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【映画】『天外者』三浦春馬は素晴らしい・内容は?【ネタバレ・感想】

映画『天外者』。1836年に薩摩で生まれ、激動の幕末を生き、1885年にた五代友厚という男の半生が描かれる。

三浦春馬、最後の主演作品です。

映画について感じたことを、かなり本音で書いてゆきます。

 

天外者

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作品情報

 

製作年度

2020年

上映時間

109分

監督

田中光敏

キャスト

五代友厚(三浦春馬)

坂本龍馬(三浦翔平)

岩崎弥太郎(西川貴教)

伊藤博文(森永悠希)

はる(森川葵)

五代徳夫(内田朝陽)

大久保利通(迫田教也)

勝海舟(丸山智己)

島津久光(徳重聡)

女将(かたせ梨乃)

島津斉彬(楠木孝明)

きく(八木優希)

五代豊子(蓮佛美沙子)

五代やす(筒井真理子)

五代秀堯(生瀬勝久)

トーマス・グラバー(ロバート・アンダーソン)

 

公式

 

tengaramon-movie.com

 

予告

 

www.youtube.com

 

物語は出島から始まる

 

江戸時代末期、長崎の出島で、大勢の侍から追いかけられている若い男。

それが五代友厚(当時は才助)の三浦春馬と、坂本龍馬の三浦翔平です。

五代友厚は長崎に派遣された薩摩藩の武士ですが、言動が当時の武士とはかけ離れている。新しい時代に思いを馳せる、夢を抱く青年です。

五代友厚と坂本龍馬は、出島で知り合った、岩崎弥太郎(西川貴教)伊藤博文(森永悠希)らと、早く日本を開かれた国にしたい。そのためにも海外で学びたいと話し合います。

この四人で囲炉裏で食べているのはすき焼き。牛鍋って呼ばれていた時代ですね。

五代友厚はとにかく日本を自由な国にしたい。そのためにも海外で学ぶ必要があると考えている。

 

「自分が一日早く学べば、日本が一日早く進歩する」

五代はそう言い切るほどの自信家ですが、本当に賢い人です。子供の頃、薩摩藩主、島津斉彬(榎木孝明)から地球儀をつくるように命じられた父、五代秀堯(生瀬勝久)に代わり、一晩で地球儀を作ってしまったエピソードにも触れられます。

敵の多い五代ですが、そんな過去もあって島津斉彬からは気に入られている。また五代は日本が開国して貿易を始めたときに得られる利益を具体的に計算して上申書にしているなど、計算能力も高い人です。

 

 

 


その一方、五代は遊女のはる(森川葵)と出会い、彼女のピンチを救ったことで恋に落ちます。はるは家族を養うために遊女になり、自分の身分を嘆きつつも「夢を見てもいいじゃないか」と訴える。

五代は、そんなはるに「夢を見れる世の中を作ってやる」と誓うわけです。


島津藩は、五代に上海で船を買ってくるようにと命じる。そして五代は上海に。しばらく帰れない五代は、はるにかんざしを贈り、しばしの別れです。


のはずが、はるはイギリス人に見受けされてしまうのでした。

五代は船を買うところで、薩摩の武士がイギリス人を斬り付けてしまう『生麦事件』に巻き込まれ、一度は捕虜にされながら、藩と自分を必死に守るのですが、藩を裏切ったと誤解されて、また逃げることに。

 

 


そこで長崎の商人グラバーが、五代をイギリスに視察という名目で逃します。

何やら大変なのですが、今度はイギリスから戻る船の中で、坂本龍馬暗殺を知って涙です。

明治時代に入って、価値観が変わり、武士たちは変化を受け入れきれずにいるが、曲げを落として政府の役人になった五代は、武士から責められてまた辛い立場に。

そんなとき、武士の娘、豊子(蓮佛美沙子)と出会って結婚。五代は日本が独自の道を進めるようになるよう奔走する……。そして病に。

ざっくりとここまでの話を109分で描かれるため、超高速です。
人物は家族もチラっと、歴史上の人物もチラッと、はるの働く店のおかみ役にかたせ梨乃が出ているのですが、響く台詞があって印象的でした。

 

感じたこと・ネタバレ


五代友厚という人のことをよく知らなかったのですが、自分を犠牲にしてもかなりの偉業を成し遂げた人物であることがわかります。

五代がいなければ、当時の中国と同じく英国にかなりの権利や利益を奪われたかも。通信や鉄道の権利も一度は他国に渡ったかもしれない。それに現在のような大阪の商人精神だって育たなかったかもと考えてしまいました。

自由貿易ができて、誰もが自分のなりたい職業に就ける、そんな世の中にしたいと五代はいつも考え続けた。

五代友厚のその想いが、映画のラストに出てくる「金も名誉も地位もいならい、私は夢のある未来がほしいだけだ」となるんですね。 

本当にいい話なんです。歴史に詳しくなくても普通に楽しめます。でも超高速で巻いていて話がすごく飛びます。それでよかったのか……。


この話は実話に基づいたフィクションで、遊郭の「はる」もオリジナルキャストです。その役が悪いと言いたいわけではありませんが、本当に必要だったのか正直疑問に思えました。限られた時間の中で入れる必要があったのだろうかと。

貧しい身分や目的に近い人物を、主人公の側に置くことで、その目的や考えを明確にさせたい狙いはわかります。

ただそこに時間を割いたため、歴史上のほかの人物との接点があまりにも見えず、本当に孤独な人に見えてしまいました。現実はそこまでではないでしょうし。

でもラストは泣けました。近くの席の人たちも泣いていましたね。

五代友厚は亡くなってしまい、通夜に伊藤博文が現れ、そして……。
どうしても三浦春馬と重ねてしまう場面でした。

 

製作を見ると

 

本作の監督は、田中光敏。個人的には『利久にたずねよ』の監督の印象が強い。

脚本は小松江里子。やはり『利久にたずねよ』を担当しています。『天地人』『花燃ゆ』の脚本も。以前はコメディドラマも書いていますが、最近では時代劇に多く携わっているようですね。

タイトルの題字を書いたのは紫船。これが素晴らしい字なんですが、見覚えがあるなと思ったら、『龍馬伝』『鑑賞マニュアル 美の壷』も書いていました。

つまり、なんというか……全体の雰囲気がNHKっぽいです。決して悪い意味だけではない、画面からは誠実さのようなものも感じられます。嘘がない感じはあります。

ただ、オリジナルキャラクターもいて、ドラマ色を濃くするのであれば、もう少し柔らかくしてもよかったのでは。そんな気がしました。

 

 

 

三浦春馬の演技やいろいろ

 

言うまでもないことですが、三浦春馬の演技はすごいです。立っているだけでいいのですが、それでも立っているだけではなく(当たり前だ)一生懸命演技をしています。殺陣も方言も(聞いている限りは)英語の発音も痺れました。

武士の三浦春馬もかっこいいですし、断髪後も無論すごくよい。衣装はモノトーンが多く、三浦春馬は黒が似合うので、見ていてうっとりしました。

褒めるところしかありません。

三浦春馬はいつも完璧です。いつも一生懸命演じてきたのだと思います。

 

 
見る側の立場の私のような人間が、言うだけなら簡単と思われそうですが、本音をいえば、残念感が漂いました。いい話ではあります。なのですが、スケールが小ぶりでダイジェスト的なドラマという印象が強かったです。それに構成も歴史の説明が曖昧で弱い。台詞もしまりがないと感じるところがありました。もう少し深く掘り下げてほしかった。

そこを役者が頑張って補おうとしているのを見ると切なかったですね。誰もが当たり前のように三浦春馬に頼りすぎていたんじゃないか。でもその役目を果たすことができるのは、三浦春馬しかいない。そう思えて正直泣けました。

あまりよくないことも書いてしまったのですが、せっかくの機会、劇場で観ることをお勧めしたいです。

エンドロールは最後まで立たないでほしいかも。

 ▼三浦春馬、出演映画まとめています!よかったら。

noji-rei.hatenablog.com

 


それではまた。
のじれいか でした。