(画像:BSテレ東 より)
こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。
『スナックキズツキ』は、テレビ東京で放送された、ヒューマンドラマ。
原田知世が営むレトロスナックは、酒を出さない変わった店。
だけど、訪れた客は、それぞれが抱えているじんわりした傷を、飲まずして癒されて帰っていきます。
すごく面白かった。
益田ミリの原作のドラマ化、どの人の傷もすごく本質を突いていて、心に沁みました。
すごく悲しいことがあったわけではないけれど、日常生活の中で知らず知らずのうちに傷つき疲れてしまうことってありますよね。
そんなときに、すごくおすすめしたいドラマです。
ストーリーについて、感想を書きます。(ちょっとネタバレも)
よろしければ、お付き合いください!
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【ドラマ】『スナック キズツキ』
作品情報
監督:筧昌也、湯浅弘章
原作:益田ミリ
2021年 40分(全12話) テレビ東京 ドラマ24
<キャスト>
・真壁トウコ(原田知世)
・酒屋のこぐま屋(浜野謙太)
・中田優美(成海璃子)
・安達よしみ(平岩紙)
・佐藤悟志(塚地武雄)
・瀧井潤(小関裕太)
・冨田希美(徳永えり)
・中島香保(西田尚美)
・佐藤ヨシ子(丘みつ子)
ストーリー
お酒を出さないスナック『キズツキ』は、レトロ感溢れるお店。
キズツキのママ・トウコは、本格的な飲み物と料理を出し、お客さんの傷をさり気なく理解して癒すことができる人。
店を訪れた客は、それぞれの傷を、現実から逃げることなく素直に向かい合うことで、店を出たときは気持ちをスッキリさせ、少しだけ違う新しい日常に向かっていく。
好きなところ
スナックであることの意味
最初は酒を出さないスナックだったら、カフェや喫茶店と同じ?
そう思いつつ見ていると、すぐに酒を出さない『スナック』である理由がわかります。
スナックは格好をつけず本音で飲める場所、お客の溜まったウサをママやホステスが受け止めてくれる寄り添い系のお店ですよね。
だけど飲めば酔っぱらって、その場凌ぎになるところ、キズツキにはアルコールがないので、自分の傷を素直に見つめた上で発散できるのが大きな違いです。
ママのマルチぶりがいい
お客の傷にさり気なく寄り添うトウコママは、決して説教なんてしません。かといって過剰なこともしない。
ただ、お客との会話の中で、その人の傷を理解して、上手に癒す能力があります。
アカペラカラオケ、朗読、ダンス、シャンソンと、お客さんが望みそうな傷の癒し方を上手に引き出すことができ、ギターを持ち出し一緒に歌ったりとマルチなスナックのママです。
最初、ママの唐突な提案に、お客は「えっ?」と驚くのですが、素直に試してみることで救われていきます。
みんな傷ついている(ネタバレあり)
ドラマはオムニバス。
スナック『キズツキ』の訪れる客はみんながどこかで繋がっています。恋人、友達、親などが、やがてスナックキズツキを訪れることで物語は進んでいきます。
世の中の多くの人が、そこまで悪人ではないし、人を傷つけたい人って実はあまりいないと思う。
だけど、淡々とした日常を送るなかで、もしかしたら誰かを傷つけてしまうこともあるかもしれない。
そうしながら生きていくしかない現実のほろ苦さがよかったですね。
みんな繋がっている(ネタバレあり)
原田知世と、酒屋の配達員の浜野謙太以外は、一話登場のゲスト出演です。
成海璃子演じる中田さんは、通販会社のお客様センターのテレオペ。いかにもストレスが溜まりそうな職業ですが、平岩紙演じる惣菜屋のパートの安達さんからのクレームでくたびれ、その後、彼氏の瀧井くんと会っても彼は自分のことばかりで切なくなります。
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中田さんに電話でクレームをつけていた平岩紙が演じる安達さんは、惣菜屋で計り売りのパートをしていますが、お客の西田尚美演じる中島さんなど面倒な客や、身勝手な同僚に振り回されていました。
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瀧井くんが働く代理店の営業の佐藤さんは、独身の実家で母と二人暮らしですが、出世からも遠のき、何も築いていないように思えて虚しくなるようになっていました。
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テレオペ中田さんの彼氏・瀧井くんは、大学の奨学金を払っていて経済的に裕福とはいえない家庭に育ちました。金銭によって人生の選択を迫られることを多く経験してきましたが、長年そのことを口にできずにいました。
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……といったように、お客さんがすべてがとても気持ちよく繋がっています。
原田知世がスナックのママというのに若干の戸惑いがありましたが、そういう気持ちは見れば一掃できます。続編に期待!!
残念に感じたところ
一人客しか対応できない!
なのでお客は全員、おひとり様でのご来店です。
すごくすごくよい話なのですが、現実的には経営が立ち行かなくなりそうで心配になりました……。
▼原田知世といえばこれなのだ。
それではまた。のじれいか でした。