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【映画】『赤々煉恋』土屋太鳳と吉沢亮が悲しい【ネタバレ・感想】

映画『赤々練恋(せきせきれんれん)』は、自死した女子高生が、体を失った状態で街を浮遊しているお話です。

原作は朱川湊人の小説。

主演は土屋太鳳。吉沢亮も出演しているので観たのですが、観終わった後でモヤモヤした感覚が残る映画でした。

モヤモヤの原因は何なのだろうとかんがえつつ、映画『赤々煉恋』を観て感じたことをネタバレありで書いていきます。

 

 

 

赤々煉恋

 

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作品情報

 

製作年度

2017年

上映時間

118分

監督

小中和哉

キャスト

土屋太鳳

清水富美加

吉沢亮

 

有森也美

多杉蓮

秋本奈緒美

吉田羊

堀内正美

  

監督のインタビュー、というか、キャラクターについて語っています

 

公式

 

赤々煉恋公式サイトHOME | 赤々煉恋公式サイト

 

 

予告

 

www.youtube.com

 

浮遊するしかない虚しさが描かれる

 

自死した樹里(土屋太鳳)は、今日も一人で過ごしている。母(秋本奈緒美)は樹里が亡くなってから暗い顔をしていて、樹里が側にいることに気づくことはない。

街に出ても誰も樹里の存在に気づかず、誰とも触れ合うことはできない。

透明な存在だから。

そんな感じで、透明になった樹里の虚無感が延々と描かれます。樹里は以前、人混みが嫌いだったけれど、今では大勢の知らない人の笑顔を見ることで気持ちが安らぐ。だけどそんなことは所詮、気休めでしかありません。

誰も樹里の存在に気づくことはない。
「もともとひとりぼっちだったけど、本当にひとりぼっちになってしまった」そう樹里は思う。

死は自分で選んだはずで、樹里はそのことに納得できているはずでした。でも樹里は、死に至った経緯を忘れかけてもいます。

やがて少しずつ、樹里の生前の姿が見えてきます。

 

 

 

母親への想い

 

一人っ子の樹里は、両親から、とくに母親から大切に育てられました。だから母は今でも樹里が亡くなったショックから立ち直れずにいます。

「信じてるからね」

母は常々、そう樹里に声をかけていましたが、それは樹里にとって負担でしかなかった。

樹里にとって母親という存在は、もちろん大切です。でも母にとって自分は何なのかと考えてしまうことがある。娘だから大切にされているだけで、自分の本当の姿を知ろうとはしていないのではと、ときに憤り、つらく当たってしまうこともありました。

 

友だちへの裏切りと自己嫌悪・ネタバレ

 

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自分はもともとひとりだったけれど、ますます一人になったという樹里。

生前も孤独で酷い虐めに遭っていたのかと思えば、そんなことはなく、クラスメイトでサッカーが得意のイケメン、潤也(吉沢亮)とは仲の良い友人で、要領が悪いミドリ(清水富美加)の世話を焼く面倒見のよさだってあった。

やがて樹里と潤也、ミドリは3人で行動するようになりますが、ミドリは潤也に思いを寄せていることがわかります。

ミドリから相談されて、自分も潤也が好きだとは言い出せなくなった樹里は、ミドリから潤也への手紙を託されてしまう。

樹里はミドリに「このまま友だちでいたい」という潤也からの返事を告げます。酷く落ち込むミドリですが、それを見ていた樹里がつらくなる。

その理由は、樹里は潤也にミドリの手紙を渡していなかったから。つまり潤也はミドリの気持ちを知らないままです。

樹里はそのことで自己嫌悪になり、自分の殻に閉じこもるようになっていきます。

樹里の気持ちはわかる。けれどミドリは、それほど大切な友だちだったのかといえば、そんなことはなかったように感じられてしまう。

ミドリは面倒見のいい樹里を、言葉は悪いけれど利用しているようなところもあった。この映画のテーマは友情だそうですが、そこまで友情が描かれているように私は感じませんでした。

それに樹里が亡くなった後、潤也がミドリを受け入れたかといえば、そうではなかった。おそらく潤也は樹里が好きだったはずで、それを考えると二人が悲しい。

今となっては仕方ないことですが、樹里は小細工をせず、ミドリの告白の手伝いだけをやんわり断ればよかったのにと、そこがとても残念に思えました。

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ベビーカーの謎の女の人は……ネタバレ

 

樹里がたまに目が合う女の人(吉田羊)がいます。

いつも一人でベビーカーを押して歩いていて、もしかしたらシングルマザーなのかもしれないし、夫が単身赴任なのかもしれないし、そこはわかりませんが、樹里はその女の人がミドリだとわかっている。

高校生で亡くなった樹里。清水富美加が吉田羊になっているので、かなりの時間が流れているのがわかります。
 

 

 

 

モヤモヤする原因・何も起こらない

 


自死を選んだ高校生の樹里は、地縛霊になって街を彷徨い続けている。 
娘の死を受け止め切れない母親は、コミュニティに参加して感情を吐露するが、樹里は母の「いい娘」「信じていたのに」という言葉に戸惑い、反発する。

その後、自分のことが見える幼女、りんごちゃんと出会い、束の間の幸福感を得る。

しかし、りんごちゃんの母親(有森也美)は人生に絶望していて、弱っている人に近寄る虫男」が母親とりんごちゃんに近づく。樹里はそのことに気づきながら、何もすることができない。慟哭しながら見ているだけです。

そう。樹里は死んでしまったので、何もできません。
つまり物語としては何も起こりません。

 

言いたいことはすごくよくわかるのですが、何も始まらないし、何も変わらないのはどうなんだろう。

おそらく、地縛霊になってしまえば何もできなくなる。そのことを表現したかった映画なのでしょう。

個人的には嫌いではなくて、むしろ好きな世界観。このデッドロックな状態が永遠に続くしかない恐怖を映像化したのはすごく共感できました。でも行動できないことで主人公の絶望を伝えるのは映画としては難しいのかも。

また序破急がなくて物語が展開しないので、映画としては残念だと思わざるを得なかったです。


原作がどうであったとしても、映画化するのであれば、何か物語が欲しかった。そう感じました。

 

出演者のこと

 

出演者は土屋太鳳がかわいい。こんなにきれいな顔していたっけと、しみじみと観てしまいました。なにしろ地縛霊になった樹里はほとんど誰とも話さないので、顔を観ているだけになるのですが。
 

高校の友人に吉沢亮と清水富美加が出演します。吉沢亮はスポーツ男子の割には前髪が長すぎですが、おそらくこれが敢えての演出と想像します。主人公の過去の回想なので、あまり出番は多くありません。清水富美加の演技は好きなので、今は出演が限られてしまっているけれど、できれば戻ってきてもらいたいなというのが正直な気持ちです。

 

当時のインタビュー動画がありました。 

 

 

 ▼こちらも吉沢亮の演じる青春です。

noji-rei.hatenablog.com

noji-rei.hatenablog.com

 


邪悪な存在「虫男」の声で出演しているのは大杉蓮。キャストは豪華でした。

それではまた。
のじれいか でした。