映画『ストリート・オブ・ファイヤー』は、アウトローな街でのイザコザを描いた、現代版西部劇的な映画です。
ヒーローにヒロイン、悪役といった役どころの設定が、とてもわかりやすくシンプルで無駄がない。加えて、主演のマイケル・パレのかっこよさを堪能できます。
3つのおすすめポイントを中心にご紹介します。
ストリート・オブ・ファイヤー
▼見よ!この憂のある表情を!!
作品情報
製作年度 |
1984年 |
上映時間 |
94分 |
監督 |
ウォルター・ヒル |
キャスト |
マイケル・パレ ダイアンレイン ウィレム・デフォー リック・モラニス エイミー・マディガン デボラ・ヴァン・フォルケンバーグ リチャード・ローソン リー・ヴィング ミケルティ・ウィリアムソン グランド・L・ブッシュ エリザベス・デイリー |
予告
名作の理由1:完璧な構成
舞台はアメリカのリッチモンド、時代はおそらく1950年代。(車や街の風景から)
人気歌手のエレン・エイム(ダイアン・レイン)は、リッチモンドの会場で、大勢の観客を前にコンサートの真っ最中。ところが一曲歌い終えたところで、ストリート・ギャングのレヴィン(ウィレム・デフォー)らに拉致されてしまう。
街でカフェを経営するリーヴァ(デボラ・ヴァン・フォルケンバーグ)は弟のトム・コーディ(マイケル・パレ)にヘルプの手紙を出し、数年振りにトムは帰省。
リーヴァはトムに、エレンを救出するよう促しますが、ホイホイ帰ってきたというのに、トムはエレン救出を渋ります。
なぜかといえば、トムとエレンはかつて恋仲だったから。
エレンが歌を選んだことで、二人は別れ、トムはエレンをまだ忘れられないけれど、エレンにはマネージャーのビリー(リック・モラニス)というパートナーがいる。
嫉妬や未練が入り混じる複雑な心境ということでしょうか。
ステージの上で拉致され、それを一般人が救出するという、ちょっとあり得ない展開なのですが、西部劇と思えば納得できます。
トムは、バーで知り合った兵士のマッコイ(エイミー・マディガン)をエレン救出の仲間に加え、ビリーからは救出のための報酬を要求している。
トムはお金がほしいのではなく、そうしなければ格好がつかないだけなのですが、エレンは元彼のトムが金がらみで自分を助けたことを知って怒り心頭。トムとエレンは気まずくなります。
最終的には和解して、ギャングをやっつけ、トムとエレンはお互いの気持ちを再確認しますが、所詮は住む世界の違う二人。
ライブ会場で歌う姿に背を向けてトムは去っていきますが、会場を出たところで、マッコイが車でスーッと近づくところはいいですね。
無駄な場面が本当にありません。ライブシーンから始まり、最後もライブでしめるところもステージを見ているような高揚感がある。シナリオの勉強にもいい作品だと思います。
オープニングすぐでエレンが歌っているステージにレヴィンたちが乗り込んできますが、すぐに拉致をするのではなく、曲が終わってからというのが変に礼儀正しくてよきですね。
あと火が放たれたり、窓ガラスが割れたり、一見派手な演出が盛り込まれているのに、実は誰も死んでいない。安心して楽しめます。『ストリート・オブ・ファイヤー』という一見物騒なタイトルですが、レイティングはGで制限なし。誰でも楽しめる映画です。
名作の理由2:役者がその後、活躍している
ダイアン・レインは、子役から活躍してきた女優ですが、トム・コーディを演じたマイケル・パレにとっては本作品は出世先になりました。
マイケル・パレはその後、ビックなヒット作には恵まれていませんが、ドラマには数多く出演し、役者としてのキャリアは継続されています。マイケル・パレはこの映画に出演したからこそ、現在のようにファンを獲得できたのは間違いないでしょう。
マイケル・パレ本人のTwitterでファンに反応してます。パンの画像が続いてる……。美味しいんでしょうか。
あなたのファンです pic.twitter.com/ogeNJsM2aZ
— aloof (@sl92xlMwII5WAFY) June 16, 2020
マッコイ役のエイミー・マディガンもその後『フィールド・オブ・ドリームス』で活躍。ウィレム・デフォーはこのとき既に有名だったかな。
監督のウォルター・ヒルに、先見の明があるのでしょうね。ここまでキャストが活躍を続けている作品も珍しい気がします。
あと酒場で踊っているダンサーが『フラッシュ・ダンス』のジェニファー・ビールスのダンスシーンを踊ったダンサー。やたらと映ります。
名作の理由3:世界観がよい
舞台はアメリカのリッチモンド、時代は背景は、車やインテリア、ファッションを見る限りだと1950年代と思われますが、音楽は80年代というミスマッチ。
加えて、ダイアン・レインとマイケル・パレの衣装は、どうしてなのかジョルジオ・アルマーニ。
かなり不思議なのですが、全然違和感はなく逆に独特な世界観を生み出している。それもこの映画の大きな魅力だと思います。
音楽を担当しているのライ・クーダ。ダイアン・レインを始め、ラストのバンドも歌っているのは本人ではありません。
▼独特な雰囲気の映画はこちらにもあります
それではまた。
のじれいか でした。