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【映画】『シングルマン』トム・フォードの心情が窺えるような映画だった【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

映画『シングルマン』(A Single Man)は、デザイナー、トム・フォートが監督をつとめた第1作目の映画です。

 

『キングスマン』??

違います。コリン・ファース主演でなんか似た感じを想像しそうですが、まったく異なる映画です(笑)

 

恋人を失ったゲイの男性が、喪失感に絶えきれず死を選ぼうとする。

繰り返し蘇る恋人との日々の回想と、短い時間に起きた物語です。イギリスの作家、クリフとファー・イシャーウッドによる小説が原作。


ストーリーについて、感想をネタバレありで書きます。

よろしければ、お付き合いください!

 

 

【映画】『シングルマン』



作品情報


監督:トム・フォード アメリカ


2009年 100分 

<キャスト>

・ジョージ・ファルコナー(コリン・ファース)
・ケニー(ニコラス・ホルト)
・ジム(マシュー・グッド)
・カルロス(ジョン・コルタャレナ)
・シャーロット(ジュリアン・ムーア)

 

www.youtube.com

 

ストーリー

 

1962年のロスアンジェルス。

イギリス人の大学教授・ジョージ・ファルコナーは、16年間一緒に暮らした恋人のジム8か月前に交通事故で亡くし、悲しみかが拭えず自死を図ろうとしていた。


ピストルの弾丸を購入し、遺書には「ネクタイはウインザーノットで」と書き残し、準備は完了したが、元恋人のシャーロットからの電話で中断される。

 

また、大学での教え子、ケニーがジョージの家を聞いていたことが、秘書から伝えられた。

 

 

好きなところ

 

徹底的にスタイリッシュ


主人公のジョージ・ファルコナーは中年の大学教授で、恋人を亡くしてからはロスの一軒家に一人暮らしをしています。

住まいはレンガと木でできていて温かみがありますが、全面ガラス張りで洗練かつ刺激的な家でもあります。フランクロイドライト弟子の建築家が設計した住宅で1948年に建てられたものだそうです。

ie.travelstore.tokyo


お洋服はトム・フォードとアリアンヌ・フィリップスが手がけていますし、ジョージの愛車が、メルセデスの220Sなんですが、これが流線型で美しい。クラシックカーって素敵。


そんなふうに、一つ一つに妥協がなく、選び抜いたものをそばに置いている主人公だからこそ、恋人に対して深い愛を持って接していることが窺い知れるのでした。

 

ジョージを見守る人たちの愛情深さ?(ネタバレあり)


ジョージは恋人を失い8ヶ月経っても、現実と過去を彷徨いながら、毎日をやり過ごすようにして過ごしています。

やがてそんな日々に耐えきれず、死を決意しますが、ジョージは周囲から見れば、本人が自覚している以上に「心配な状態」だったらしく、元恋人で今は友人のシャーロットが近づきますし、生徒のケニーもジョージに接近します。

ジュリアンムーア演じるシャーロットは、以前若いときに、ジョージと恋人だった時期があった。でもジョージが完璧にゲイの世界に目覚めてしまい、友人になっている。

やがて月日が流れ、シャーロットは離婚し、ジョージが恋人を失った。そこでシャーロットはジョージに復縁を迫りますが、ジョージは応じることはできません。

それは、ゲイのジョージからすれば、当たり前といえば当たり前なのですが、個人的にはすべてを知りながら気持ちを伝えることはとても勇気が必要だったはずで、彼女の素直さに好感を持ちました。

また、ニコラス・ボルト演じる、生徒のケニーは、女性のガールフレンドがいますが、男性との関係に興味があったのと、やはりジョージの落ち込みにとても心配していた。だから彼の家を聞き出していたわけです。

その後、ジョージと酒場で顔を合わせたケニーは「学校以外のところで話したかった」と言い、夜の海で一緒に泳ぎ、ジョージの家でくつろぎます。ふと目覚めたジョージの向かいでケニーは無邪気に眠っていて、ブランケットをめくると、ジョージの銃を隠している。

そこでジョージは、若く美しい青年ケニーが、自分の自宅を探していた意味を知る。


無邪気なケニーの寝顔を見つめながら、いじらしさに込み上げるものを感じるジョージ。見ている側も同じ気持ちになります。

 

残念だったところ

 

美しく悲しいラスト(ネタバレあり)


ジョージは立ち直れてはいないものの、ケニーのいじらしさに生きる希望を見出します。用意していた遺書を焼き捨て、やっと少しだけ未来を見つようとした矢先、ジョージを発作が襲います。

それはたまに感じていた胸の痛みでした。倒れているジョージの元に恋人のジムの面影がやってくる。

人には結局「今」しかない。過去によって現在は作られ、今を通じて未来につながっているものなのに、過去にいくら心を寄せてもどうにもならない。

そんな、悲しいけれど誰もが陥いる思いをシニカルな視線で捉えたラストでした。

▼トム・フォード監督作品はこちらにもあります!

 

noji-rei.hatenablog.com

 

 

それではまた。のじれいか でした。