『内田春菊の呪いのワンピース』。
TBSテレビのエンタメ番組内(ギミア・ぶれいく)で放送された、テレビアニメです。
きれいになりたい女の願望を叶えるワンピースは、その女たちを決して幸せにはしてくれず、不幸にさせられてしまう、というお話。
オムニバス形式で3人の少女が登場します。
番組の中で放送されていたもので、全話見ても23分と短い。これってどうなんだろう?と思ったので見てみました。
感想をネタバレありで書いていきます。
内田春菊の呪いのワンピース
作品情報
製作年度 |
1992年 |
上映時間 |
32分 |
監督 |
木上益治 |
キャスト |
祐子(国府田マリコ) 香穂理(森口博子)
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3人の少女がワンピースに呪われてしまう
3人の少女たちの家に、呪いのワンピースが届き、願望を叶えてくれるのですがワンピースは呪われているといったお話です。
みんな多感な少女でコンプレックスがあったり、好きな相手から思われたいという願望が当然あるわけです。
「呪いのワンピース」は内田春菊によるホラー漫画。当作品は短編アニメにもなっている。ジャンプとは何の関係もない。【朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 内田春菊「呪いのワンピース」】 pic.twitter.com/u75WTTwB1s
— ジャンプ短命漫画bot (@WJtanmei_bot) May 14, 2013
「祐子」
祐子は、友人の真由美の家のパーティに招かれている。真由美の家は金持ちで、いろいろな服を持っているが、そうではない祐子は着ていく服がないので、行くのをためらう。
そこに謎の箱が届き、中には理想的なワンピースが入ってて、祐子は一気にテンションがあがるのですが。
「香穂理」
日頃から慕っている叔父から素敵なワンピースを贈られた香穂理は、幸せの絶頂なのだが、すごく気に入ったワンピースがどうやっても脱げなくなってしまう。
「美智代」
美智代には、好きな男子がいるのだが、気持ちを打ち明けられぬまま、彼は転校。悲しみに暮れる美智代だが、見た目がボーイッシュな美智代のことを母や妹は女として見ていないとこがある。
彼がいなくなってショックで寝込んでいる美智代の元に、彼からワンピースが届く。
結論・内田春菊にしては普通
内田春菊の作品はエッジが効いていて、痛いところを突いてくる印象。この作品は番組の中のスペシャルもののアニメなので、そこまでキツイ内容のものはつくれなかったといった背景も想像できるものの、案外普通でした。
内田春菊のおすすめ作品
『呪いのワンピース』があまりに普通だったので、 私が内田春菊を読んで、唸ってしまった漫画をご紹介しておきます。内田春菊はそれぞれに好きな作品があると思うのですが、私が好きなのはこれです。
内田春菊 水物語
貸してもらって読んだのですが、欲しくなって買いました。
ホステスとして働くアヤという女の子と、客として知り合った男とのお話です。
アヤが働く店の客、トシくんこと村上は、既婚者で子持ちの中年男で、自分は一流企業のイケメンで女のあしらいが上手いモテ男だと勝手に思っている。
まだ若いアヤを、村上は自分に参っていると信じ込み、アヤの若さに溺れながら、若い女を見下している。
二人はいちおう付き合っているのですが、アヤは村上に深入りする気はない。でも村上はアヤの生活にグイグイ入り込み、アヤからうざく思われても本心に気づかない。
男の単純さや愚かさがシュールに描かれています。登場する男たちは最悪なのに、女が読んで嫌な気分にならないのは、きっと「とてつもなく愚か」だから。
これぞ内田春菊という作品。主人公アヤの心情は無駄に騒がず、行動で示されることが多い。したたかさとかわいさのバランス感覚のよさが好きでした。
『水物語』も実写映画化してほしい。
▼漫画の実写化映画作品はこちらです。
それではまた。
のじれいか でした。