こんにちはー。
今回は、主人公が何かしらの恐怖症を抱えている映画をご紹介します。
「恐怖症の人は見ない方がいい」的な映画は多くありますが、
主人公のトラウマに恐怖症がある映画も、案外存在しています。
「揺れ恐怖症」の私は、自分に似た心理描写を期待するのですが、共感という意味ではあまり得られないものも入っています。
ストーリーの主軸というより、話のきっかけや主人公の個性の一部に使われ「恐怖症の人は見ない方がいい」に比べると、恐怖についてはマイルドなものもあります。
では、いってみましょう。
主人公が恐怖症の映画
八つ
製作年度 |
2017年 |
上映時間 |
81分 |
監督 |
Peter blackburn |
キャスト |
Libby Munro, |
邦画の「八つ墓村」ではありません。
Amazon Primeで配信している映画『八つ』。
驚くほどの直訳タイトルです。が内容はなかなか。
部屋の中で同じ動作を8回繰り返す女性は、2年間、外に出られないでいる。
強迫性障害については、本を読んだり人から聞いたことがあるので、主人公の怖さを想像しつつ観ることができました。
すごく苦しいのに、同じことをくり返さずにはいられない。
見ていると段々主人公の心理になっていき、部屋の扉の向こう側に不安をつのらせる気持ちも伝わります。カウンセラーや夫、娘の声、外の世界がおぞましく思えてきてしまう。怖い映画でした。
ただ、この映画は強迫性障害の予備知識なしで観ると、おそらく理解できないと思われるので、要注意です。
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これはわかると怖い
めまい
「高所恐怖症」
製作年度 |
1958年 |
上映時間 |
128分 |
監督 |
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キャスト |
ジェームス・スチュワート ヘンリージョーンズ |
予告
捜査中に犯人を追っているとき、一緒にいた同僚が転落死してから、高所恐怖症になってしまった刑事のスコティ。刑事を辞めたスコティの元に友人が現れて、夢遊病のような行動をする妻マデリンの尾行を依頼してきます。スコティは尾行をするうちに、美貌の妻マデリンと恋に落ちていきます。
しかし二人が旅先にいたところ、マデリンが急に教会の鐘楼から飛び降りてしまいます。
スコティはマデリンの後を追おうとしましたが、高所恐怖症でめまいを起こし、マデリンを助けることができなかった。そのことでスコティは再び苦しみます。
サスペンスの巨匠、ヒッチコック作品の中でもあまりに有名な『めまい』ですが、本当にタイトルどおり、高所恐怖症による「めまい」が話の大きなポイントになっていきます。
めまいを起こすシーンでは、恐怖症の感じ方や独特の視野が興味を引きます。
話のなかで「もう一度、高所を経験したら高所恐怖症は治る」と医師に言われたと話すくだりがあるのですが、それはないだろうと突っ込んでしまいました。
実際に話の中でも治りませんでしたし。
マデリンとジュディの二役を演じるキム・ノヴァックの美しさとエレガントな衣装も一見の価値ありです。エレガントな装いは緊張感に繋がり恐怖を引き立てますね。
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恐怖症をヴィジュアル化させた最初の映画かも?
ブエノスアイレス恋愛事情
「広場恐怖症とエレベーター恐怖症」
公開年度 |
2011年 |
上映時間 |
95分 |
監督 |
グスタポ・タレット |
キャスト |
マルティン(ハピエル・ドロラス) アナ(イネス・エフロン) |
予告
ブエノスアイレスに暮らす男女の出会いを描いた映画です。
都会で出会いを求める独身男女の、出会えそうで簡単に出会えない感じは、大都会であればどこの国も共通した悩みなのかもという印象でした。もどかしく切ない心情だけじゃなく、おかしみもあるのがよいところ。
▼詳細はこちらにも
フリーのウェブデザイナーのマルティンは自宅を仕事場にしています。仕事はうまくいっていますが、広場恐怖症だから外に出るのが苦手。
出会いも多いとは言えず、マルティンの別れた恋人が置いていった犬の散歩で知り合った犬の散歩のアルバイトの女性と接近するものの、性格的にまったく合わない。
一方、4年間付き合っていた彼氏と破局した建築家のマリアナは、閉所がダメでエレベーターに乗れず、いつも階段を使っている。
おしゃれなでハッピーエンドの映画で、恐怖症の内容はさほど濃くありません。相当生きずらさを感じていると思いましたが、そこまでではなかったですね。
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恐怖症としては浅め。だけどいい映画だった
マイビューティフルガーデン
「植物恐怖症」
製作年度 |
2016年 |
上映時間 |
92分 |
監督 |
サイモン・アバウド |
キャスト |
ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ |
予告
庭付きの一軒家を借りているベラは、庭を放置して荒れ放題にさせていることを理由に、1ヶ月以内に庭をきれいにしなければ退去してもらうと告知をされてしまいます。
庭をきれいにすることが借りるときの条件だったため、植物恐怖症のベラは慌てますが、一人ではどうにもならない。
そこに庭づくりが大好きな隣人のアルフィーが登場、一緒に庭づくりを始めます。
主人公が「植物恐怖症」とあり、そこが気になって観たのですが、植物に触れないほどの恐怖を感じているわけではありません。あっさりと庭いじりを始めてしまい、主人公が恐怖症を持っている話としでは、たいしたことはありません。
周囲の協力を得て、ベラの庭は美しく成長。
庭とともにベラの心も成長する、観ていて心癒される映画です。
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とても癒されてしまった
鑑定士と顔のない依頼人
女性恐怖症
製作年度 |
2016年 |
上映時間 |
92分 |
監督 |
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キャスト |
予告
天才的な審美眼を持つ、美術商のヴァージル・オールドマンは、仕事は成功していますが、人間嫌いで女性恐怖症。とても孤独な男です。資産家の遺産の美術品の鑑定を頼まれて出向いたヴァージルは、家主がいないのを不審に感じる……。
映画のジャンルはミステリー。まったく予想のつかないラストに仰天させられました。
恋の力はすごいというのか、それとも不慣れなものには手を出すべからずという戒めなのかかが悩ましい。
鑑定人ヴァージルが、女性恐怖症を克服できたかは微妙です。ただ女性と関わったことで、これまでの人生感から大きく逸脱した瞬間が確かにあった。としたら女性恐怖症を克服できたと言えるのかも。
共感指数 | |
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実際、これが最も恐ろしいのでは
さいごに
主人公が恐怖症の映画を集めました。
コメディタッチの映画から、かなりシリアスなものまで内容はいろいろ。
ストーリーの展開上、主人公に何かしら枷があった方が成長を描きやすいので、こういう恐怖症を用いることも多いのでしょうね。
『八つ』のように、恐怖症そのものをテーマにした根深い映画がストレートで好き。
個人的にはこういう映画で深い共感を得たいタイプです。
恐怖症というのは、ただ目で見て感じているようでいて、内面の叫びそのものであることを実感させられます。
それではまた。
のじれいか でした。