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【Amazon Prime】『フランクおじさん』自分らしく生きるヒントになる良作【ネタバレ・感想】

アマゾンプライムで配信中の『フランクおじさん』(Uncle Frank)は、1970年代のアメリカが舞台。同性愛者の伯父とその姪が、家族との関わりから生き方を模索する話です。

70年代の性的マイノリティに対する考え方、家族に真実を知られることへの不安と恐怖、過去のトラウマと葛藤を乗り越え、自分自身であろうと模索する姿が描かれます。

これは良作です。考えさせられ泣ける作品でした。

 


Amazonプライム・ビデオ

 

フランクおじさん

 


フランクおじさん

 

作品情報

2020年 アメリカ
監督:アラン・ポール

 監督のアラン・ポールは映画『アメリカン・ビューティー』の脚本を担当


キャスト
フランク・ブレッドソー(ポール・ベタニー)
ベス・ ブレッドソー(ソフィア・リリス)
ウォーリー(ピーター・マクディッシ)
キティ・ブレッドソー(ジュディ・グリア)
母(マーゴ・マーティンデイル)
ハッチおばさん(ロイズ・スミス)

 

伯父の秘密と少女の成長

 

1969年夏。サウスカロライナの小さな街に暮らすベス・ブレッドソー(ソフィア・リリス)は成績優秀な14歳の女の子。伯父でニューヨークで大学教授をしているフランク(ポール・ベタニー)とのおしゃべりが楽しみだ。

だが祖父は息子のフランクに意地悪で、なぜか周囲もよそよそしいことをベスは疑問に感じている。 

保守的で閉鎖的な考えに囲まれているベスにとってフランクは話のわかる相手。フランクはベスにニューヨークの大学への進学を勧めるが、ベスは親が許さないと考える。

するとフランクは「どんな人間になるかは周りが決めることではない、自分自身の意思で決めること、人生は自分で選べるんだ」とベスに説く。

1973年、ベスはフランクの影響もあって、ニューヨーク大学へ入学。フランクとのふれあいは以前より増える。フランクは叔父としては最高の男性だが秘密めいており、成長したベスはそのことを以前よりも感じるように。

フランクの秘密のひとつが同性愛者であることは、パートナーのウォーリー(ピーター・マクディッシ)の存在で明らかに。フランクはベスに家族には黙っていてほしいと頼むが、以前、恋人として女性を紹介されていたベスは、少し不思議に感じている様子でもある。

ベスとフランクは、普通の伯父と姪の仲としては珍しく、性についてオープンに話す関係なのですが、ベスから尋ねるとフランクはある一定のところで言葉を閉ざしてしまうのですが、それには理由がありました。

 

父の訃報と遺言書・ネタバレあり



ある日、ニューヨークにフランクの父が急逝した連絡が入ります。フランクとベスは葬儀に出席するために帰省。心配で追いかけてきたウォーリーと合流して実家へと向います。

フランクはウォーリーと自分との関係を疑われるのを恐れて、葬儀には参列しないで欲しいと頼み、ウォーリーもそれはわかっている様子。すると行く先々でも嫌な思いをすることがあり、この時代の同性愛者に対する厳しい視線が描かれます。

しかも葬儀後、開示された父の遺書には、全員に財産が分与されたのに、フランクだけは「同じ名前を継がせた恥辱」という酷い内容があっただけ。財産を分けてもらえなかったのに加え、恥とまで言われてしまったんですね。

ショックを受けたフランクは、少年時代に初めての相手と一緒のところを父親に見られてしまい、父から強烈に批判され、その恋人を否定し遠ざけたことで、相手が亡くなっていたことがわかります。

 

テーマは性的マイノリティの話に留まらない

 

傷つき自虐的になったフランクを支えるのはウォーリー。フランクの母はフランクとウォーリーを受け入れますが、身内にはフランクを受け入れ難く感じる人もいる。

人の考えはそれぞれ。だから一人で抱え込むことはない。開放することで居場所をつくれることもある。そういうラストへと続きます。

この物語は性的マイノリティをテーマにしたのではなく、個として生きる以上誰でも価値観や考えの違いは生じるが、そのなかでいかに自分らしく生きるかということ。

人によっては否定的考えを持つ人だっているはず、否定も受け入れることで、本当の意味で自分の気持ちに素直になれるのかもしれません。

かつてフランクから、どういう自分になるかは自分自身が決めることだと言われたベスは、今の状況をただ嘆くフランクに「私に言ったことは嘘なの?」と問う。

そこでフランクは自分の抱えていた矛盾に気付かされます。

 

すごく好きなのはラストの場面・ネタバレあり


物語の最後に家族がただ集う場面が出てきます。

ほんとうに何気ない風景と日常の場面。親戚にはおばあさんもいれば、ベスの同年代の女性もいて、そういうなかにいながらベスはふと自分の居場所はここにあると感じる。

それは家族が揃ったという意味とは違い、もっと大きな場所という意味。ベスも成長して、フランクも波を乗り越え、そして親戚たちも色々ありながら生きている。一人一人が素直な感情で確かに存在している瞬間を彼女はそのひとときのなかに感じることができたのです。

その後、ベスがどのように生きたかは描かれませんが、この日のこの時間が、ベスの人生にとってかけがえのない時間になったことが伝わるラストでした。

 

1970年代のアメリカ社会・性的マイノリティへの視線


1960年代後半から1970年代前半のアメリカは、ウッドストックやヒッピー文化が台頭して、尖っていたけど開放的なイメージを抱いていたのですが、アメリカの田舎町の思考は『イージーライダー』などにも描かれ、厳しい一面もあったことが窺えます。

 

最近の映画で性的マイノリティの男性たちを更生させる施設の話『ある少年の告白』という作品がありましたが、あれは実話だというから驚きです。

 

 Amazon Primeで見よう!はこちらにもあります。

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それではまた。
のじれいか でした。