病院に勤務している。

ジャックを乗せて走るジャッキーの車の車内には温かな光が差し込み、それはジャックがここで消えたらもう現れないこと、だけどそれは決して悲しい別れではないことを示しているように思えるのでした。

 

▼異次元映画はこちらにもあります!

noji-rei.hatenablog.com

 

それではまた。 のじれいか でした。