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【映画】『蜜蜂と遠雷』努力を重ねた天才だけが味わえる緊張感【ネタバレ・感想】

恩田陸原作の『蜂と遠雷』は、ピアノコンクールに出場するピアニストたちの本戦風景を描いた作品です。

松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士らが演じるピアニストらが、コンクールで頂点を目指す

音楽が好きな人、何かを目指す人には参考になるところがあありそう。

作品のストーリー、感じたことについて書きます。

 

 

蜜蜂と遠雷(2019)

 

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作品情報 

118分

監督:石川慶
キャスト
松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士、臼田あさ美、眞島秀和、片桐はいり、光石研、斉藤由貴、鹿賀丈史

 

予告

www.youtube.com

 

ストーリー 

有名ピアニストを輩出したコンクールに挑む、永伝亜夜(松岡茉優)高島明石(松坂桃李)マサル・カルロス(森崎ウィン)風間塵(鈴鹿央士)らの第一次から本戦までが描かれる。

 

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●永伝亜夜

かつては神童と称されたが、ピアノの師であった母が死去し、その死がコンクール直前ででトラウマになり表舞台から遠ざかった。今回7年ぶりにコンクール出場する。

 

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●高島明石

結婚して妻子もいるサラリーマン。音大出身で5位に入賞した経験がある。今は敷居の高い音楽ではなく、生活者のための音楽を目指している。コンクール出場の年齢制限ギリギリで今年が最後の出場。

 

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マサル・カルロス・レヴィ・アナトール

ジュリアード音楽院に在学している日系三世。少年時代に日本で亜夜の母からピアノを習っていたため、亜夜を「あーちゃん」と呼ぶ。

 

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風間塵

謎の天才少年で異端な雰囲気が漂う。ピアノの大家、故ホフマンから紹介状が届き、審査員たちを驚かせる。

 

事情や環境は異なるが、全員がピアノを愛しているという共通点がる。それぞれの思いを抱えてコンクールが開催される。
 

相手を認める潔さ・好きなところ


コンクールや舞台本番の映画でありがちなのは「足の引っ張り合い」ですが、この映画ではそういった汚い部分や破壊神的存在は登場しません。

もちろん相手に対しての嫉妬はあるのかもしれない。(いや普通にあるでしょうが)

亜夜は母が急死してすぐに出場しなくてはならかなかったコンクールがトラウマになっていたけれど、やはりピアノが好きで戻ってきた。

今年最後の出場になる、松坂桃李演じる明石は、誰でもが楽しめる生活に根付いた音楽を目指していました。かなり苦しんで二次予選に挑みますが、塵や亜夜、マサルの演奏を聴き自分はあちら側には行かれない」素直に負けを認めます。努力で得られるものもあれば、才能でしか補えないどうしようもないこともあるわけです。

またジュリアードで天才と称されたマサルも、今のクラシックを変えたい夢がありますが、コンクールの本戦では余裕をなくしてナーバスになってしまう。

反対に謎の少年・塵は「世界中に誰もいなくなってもピアノがあれば一人で弾いているだろう」と嬉しそうに語る人。ちょっとイっちゃってる人のようでもありますが、ピアノを弾くために生まれてきた人であることは間違いありません。

出場者の誰もが、それぞれピアノを愛しているのは間違いがなく、その愛を周囲に示すような戦いになります。

だから足を引っ張るどころか、時にライバルに協力する姿勢すら見せる、そんな寛大で度量のあるところが清々しく感じました。

淡々とした展開・残念に感じたところ

 

コンクールとはいえ、舞台裏がほとんどなので、華やかさがあるわけではなく、物語は淡々と進行します。

展開の早いストーリーを期待したいときはおすすめできないかもしれません。若い人が登場するわりには明るい話でもないですし。

バッハ、モーツァルト、リストといった馴染みの深い曲に始まり、二次予選は宮沢賢治の『春と修羅』の新作でしかも自由な解釈で作曲するパートがあるなど、普通のピアノコンクール(しかも国際)ではあまりなさそうな課題。

エンタメとして楽しめるところは盛り込まれていました。

 

 優勝者は(ネタバレあり)


・高島明石は二次予選で落選。奨励賞、菱沼賞を受賞。

・亜夜は辞退するつもりでいましたが、最終的には会場に戻り、第二位

・マサル・カルロス・レヴィ・アナトールは第一位

・風間塵は第三位

ちなみにタイトルの『蜜蜂と遠雷』ですが、風間塵の父親が養蜂場を経営していることや(塵のトランクに描かれている絵でわかる)遠雷は塵を見出した恩師ホフマンを意味しているのだろうと推測できます。

そんなこともあり、一位を受賞するのは風間塵ではと想像したのですが違いました。でもそれでよかったんだろうなと思わせてくれるラストでした。

クラシックコンサートに行くような気持ちで楽しめると思います。

 

noji-rei.hatenablog.com

 

それではまた。
のじれいか でした。