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【映画】『トウキョウソナタ』誰もが秘密と危うさを抱えている・井之脇海、土屋太鳳も出演【ネタバレ・感想】

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こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

『トウキョウソナタ』は、私鉄沿線に暮らす四人家族が各々の秘密と戦いながら、家族を演じているといったドラマ。一見すると普通に見える家族の裏の顔を描いた話といった感じでしょうか。 

キャストは香川照之、小泉今日子が冷えた夫婦を好演。また次男に子役時代の井之脇海が出演しているところも見所です。脇役の活躍も光っています。

家族の儚さを描く作品はその時代ごとに発表されていますが、2000年に入り10年めが近づいた日本の現実を、家族というカタチで表現している映画でもあると思います。

今回は『トウキョウソナタ』のストーリーについて、また感じたことについて書きます。よろしければお付き合いください!

 

 

【映画】『トウキョウソナタ』

 

作品情報

2008年 119分  
監督:黒沢清

劇場で観たけれど、今見直すと新鮮だったわ

子役時代の井之脇海がかわいい!

キャスト


佐々木竜平(香川照之)健康器具メーカーの総務課長だがリストラされる
佐々木恵(小泉今日子)竜平の妻、専業主婦
佐々木貴(小柳友)佐々木家の長男、大学生
佐々木健二(井之脇海)佐々木家の次男、小学校6年生。ピアノ講師の金子薫に恋する

金子薫(井川遥)ピアノ講師
小林先生(児嶋一哉)健二の小学校の担任
黒須(津田寛治)竜平の友人
黒須美佳(土屋太鳳)黒須の娘
強盗(役所広司)

予告

www.youtube.com

 

ストーリー


私鉄沿線に暮らす、佐々木家の父、佐々木竜平(香川照之)は、健康器具メーカーの総務課長だがリストラされる。しかし妻・恵(小泉今日子)には、家長としてのプライドが邪魔して打ち明けることができない。

竜平は仕事に行くふりをしながらハローワークに通うが、希望とは程遠い職しか紹介されず落ち込む。やがて行き場のない路上生活者の炊き出しの場で、高校時代の友人・黒須(津田寛治)と再会する。

黒須は一見デキるサラリーマンのような風貌なのに、実は竜平と同じくリストラされていた。また同じく家族には打ち明けていない。竜平は黒須と行動を共にしていたが、やがて黒須が妻と心中してしまい、ショックを受けた竜平は恵に隠れてショッピングモールの清掃員として働き始める

長男の貴(小柳友)は、米軍の志願兵になりたいと、いきなり同意書を突きつけて恵を困惑させて竜平とは大喧嘩になるのだが、貴の意思は固く、アメリカへと旅立ってしまう。

次男の健二(井之脇海)は、どこか大人を食っているところがあり、担任教師の小林(児嶋一哉)との関係は険悪だ。あるとき近所でピアノを教える金子薫(井川遥)に一目惚れしてピアノを習いたいと申し出るが、父の竜平から却下され、給食代を誤魔化してレッスンに通いだす。

恵は、竜平や子供たちの関係を通して、妻・母として存在していたが、自分は誰からも必要とされていない虚しさを抱えていた。そんなとき、自宅に強盗(役所広司)が押し入り、自ら進んで彼と逃亡することになる。

現実で起きていることを香川照之が好演


この当時と変わらずリストラは世間で普通に起きていることです。ただこの映画が撮られた2008年当時は、終身雇用がまだ普通だったし、副業という考えもこれほど当たり前ではなかったのかもしれない。

そういう時代だったから、佐々木竜平は大企業で働いているプライドだけで生きてこられたわけで、会社から見放されると何もないことに気づきながら、実際に見放されたのに、それを認めたくないし、どこかに受け皿があるのではと葛藤している。

再就職を希望する企業の面接官から「何ができるのかここで見せてください」と意地の悪い質問をされます。そこで竜平は戸惑いつつ人とのコミュニケーションには自信がある」と言いながら、「なんでもやります」「得意はカラオケ」としか答えることができません。

一歩外に出ると嫌なことだらけで嫌な思いばかりしている竜平は、本当に嫌なことは話題にしたくない現実逃避の感情が先立ち、家に帰っても妻や子供の心情を慮る余裕はない。

そんな情けない男を、リアル東大卒の香川照之が、味わい深く演じています。また友人役の黒須を演じた津田寛治が当然ながら秀逸でした。ストーリーが一層深くなりま、リアリティを増しています。

竜平と黒須は、路上生活者の炊き出しでの炊き出しがある場所ででしたが、黒須はゼロハリバートンのビジネスケースを手に携帯で仕事の電話をしている。単なる通りすがりでこういう場とは無縁の存在のように見えて、実は黒須は竜平より前にリストラされていた。

最初、竜平は、無職の先輩、黒須からアドバイスを受けるなど、先輩として尊敬していたのですが、そんな黒須が無理心中で命を落としてから、竜平は掃除夫として働き出すことになります。

 

下心でピアノを習う井之脇海が素晴らしい


次男の健二(井之脇海)は一見して普通の小学生ですが、大人を信じきれないというか疑わしく思っている。そして率直に言葉にする少年です。

それで健二は、学校で担任の小林先生(児嶋一哉)を言い負かしてしまう。本音や建前で生きていて、都合が悪くなると子供の言葉を遮断する大人を許さない一面が出ていました。

そんな健二でしたが、道端で美人ピアノ講師の金子薫(井川遥)に一目惚れし、ピアノが習いたいと申し出るも「唐突すぎる」という理由で
竜平から却下され、給食費をピアノのレッスン費に充ててしまうのでした。



結局、健二は「並外れた」ピアノの能力があると言われ、音楽専門の中学を受験することに。受験会場で健二はベートーベンの『月光』を弾き、周囲を圧倒させる。そこで凄いのは、通常ピアノの演奏場面だと手元は映さないものですが、ここでは引きで手元を思い切り見せています。きっと撮影は大変だっただろうなと想像でき、胸が熱くなりました。

 

脇役が輝く名作


この『トウキョウソナタ』は脇役の活躍が特に目立っています。


いつも思うのですが、健二の教師・佐々木を演じた児嶋一哉がとてもよかった。佐々木は健二に教師のプライドを傷つけられ、反撃として卒業まで健二を無視をするという大人げなさがある。その人間臭さがよかったですね。
この人は本当に化けます、何者にでもなれる人だと思います。役者としてもっともっと認められる存在だと思うので、一層幅広い役が観てみたいと思わせてくれます。

鉄板なのは黒須役の津田寛治です。身なりもよく、まさかリストラだとは思わせない姿なのに「珍しいから食べてみようかな」と炊き出しを手にした
ことで、竜平にリストラされたことがバレてしまう。おそらく黒須は竜平にはバレても大丈夫、仲間だと感じ取ったからで、その同類の匂いの嗅ぎ分け方がすごいなと関心させられました。

それと黒須の娘・美佳に土屋太鳳が出演しているのがポイント高い。出番は多くありませんが、両親が心中で亡くなる悲劇的な少女の役で、しかもすごく整った顔立ちなので否応にも目を引きます。しかし子役の10年は早いなあ。

 

ラストはどうなるの?(ネタバレあり)


竜平がショッピングモールで働き出していた頃、妻・恵は一人で自宅にいたとき、役所広司演じる強盗が押し入ります。かなりビビりな強盗で、うっかり恵に顔を見られ、それで恵を人質として盗難車で逃亡することになった。

強盗と逃亡する恵は、途中で逃げる機会はあったのに強盗と一緒にいることを選ぶ。家に帰っても誰もいないし、誰も必要とされていないことがわかり、妻であり母でいることに疲れてしまったからでした。

結局、翌朝、目覚めた海岸沿いの小屋で目覚め一人だった恵は、仕方なく家に戻る。また、夜半にバスに無銭で乗ろうとしたのを捕らえられた健二は、不起訴で解放され帰宅。恵と健二は、二人で朝食を食べる。

そこに掃除の最中に大金を拾ってしまい葛藤した挙句、札束を遺失物ボックスに入れた竜平が帰宅します。

長男の貴は、米軍の撤退が決まり、帰国することになるが、いつも自分たちを守ってくれていたアメリカという国も現実を知り、もう暫くアメリカに止まることを決めます。

ラストの場面は、健二のピアノの受験会場です。竜平、恵、薫が見守る中、健二の弾く『月光』が響き、やがて全員が健二のピアノに呆然としながら聴き入る。

演奏を終えた健二は、竜平、恵と一緒に会場を後にした。


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※本記事の情報は2021年12月時点のものです。


▼ 土屋太鳳の記事はこちらにもあります!

noji-rei.hatenablog.com

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それではまた。のじれいか でした。