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【映画】『リリーのすべて』愛の献身は惚れた弱み【ネタバレ・感想】

映画『リリーのすべて』(The Danish Girl)は、デンマークに実在した画家「リリー・エルベ」とその妻でやはり画家の「ゲルダ・ヴィーグナー」との実話が元になった作品。

性同一性障害に悩む夫と、その妻の愛の物語です。

男と女の性別の狭間で苦しむリリーを演じたのはエディ・レッドメイン。繊細な雰囲気の俳優なので、まさにハマり役でした。

ストーリーについて、見どころ、好きなところ、残念に感じたところをご紹介します!


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リリーのすべて(2015)

 

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※本記事の情報は2021年6月時点のものです。 最新の配信状況はサイトにてご確認ください。
 

作品情報


イギリス・アメリカ・ドイツ 119分
監督:トム・フーパー

キャスト:エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデル、マティアス・スーナールツ、ペン・ウィショー、アンバー・ハード

 

予告

www.youtube.com

ストーリー

 

1926年のデンマーク、コペンハーゲン。

アイナー・ヴィーグナー(エディ・レッドメイン)ゲルダ・ヴィーグナー(アリシア・ヴィキャンデル)は画家の夫婦。

アイナーの絵は世間から高く評価され、肖像画を手がけるゲルダは対象物を変えた方がいいと画商からはアドバイスされ、売り出しに懸命。

二人は大変仲のよい夫婦だが、子供には恵まれずにいる。

あるときゲルダは、ダンサーの肖像画の脚のパーツモデルをアイナーに頼む。ストッキングを身につけ、女ものの靴を履いたアイナーは、チュールのドレスを合わせたとき、不思議な感覚に囚われる。

そして、ある日アイナーはゲルダのスリップドレスを身につける。

アイナーが満たされるのに気づいたゲルダは、いたずら心からアイナーを「リリー」と呼び、女装させて女の仕草を真似させてパーティに同行するのだった。

リリーになったアイナーはパーティでヘンリク(ベン・ウィショー)という男からキスされてしまう。それを受け入れるリリーを見たゲルダはさすがに困惑、リリーを封印させようとする。

でも既にアイナーは、自分の中に棲むリリーの存在が大きくなっていて抑え切れなくなっていた。病院に通い治療を受けるが完治するどころか、リリーの居場所がどんどん大きくなっていく。

そして、やがてアイナーは外科手術で、女性に生まれ変わることを決意するのだが…。

見どころ・徐々に切り替わる性別のスイッチ


エディ・レッドメインの女装、というか、精神的な変化が外見に現れていく姿が見どころです。

妻のゲルダは心からアイナーを心から愛しているので、最終的にアイナーが女性になることを引き止めることはない。夫への愛から、もっと深い別の関係へと進化するところが見事に描かれていると感じました。

 

好きなところ1ゲルダの強さと献身


この物語で一番つらいのは誰かといえば、アイナー本人なのでしょうが、女性目線で見てしまうと、妻のゲルダに共感してしまいます。

ゲルダはアイナーを夫として愛し、画家としても尊敬していました。最初冗談だった女装にアイナーがのめり込み、やがてリリーという別人格が現れ、リリーの存在が大きくなってしまうので、ゲルダも当然困惑しますが、結局アイナーを見捨てることなく、守り寄り添い続けます。

ゲルダは経済的にも精神的にも自立している強い女性なので、夫の変化を見るのはつらかったはずなのに、目を逸らさず立ち会うことができた。しかも途中からアイナーは筆を握らなくなるので、経済的にも支えるのでこれはなかなかできないことです。


それはゲルダが画家であり芸術家なこと、リリーをモデルに描いた絵が高い評価受けてパリで個展が開けるようになったことが背景にはあるかもしれませんが、今から100年前、トランスジェンダー、性の混乱をここまで受け入れるのは容易ではなかったはず。この時代、日本に置き換えたらあり得ない話だと思いました。

彼らの友人たちも協力的だったり、必ずしも名医ばかりではなくても専門医がいるところは、やはり欧州は進んでいるなあーと驚かされます。

好きなところ2・アイナーの葛藤


アイナーは将来を嘱望された画家でありながら、リリーの出現によって絵が描けなくなり、ゲルダの手伝いをしながら悶々とした日々を送るようになる。

そして男性に戻るための病院通いを繰り返すのですが、やがてそれを諦めてリリーとして生きることを選択します。

これを決心するのは大変なはずで、迷いがあって当然だと思うのですが、女性としての人生を選ぶアイナーに迷いはありません。

でもそのためには、精神的なつらさ以外に、肉体的にも大きな負担を伴うことになる。おそらくまだ抗生物質が普通に使われていなかった時代だったこともあり、手術のリスクは大きかったはず。

特に物語の後半、心身ともに疲弊していく姿を、エディ・レッドメインは熱演しています。話の冒頭のスーツ姿とはえらい違いです。

アンバー・ハードがとにかく美しい!

 

アイナーが脚を代役することになった、彼らの友人でもありダンサーのウラを演じたのがアンバー・ハード

今更ですがとにかく美人です、完璧な顔というか人形のようですね。バレエの衣装に身を包んだ姿は素晴らしい!

残念に感じたこと・男の身勝手さ

 

この映画は観る立場によって感じ方が変わる話だと思うのですが、女の立場からするとどうにも、妻の立場のゲルダの負担が大きくて気の毒に思えてしまう。

事実、アイナーよりリリーの出番が多くなってしまった夫は、既に夫ではないので、ゲルダは一度は「もう一緒にはいられない」と別離を告げることもあった。

でもその後、手術を受けてリリーになった元夫を同じようにゲルダは支える。それは決してアイナーが望んでいるわけではないのですが、やはり切ない。惚れた弱みってところでしょうか。

 

その後はどうなる?(ネタバレあり)


アイナーは外科医と出会い、性転換手術で女性になる方法があることを知る。ただしそれを受ければもうアイナーはいなくなり、ゲルダの夫は消える。

また手術は、切除と形成の二度必要になり、合併症のリスクを追う難しい手術だった。

それでも女性になることに揺らぎない思いがあったアイナーは、ひとり手術に向いますが、やはり心配になったゲルダは、アイナーの幼馴染のハンス(マティアス・スーナールツ)と病院に行ってリリーに付き添う。

 
なんとか一度めの手術に成功してリリーになったアイナーは、ゲルダの夫ではないが、同居はしており、百貨店の化粧品の販売員として働き始める。

だが、一日も早く完璧な女性になりたいアイナーは、まだ早いと止めるゲルダの言うことを聞かず、二度めの手術を敢行。術後体力が回復しなかったアイナーはゲルダに見守られながらその命を終えたのだった。


▼ゲイの男たちを描いた映画はこちらです  

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それではまた。
のじれいか でした。