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【映画】『日本沈没(1973)』予期せぬ出来事が続く時代にこそ見たい【ネタバレ・感想】

これは怖い。

人間、特に日本人ならば、意識のどこかに潜んでいるであろう、地震に対するおそれ。

小松左京の『日本沈没』は、地震どころか、日本列島じたいが沈んでしまう物語。本当に恐ろしいSF作品です。子供の頃テレビで見たのですが、トラウマになりましたね。

映画版は、1973年に映画化され、その後もリメイクされています。

ここでは1973年公開の映画『日本沈没』のストーリー紹介、怖いと感じたところ、残念に感じたところについて書きます。

よろしければ、お付き合いください。

 

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日本沈没

 

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 ※本記事の情報は2021年5月時点のものです。 最新の配信状況はサイトにてご確認ください。

作品情報

1973年 140分
監督:森谷司郎、中野昭慶

おもなキャスト
・小野寺俊夫(藤岡弘)海底開発興行株式会社の操艇士、優秀な人物
・田所博士(小林桂樹)物理学者・日本沈没を最初に悟った人物
・山本総理(丹波哲郎)総理大臣
・ 渡(島田正吾)政界の黒幕、100歳
・阿部玲子(いしだあゆみ)資産家の娘・紹介されて小野寺と知り合う
・結城(夏八木勲)小野寺の相棒
・二谷英明 野崎 外務省  
・ 花枝(角ゆり子)渡老人の付き人(?)

ストーリー

1970年代の日本。平和な日常が続くある日、小笠原諸島の小さな無人島が沈んだ。

海底物理学者の田所(小林桂樹)は、調査会社が所有する、深海調査艇「わだつみ」を操艇する小野寺(藤岡弘)とともに海底調査に乗り出す。
 

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日本海溝を潜った田所は、海底に亀裂と乱泥流を発見。 危機感迫る田所は再度「わだつみ」をチャーターしようとするが、予約が詰まって簡単には借りられない。

小野寺は田所と見た海底に亀裂と乱泥流がすごく気になっている。また一方で、総理大臣の山本(丹波哲郎)は無人島が沈んだことが心の片隅にひっかかっていた。

伊豆半島で地震が発生、天城山が大噴火を起こしてたことで、総理大臣の山本(丹波哲郎)らは専門家を呼び、会議を開く。

そこに現れた田所は「日本が沈む」発言をするが、他の研究者は大げさだという見方。

田所の話を聞きつけた、100歳で政界の黒幕、渡(島田正吾)は、渡を呼び出し話を聞く。そして渡は、山本首相に田所の話を元に調査をおこなう極秘計画を発足させる。

計画の名称は「D計画」。

その後、自信が続き、多くの犠牲者も出て、日本列島が不安を抱える中、田所は、日本沈没が10ヶ月以内に迫っていることを告げるのだった。

怖いところ・日常の崩壊(ネタバレあり)


1970年代の東京。映画のオープニングにも登場しますが、プロ野球や祭りを楽しみ、銀座には多くの人が出ている。豊かで何不自由ない暮らしを楽しんでいます。

現代のように高層ビルが密集してはいないもの、高度経済成長期なので、街として成熟しつつある。

小野寺は若き操艇者で将来を嘱望されているため、上司(神山繁)から紹介されて資産家の娘、阿部玲子(いしだあゆみ)と出会います。玲子は美しくてとても恵まれた暮らしをしている、勝ち組女子です。

そんな玲子も伊豆で起きた地震で父親を亡くしてしまうなど、変化が起きる。やがて日本沈没が明らかになると、小野寺とジュネーブに逃げて結婚することになりますが、地殻変動による地震で小野寺とすれ違ってしまいます。

人の暮らしが、どれほどあっけなく失われてしまう、儚いものなのかをこの話では延々と見せられます。

自分が今存在する空間の脆さだって同じ。一寸先に何が待っているかわからない。そんな不安な気持ちにさせられます。

怖いところ・わからないことを放置すること(ネタバレあり)


田所は「わだつみ」で、日本海溝に海底に亀裂と乱泥流を発見してから、予期できないことが起こり得ることを予感します。

そして、その後の調査でマントルの急激な変化が起きてり、日本沈没が起きることを確信する。

田所は優秀な科学者ですが、科学者にとって最も大切なのは「勘」だと話している。

この状況は、過去に起きたことが何の役にも立たない事態で、そのときに大切なのは勘だと。

勘という言葉は乱暴に聞こえるかもしれませんが、当てはまらない過去を無理矢理、現在に結びつけるくらいなら、知識と想像力を集結した「勘」による判断の方が正しいのかもしれない。それはドイツの科学者、ヴェグナーによる「大陸移動説」が当時誰からも相手にされなかったけれどその説を唱え続けたように。ヴェグナー同様、その田所の判断が正解であったことが、やがて明らかになります。

 

 

人は、過去の事例から未来を予想するのが常で、そのように教わるので当たり前だと思います。でも経験を積むことで、過去にしがみつかない未来の予想をすることが、何事にも大切なのかもと考えさせられました。

 

特撮のリアルさ、藤岡弘がイケメン(ネタバレあり)


時代的に当然ながら特撮なのですが、これがCGより現実味があって怖い。

特撮のリアルさがたまらない! 暗い海のうねりや、街を覆い尽くす炎は、CGとは違う説得力があると思いました。


特撮は作れば作るほどに赤字になる、そのくらいお金がかかるもの(想像はできる)なのでしょうが、リアル感という意味では特撮はやはりすごいですね。

有名なキャストが大勢出演していますが、やはりもっとも注目してしまうのは、主役ともいえる小野寺役を演じた藤岡弘。濃い顔でイケてます。

小野寺は、深海調査艇「わだつみ」の操艇士。優秀で管理職を勧められても本人は現場から離れたくない人という変人キャラが、変わり者だけどその分、雑音に惑わされない田所博士と似ているところがある。

そんな小野寺は、山本首相と田所が調査している「D計画」に参加するため会社を退職します。

小野寺の恋人、阿部玲子役のいしだあゆみが美しい。

 

 

本作で美女といえば、政界の黒幕、渡の付き人、花枝の存在も光っていました。現在だと雰囲気は木村文乃っぽい女優ですね。

残念だったところ(ネタバレ)


国がひとつ消滅するのですから、えらいこっちゃなのですが、視点が政治的な面にだけ向けられいるのが残念に思えました。たとえば企業など経済面はどうなったのか。

また人の暮らしはその後どうなったのか。戸籍といった細いところから、日本人としてのアイデンティティはどうなったのかが、少しでいいから描かれてもよかった気が。

ラストの小野寺と玲子が呆然と列車に揺られているというのが全てだとしたら、切ないけれど納得するしかないのかもしれません。

ラストはどうなる?(ネタバレ)


残念ですが日本は沈没します。

パニックにもなり、津波が発生する海でボートを出してしまったり、火災に巻き込まれたりと犠牲者は大勢でますが、外務省による尽力で、国民の多くは他国に避難ができる。

高齢の渡老人は病床についていて、最後に挨拶に現れた山本首相に花枝を託す。

山本たちがヘリで発とうとしたとき、そこに田所の姿が。 山本首相は田所を一緒に連れて行こうとするが、田所はそれを拒み、日本の国土と運命を共にすることを選ぶ。

結婚する予定でいながらはぐれた小野寺と玲子。小野寺は玲子を探し続けている。

地震に巻き込まれて命を落としたかのように思われた玲子は無事で、積雪の中を走る列車に揺られている。小野寺は負傷しながらも広大な土地をやはり列車で揺られているのだった。


▼SFパニック映画はこちらにもあります! 

noji-rei.hatenablog.com

 

それではまた。
のじれいか でした。