オカマのダンサーと女性のあいだに誕生した娘が、母の経営するスナックを立て直そうと奮闘して、偽のオカマバーを始めてしまう話。
安田顕がオカマダンサーに。母親役を須藤理彩が演じています。コメディであるものの不安定な心情も描かれるのですが、役者がよいので安心して楽しめます。
ストーリーと好きなところ、残念に感じたところをご紹介します。
小川町セレナーデ
※本記事の情報は2021年5月時点のものです。 最新の配信状況はサイトにてご確認ください。
作品情報
2014年 119分
監督:原桂之助
キャスト:須藤理彩、安田顕、藤本泉、小林きな子、阿部進之介
作品情報
ストーリー
ある町で「スナック小夜子」を営みながら、娘の小夜子を育てるシングルマザーの真奈美(須藤理沙)。小夜子の父はオカマダンサーで友人のエンジェル(安田顕)で、一夜の出来事で小夜子を妊娠し、真奈美は一人で産み育てることを決めた。
成長した小夜子(藤本泉)は、自分の名前がつけられたスナックの2階で暮らすのが嫌になり東京へ。しかし恋愛がうまくいかず、傷つき母の元へと戻った。
スナック「小夜子」は亮子(木村きな子)がホステスとして手伝っているが、より一層、寂れている。真奈美は、借金まみれになり、店を手放す事態に追い込まれていた。
地元に帰ってもスナックを手伝うのを嫌がっていた小夜子だったが、店がピンチとわかり、隣町で人気のオカマバーを偵察。小夜子は自分たちがオカマを装い、オカマバーとして店を立て直すことを思いつく。
好きなところ1・発想が面白い
女がオカマを装い、オカマキャラを演じようという発想がユニーク。
また、子供の相手がオカマというのも意外性があっていい。
エンジェルと真奈美はとても親しい友達でした。エンジェルがタイで手術を受けることが決まった晩に勢いで関係を持ち、真奈美は妊娠する。真奈美は子供を産むことをエンジェルに伝えますが、エンジェルに何も望まない。その後、エンジェルは女性として生き、真奈美は小夜子を育てることに懸命になり、二人は疎遠になります。
好きなところ2・見守る愛がいい
真奈美は苦労してスナックをやりながら小夜子を育てあげますが、その影には我が子、小夜子への愛はもちろん、父であるエンジェルへの愛もあるはず。
二人は長年疎遠でしたが、店をオカマバーに仕立て上げたい小夜子が、協力を仰ぎたくてエンジェルの元を訪ねたことがきっかけで再会します。
小夜子はエンジェルが父とは知らず、母の昔の友人に助けを求めている。エンジェルは時折ある真奈美からの留守電のメッセージから小夜子の状況を理解していたけれど、会いにくるとは思わなかったので最初は驚きます。でも店のピンチを助けることができるのならと真奈美の店を訪れる。
エンジェルと真奈美は20年ぶりくらいに再会するのですが、一見すると二人は案外クール、でも本当は感慨深いものがあるはずで、見守る愛もあっていいなとしみじみします。
安田顕が演じるオカマと須藤理彩のホステス役は、組み合わせも味わいがあって良かったなあ。
残念に感じたところ・小夜子が縁遠い(ネタバレあり)
最初大人になって東京に出た小夜子は、恋愛がうまくいかず落ち込んで地元に舞い戻ります。そして「スナック小夜子」からオカマバーになった店で、パリスと名乗ることになった小夜子は、客と恋に落ちますが、彼が望んだのはあくまで「オカマのパリス」で女の小夜子ではなかった。あまりに恋が成就しないから、余計に恋愛体質になってしまうのかも。その後もうまくいかないみたいです。
小夜子役を演じているのは藤本泉。美しい魅力的な女優で将来を期待されていましたが、2020いっぱいをもって所属事務所のスターダストプロモーションを退所しています。フリーで活動するのか詳細はわかりませんが、また、映画かドラマで見たいものです。
▼変わった家族を描いた映画はこちらにもあります!
それではまた。
のじれいか でした。