映画『ある日どこかで』(SOMEWHERE IN TIME)自分とは異なる時代の相手に恋をした男女を描いたSF作品。
写真や映像を通じて、現代には存在しない相手に恋心に似た感情を抱くことは、誰でも少なからずあると思います。ですが、なんとこの物語の主人公は、相手に恋焦がれて、本気で逢いに行ってしまうというもの。
隠れた名作(隠れてない?)と言い伝えられる、切ない物語。この話の好きなところ、残念に感じたことをネタバレありでご紹介します。
ある日どこかで (SOMEWHERE IN TIME)
作品情報
製作年度 |
1980年 |
上映時間 |
126分 |
監督 |
ジュノー・シュウォーク |
原作・脚本 |
リチャード・マシスン |
キャスト |
クリストファー・リーヴ ジェーン・シーモア
スーザン・フレンチ クリストファー・プラマー |
運命づけられた恋
1972年、大学のプロムで脚本家の卵、リチャード(クリストファー・リーヴ)の舞台が上演されている。リチャードはそこで見知らぬ老婦人から「帰ってきてね」と告げられ、金の懐中時計を渡される。
老婦人は近くのグランドホテルに滞在しており、訳ありな様子。
時は流れ、8年後の1980年。脚本家になったリチャードは、執筆に行き詰まり旅に出る。そこで滞在を決めたのは、偶然にも大学近くのグランドホテルだった。
リチャードはホテルの資料館である女性の写真に目を留める。ホテルの従業員に尋ねると写真はエリーズという昔の舞台女優のものだった。エリーズに恋をしたリチャードは日々悶々となり、図書館で彼女について調べあげ、女優について本を書いた著者を尋ねる。
そしてエリーズは若いときは快活だったが、晩年は別人のようだったこと、彼女を女優として見出したマネージャーとの関係などを知るのだった。また、大学時代に老婦人から贈られた懐中時計がその舞台女優のものだったことがわかる。リチャードはどうしてもエリーズに逢いたくて、大学の教授から過去に戻るための方法を聞き出す。それは過去の物を遠ざけ、脳に暗示をかけることで、瞬間だが過去に戻ることができたという話だった。冒頭に登場する老婦人と、写真の主が同一人物説であることは容易に想像できます。
色々なアイテムがループ状に繋がるストーリーです。老婦人から受け取った時計、リチャードが調べた写真が撮られた1912年のグランドホテルの宿泊者名簿に彼女の名前と自分の名前がある。(現在の自分が過去に足跡を残している証)思わずガッツポーズ(みたいな雰囲気)で喜ぶなどです。
恋に障害はつきもの
このクリストファー・リーヴはかなりカッコよく、こんな男性から追いかけられたら誰でも気になってしまうのは頷けます。それに女優エリーズ役のジェーン・シーモアも本当に美しい。二人がいると幻想風景のようで、物語をより切なくロマンチックに見せてくれます。
二人の愛は永遠なのか?(ネタバレあり)
やっと訪れた幸せな時。でも、この恋が永遠に続くはずがないので、どこかで終わりがくるのはわかっているのですが、別れは唐突に訪れます。
とてもよくできた作品で、おそらくこの映画を参考に多くの作家がSF作品を排出したんだろうなと感じる映画でした。
結局、誰も幸せになれなかった。リチャードは若くして命を落としてしまい、エリーズもリチャードが去ってから恋はできなかった。でも誰かを愛するということは、時に痛みを伴ってでも貫かれるもの。どうしようもないことだってある。そんなことが言いたかったのかなと思いました。
▼これもすごい恋愛です!
さいごに
1980年に公開された、伝説のSF映画『ある日どこかで』について書いてきました。
この映画は衣装に、音楽も素敵です。
ラフマニノフ『ラプソディ』
それではまた。 のじれいか でした。