映画『帝一の國』は、古屋兎丸による漫画の実写映画版。
日本一の名門男子高校で起こる派閥争いを描く、学園コメディです。
主演は菅田将暉、志尊淳、千葉雄大、野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、岡山天音……と超豪華。
シュールでコミカルですが、男子高校の閉ざされた世界を垣間見れ(BL要素も……)
それぞの葛藤も描かれる、優れたエンタメ映画です。
これ本当に面白いっス。
映画『帝一の國』のオススメしたいポイントを、ネタバレありでご紹介します。
帝一の國
作品情報
製作年度 |
2017年 |
上映時間 |
118分 |
監督 |
永井聡 |
キャスト |
菅田将暉 野村周平 竹内涼真 間宮祥太朗 志尊淳 千葉雄大 永野芽郁 岡山天音 木村了 吉田鋼太郎 |
予告
原作を実写で見事に表現
主人公の赤場帝一(菅田将暉)は父(吉田鋼太郎)は産業省の事務次官、母はピアニストという恵まれた家庭に生まれ育つ。幼かった帝一は母の遺伝でピアノの才能を発揮。
しかしその一方で親子揃ってライバルの東郷菊馬(野村周平)から、いじめを受けていた。
帝一の父は、自らが総理大臣を目指しながら叶わなかった雪辱を果たすべく、帝一にピアノを止めさせ、総理大臣を目指すように育てる。
帝一は父の教育どおり、日本で一番の超名門校、海帝高校に入学する。帝一の高校の目標は生徒会長になること!
なぜなら海帝高校で生徒会長になることは、総理大臣になるための登竜門とされているから。
舞台は実在する日本ですが、こんな感じで設定はかなり特殊です。
漫画の実写化は難しいのでしょうね、何故この作品を実写にしたの?とすごく残念に感じる作品も数多くあります。
けれど、この『帝一の國』は、濃いキャラクター、ギラギラした雰囲気、スピード感など、漫画の世界観が、見事に実写で再現されている。漫画を読んでいなくても原作の雰囲気がいい意味で想像できます。
濃厚キャラを本気で演じるキャスト!
物語のおもな登場人物は、海帝高校の生徒会、帝一と父の関係、ライバルたちの家族、そして帝一の恋人で構成されている。
帝一は闘争心に溢れていて欲望のかたまり。海帝の生徒は全員ライバルだと思っている。
海帝高校一年生
柳原光明(志尊淳)唯一、幼なじみのだけは帝一の心の友だち。光明は帝一が大好きで一生ついて行きたい考えているほど。損得なしで帝一を支えます。
東郷菊馬(野村周平)は、父の代からのライバル。父は東郷に僅差で負けて大臣になれなかった。生徒会長を狙う東郷は、そんな帝一たちを見下しながら内心では恐れていて、父子揃って帝一たちの邪魔をしようと企む。
大鷹弾(竹内涼真)は奨学金で入学してきた外部生。シングルマザーの母と弟たちと暮らす。海帝高校には珍しい生まれ育ち。帝一を友だちだと思っている、真っ直ぐな精神の持ち主。
イケメン人気俳優が大勢出演しているのですが、全員がかなり本気でおかしな人を演じているのがとてもよい。
帝一が犬になる上級生
帝一たち一年生は、まずクラス委員(ルーム長)に選ばれて、そこから委員会に入り二年生になって生徒会長に立候補できます。
すごくヒエラルキーの世界なので、生徒会長になれそうな二年生のサポートをすることが必要です。(通称:犬になる)
最初、帝一は氷室ローランド(間宮祥太郎)の犬になろうと決意。必死のアピールで国旗掲揚の役目を任される。
しかし途中で、氷室の父が帝一の父と仕事でいざこざがあると判明。しれっと反旗を翻して森園億人(千葉雄大)の派閥に寝返ります。
千葉雄大の役柄も冷静沈着な雰囲気とすごく合っていました。
高校生でありながら政治家と変わらない、なかなかシュールなところがいい。
爆笑ポイントがある
モンゴメリー作戦
帝一は大鷹団が受けたという外部試験のテスト問題が気になって仕方ない。
『赤毛のアン』ファンの教師に、父のバイブを利用して、モンゴメリーの展覧会を開くことをエサに、問題を手に入れるなど、なかなか、抜け目がない。
手に入れた問題を解いてみるのだが、なかなか手強い。帝一は父と一緒に答え合わせをするのですが、父親役の吉田鋼太郎が、政治家らしく見えるところも面白い。
また生徒総会で、国旗掲揚を任された帝一が、東郷の悪意でワイヤーを切られそうになり、必死で支え続ける場面は爆笑です。
一年生の犬は、上級生に決して逆らうことは許されず、また派閥に入って何かをやらかしたら架空切腹が待っている。
もはや生徒会長選挙ではないです。
あっという間に一年はすぎて・ネタバレあり
森園億人(千葉雄大)▷派閥をなくし、投票は全校生徒で行う。
氷室ローランド(間宮祥太朗)▷学力だけでなくスポーツの有名校にし、派閥精度は継続させる。
結果、汚いことをやり過ぎたことで氷室は自爆、森園が生徒会長に選ばれます。
帝一たちが学園政治にギラギラ✨しているのを、大鷹弾は興味なさそうに見ていましたが、生徒会長になることに命を賭けた帝一の姿を見て、大鷹の考え方にも変化が。
一年後、大鷹は選挙戦に立候補、帝一とライバルになって投票の日を迎える。
帝一は政治の世界で頂点を目指したい気持ちに嘘はありませでしたが、実は誰にも邪魔されずにピアノを弾きたいというのが本心。恋人の白鳥美美子(永野芽郁)が帝一の本心を引き出すのでした。
さいごに
負けたくない男たちのシュールな戦いが見られる映画です。
テンポが良くて飽きない。人間関係もわかりやすく、名門私立高校の内部の閉じられた世界に広がるヒエラルキーと閉塞感が、独特な世界観で描かれます。
友人の志尊淳も相反する雰囲気で魅力的、彼の存在が物語をより引き立てている。
間宮祥太朗演じる氷室ローランドと、帝一は父親同士の関係があり、翻る必要がでてくると、しれっと土下座して森園(千葉雄大)側に寝返ります。そういうところは政治家向きですねえ。
千葉雄大もいつもとは一味違う役柄。楽しんで演じているのがわかります。
「総理大臣になれなければ生きている意味がない」
そんな帝一を演じる菅田将暉が素晴らしい。これは代表作だといえると思います。
▼菅田将暉の映画はこちらにもあります
それではまた。
のじれいか でした。