映画『ReLIFE リライフ』は、27歳無職の男が、人生の再起を賭けて高校3年生の1年間に再挑戦するというお話です。
主演は中川大志。高杉真宙、千葉雄大、池田エライザ、平祐奈らが出演する、一風変わった青春映画です。
テンポよく楽しめる、軽いタッチのストーリーですが、考えさせられるところも。特に主人公の成長がよく描かれていると感じました。
ストーリーの好きなところ、疑問点を、ネタバレありでご紹介します。
ReLIFE リライフ
作品情報
製作年度 |
2017年 |
上映時間 |
120分 |
監督 |
古澤健 |
キャスト |
海崎新太(中川大志) 日代千鶴(平祐奈) 夜明了(千葉雄大)
大神和臣(高杉真宙) 狩生玲奈(池田エライザ) 小野屋杏(岡崎紗絵) 佐伯遥香(水崎綾女) 天津心(夏菜)
佐伯みちる(市川実日子) |
予告
高校の1年間で人生を見直せるか?(好きなところ)
主人公の海崎新太(中川大志)は27歳で無職。再就職先を探すが不採用が続く。
仕事も夢も目標もない新太は、一人取り残された気持ちになっていた。
そんなとき新太の目の前に『リライフ研究所』の夜明了(千葉雄大)と名乗る人物が現れる。夜明は、新太がリライフの被験者に選ばれたと言い出す。
リライフ研究所はニートを社会復帰させるプログラムを研究しており、内容としては、高校生をもう一度経験するというもの。そうすれば新しい人生が約束されると夜明は瀬説明するのだった。
- 期間は1年
- 費用や住まいは研究所もち
- 終了後は再就職が斡旋される
- 若返り薬を渡されるので見た目は高校生に戻れる
最初、新太は夜明の話をまともに聞こうとしないが「今の自分を忘れたいのでは?」と痛いところを突かれてしまい、渡された若返りの薬を飲んで、高校生の肉体になって高校生をやり直すことになる。
設定がとにかく好きでした。
確かに高校3年の1年間は、勉強だけでなく生き方や考え方が形成される大事な時期ではある。もう少しちゃんと生きればよかったよと、映画を観ながら散々後悔させられましたね。
でも過ぎてしまった時間を悔いるだけではなく、今を大切にすることで取り戻せることもある。そんな前向きに考え直すことができるのも、この映画の魅力だと思いました。
キャストも豪華、個人的には千葉雄大演じる、リライフ研究所の夜明了の存在感が好きだったな。
時間の大切さに気づき成長する主人公
新太は最初、言動が一人おじさん臭いし、周囲にも馴染めない。新太がリライフに参加したのは、生活費がかからないこと、就職を世話してくれる、それだけが理由。二度目の高校生活に多くを望んではいなかった。
けれど若くなってみて、社会で働くことの大変さと、高校生は恵まれた立場であることを実感するように。やがてクラスメイトの大神和臣(高杉真宙)、狩生玲奈(池田エライザ)、小野屋杏(岡崎紗絵)と親しくなる。
同じクラスには、成績優秀だが人との接し方がわからない、日代千鶴(平祐奈)がいて、日代を放っておけない新太は、日代に色々とアドバイス、やがて友達になる。
仲間の抱える悩み。日代の不器用さ、狩生と大神との恋愛など、いろいろ気づく新太は、それぞれにアドバイス。面倒見のよさが自分の取り柄だと実感します。
リライフはタイムリープではなくて薬による若返り。実験終了後に薬を飲めむことで28歳の肉体に戻るところは新鮮でした。
新太の実年齢は27歳なので、17歳の貴重さが嫌というほどわかっている。だから大神たちにも時間の大切さを繰り返し話すように。そんなふうに現役の高校生たちは親しくなりますが、いくら親しくなっても彼らは、卒業後は新太の存在を忘れてしまう。そんな切ない環境だからこそ、新太はリライフの時間を大切にするように。
ただ現役生徒たちは、新太の存在を忘れても、新太から聞いたこと、楽しかった経験は記憶に残ると夜明から説明されて、新太は仲間と積極的に関わり、楽しい思い出をつくろうと奔走します。
社会人時代の新太が抱えていた悲しみ
新太が勤めていた会社で、尊敬していた先輩、佐伯みちる(市川実日子)が、社内でいじめを受けており、退職に追い込まれ、その後亡くなったことが頭から離れず、新太も苦しみ続けていたことがわかります。
新太が仲間に話したことの多くは、かつて佐伯が新太に話したこと。そして新太がこれまで大切にしていた言葉でした。
新太が何も考えずニートになったわけではなく、会社勤めを辞めたのには新太なりの葛藤があったことが伺えます。
恋によって成長する・ネタバレあり
新太は、周囲のことが心配で放っておけず、余計なお世話をしてしまう性格が、社会人時代に先輩の佐伯を追い詰めたと後悔している。それで、あまり人と関わらないつもりでいた。でも気づけば全員にアドバイスしまくり、全員に大きな影響を与えていました。
恋愛感情のあった日代に告白する新太だったけれどフラれてしまう。でも本当は日代だって新太が好き。
日代が新太の告白を断ったのは、日代も同じリライフだったから。
リライフは自分がリライフであること口にしてはいけない。だから二人はお互いをリライフとは知らなかった。日代はこれまで人に興味が持てないことを悩んでいましたが、恋することで成長します。
高校生活を終えた新太は、夜明から仕事の斡旋を話されますが、自分は進むべき道をすでに決めたからと申し出を断る。そして、新太は働きながら教師を目指し、教職に就くのでした。
被験者同志の記憶も消える?(疑問点)
リライフの被験者は実験が終了しても記憶は消えない。記憶が消えてしまうのは被験者と関わった人の記憶のみ。
海崎新太と日代千鶴のリライフの二人は、被験者同志だから互いの存在を忘れるかもというところは、よく考えればわかるような。でも少々わかりにくい。
でもラストはもしかすると、記憶が残っているのかもと匂わせる希望のある終わり方で救われました。
さいごに
いい仲間といい時間を過ごしているのが伝わり、観ていて気持ちがよかった。
一緒に過ごした相手の記憶から自分の存在が消えてしまうのは切ないけれど、たとえ記憶に残らなくても、その瞬間を大切に生きることの大切さをこの映画は教えてくれる。
時間はそれだけ大切なもので、この瞬間は二度とは戻らない。そのことを繰り返し訴えかけてくる映画でした。
充実した人生を過ごすのは、今からだって遅くない。自分に喝を入れたいときに観るといい映画だと思います。
▼人生を奮闘する人たちの話です
それではまた。
のじれいか でした。