「知っらな〜い」
気を遣って話題を振ったのに、
「知らなーい」と簡単に返す人がいます。
最初は「なぜ?」と不思議でした。
内容は難しいものや、ニッチだったり専門的なことではなく単なる世間話。
たとえば、その1つは、全国展開のフランチャイズの飲食店についてでした。
でも、その人は切り棄てるような口調で「知らな〜い」と繰り返し、話題を遮ろうとしました。
もしかしたら、本当に知らなかったのかもしれません。
だけど、それにしたってそこまでムキになる話ではない。
どうしてそこまで頑なに否定するのだろう。
知らないのは知らないでも構わないし、知っていても知らなくてもどうでもいいことなのです。
ただ、頭ごなしに否定されたことについては、いい気分ではなく、
正直モヤッとしました。
そういう人の特徴と接し方について考えました。
その人との関係性から考えてみる
その人は、義理の家族の親戚という間柄に当たります。
お互いに普段の生活を知らないので、「知らない」のは当然です。
だけど話すことが嫌いなわけではなく、自分の話はしたがる人。
聞き役としては重宝されているようで、会話自体を拒否しているわけではない様子でした。
ちなみに私とその人には、上下関係の立場にはありません。
なぜ、そんな態度なのか? 相手を分析
その人が何故、そんな反応をするのだろうと考えてみました。
きっと理由があるはずで、対処する方法だってあるのではと思いました。
1 自分のテリトリー以外の話題をされるのが嫌
これは普段からよくあることですが、
自分が人から、同じように知らない話をされたときにどうするか?
私は「知りませんでした」と前置きして、内容について尋ねます。
話している相手への気遣いもありますが、もしかしたら自分が知らない有益な情報を得られるかもしれないから。
内容の入り口だけさらりと聞いておき、興味がなければ聞き流すかもしれませんが、
興味のある話題だったら後で調べるか、興味があると知った時点で、相手が更に情報をくれることもあります。
おそらく、そのように対応する人は多いのではないでしょうか。
だけどその人はそうはしない。
つまり、情報を求めていない人だとわかります。
2 その分野について知識がないので、イニシアチブが取れない
会話はキャッチボールだと言いますが、その人は自分の好きなことだけが話したい人。
自分が知らないことが嫌なのかもしれません。
知らないことが嫌なのなら、情報のアンテナを張り巡らせるか、日頃から勉強をしているかといえばそうではない。むしろ正反対の人です。
ただそれだと成長はしませんが、それでもいいと考えている人もいる。
成長したいとは考えておらず、好奇心が旺盛ではない人だということがわかります。
3 自分が知らないことを恥と感じている
プライドが高く、人からものを教わることを嫌う。
2のイニシアチブに近いことですが、
知りたくもないので、知らないままで時間は過ぎる。
それはそれで構わない。
誰かから教わるくらいなら、知らなくていいという考え方の人。
けれどその一方で、知らないことを人に悟られることは、恥ずかしいと考えてしまう人だということ。
好奇心もなく、努力は嫌だが、知らないことを恥じてもいる。
虚栄心や自意識が強いとも言えるのかもしれません。
そういうわかりやすい矛盾のある人だと思いました。
4 頑なで保守的な性格
自分の価値観を脅かされたくない。
たかだか世間話、そこまで考えを派生させるのもどうかなと思います。
でも突き詰めれば、自分が知らない内容を話すことで、自分の価値観が脅かされるのが嫌な人だと考えられる。
つまりそれは、臆病で頑な、保守的な人だと言えると思います。
5 人付き合いの配慮に欠けている
会話は情報を手に入れるなどの手段でもありますが、知識だけではなく大切なコミュニケーションでもある。
相手が自分に何を伝えようとしているのかを探ることも、楽しみなのではないでしょうか。
けれど相手が自分のことだけを考えていれば、会話は広がらずに狭いまま。
しかも自己弁護だけのために使われてしまえば、会話する相手は悲しい気持ちになりますし、第一楽しくありません。
対処法
その後、その人と話す機会がありました。
全く知らない話をその人は私に話し始めます。
あまり興味のない内容を、その人は独り言のように繰り返すのでした。
聞き返された私は、その人に
「知らなーい」
と軽い口調で言っていました。
自分が堂々と口にする言葉を、人から言われても否定することはできないはず。
その人は瞬間、硬直して黙りました。
その後、その人は「知らなーい」という言葉を封印しました。
随分話しやすくなったと感じるので、これでよかったと思っています。
まとめてみると
その人は、狭いテリトリーで納得し、好奇心も旺盛ではなく、勤勉でもない。
加えて会話の相手への配慮も欠けている。
けれど大人としての鉄則、
自分が言われて嫌なことを相手にしない。そのことは無論理解できている人。
だから無意識からきた言葉だったのかもと、今は思います。
もしも、自分が口にした言葉を他人から言われて不快に感じたのならば、
それははっきり言って自業自得でしかありません。
もちろん私も、相手への配慮が足りなかった部分があると思います。
人によって言葉を選ぶことは必要ですが、気を遣いすぎてしまうと何も話せなくなる。
相手に気遣いし過ぎることも、相手にとって迷惑なことなのかも。
オウム返し的に相手から言われた言葉を言い返すことで、相手の反応を見るのは決して失礼ではないと思います。
仕返しというほどのことではなく、関係を見直すチャンスになるかもしれません。
勇気があれば試してみたらいかがでしょうか。
それではまた。
のじれいか でした。