映画『レオン』。
レオンといっても、ジャン・レノ&ナタリー・ポートマンの『レオン』ではありません。
竹中直人&知英、そして吉沢亮の『レオン』。
食品会社の社長とそこで働く派遣社員の女子が入れ替わる、ドタバタコメディです。
Amazon Primeで現在配信中のオススメ映画、『レオン』を観て感じたことを書きます。
レオン
作品情報
製作年度 |
2018年 |
上映時間 |
100分 |
監督 |
塚本連平 |
キャスト |
小鳥遊玲音(知英)
朝比奈玲男(竹中直人)
一条徹(吉沢亮) 朝比奈政夫(斉藤慎二)
猫田(ミッツ・マングローブ)
日下樹(山崎育三郎) |
予告
馬鹿馬鹿しさが気に入った!
年商500億円の有機野菜を扱う食品会社「朝比奈フーズ」の社長、朝比奈玲男/あさひなれお(竹中直人)は女好きのセクハラオヤジだが、アクテヴィブで仕事は一生懸命な男。
朝比奈フーズの経理部所属の派遣社員、小鳥遊玲音/たかなしれおん(知英)は、料理好きな真面目な女子だがネガティヴで落ち込みやすい性格。
まったく接点のない朝比奈と玲音の二人が、交通事故で入れ替わってしまうというお話。『転校生』の入れ替わりストーリーです。
入れ替わるだけならよくある話なのですが、テンポがよく、馬鹿馬鹿しさとサービス精神に溢れているところがいい。
玲音は、朝比奈フーズの税理士の日下樹(山崎育三郎)と付き合っていたが、日下は女たらしで会社中の女に手を出しまくっていた。加えて派遣契約を切られてしまい、どん底状態のとき、朝比奈と体が入れ替わってしまう。
朝比奈はしばらく意識が戻らないので、玲音は朝比奈のままで話は進みます。
キャストがいい!
玲音になった朝比奈は、会社の実情を調べるため、別人のように積極的で華やかに変身。朝比奈に代わって会社を動かす、朝比奈政夫(斉藤慎二)に近づき、今度は秘書として朝比奈フーズで働き始める。
朝比奈は甥の政夫に期待して厳しく接していた。しかし政夫と日下は裏で手を組み、朝比奈フーズを乗っ取る計画を立てていた。
ショックを受けた朝比奈に優しく接してくれるのは、玲音の親友、山口サリナ(大政絢)。サリナは最初は入れ替わりを知らず、玲音は事故のショックでおかしくなっていると思っている。しかし、意識が戻った朝比奈の外見の玲音と話して真相を悟る。
玲音になった朝比奈は、秘書課の一員になり、猫田(ミッツ・マングローブ)をはじめ、女性社員たちからはじめはイジメられるが、だんだん信用を得て、セクハラ問題を解決してしまう。
セクハラしまくりの男にセクハラ問題を解決させる、入れ替わりにありがちなストーリーなのですが、スピード感があり展開もいいです。
竹中直人のオネエ演技は想像がつきますが期待を裏切らない。知英もかつて入れ替わりを演じている。山崎育三郎もベタな悪役を熱演しています。
男が惚れる男!
玲音になった朝比奈は、朝比奈フーズの在庫管理の一条徹(吉沢亮)と親しく言葉を交わすようにります。
一条は玲音が経理部にいたときから玲音を見ていた。秘書に戻った玲音と一条は急接近します。
一条は心優しい紳士で、会社のことを心から愛している。それに男だったときの自分と比べれば、女性に対してまったく違う接し方をする男です。
見た目が玲音なだけで中身は朝比奈なのに、自分は男なのに一条に心動かされてしまう。そこが笑えるところであり、一条の魅力を示してもいる。
「嫌だったら言って」(一条)
「嫌じゃない」(朝比奈)
登場する男たちがロクでもないので、構成として一条を対比させているところがいいです。
吉沢亮はかわいくて好青年の役ですが、前髪長めでオーラを隠してます。それでも男が惚れてしまう男。ドラマにすばらしく華が添えられているので必見。
▼吉沢亮出演映画です!
朝比奈フーズは乗っ取られてしまうのか?(ネタバレあり)
朝比奈と玲音が入れ替わっていることを理解したサリナも加わり、朝比奈フーズを政夫と日下から守るためにタッグを組み、来る役員会に挑むことに。
政夫は玲音の姿をした朝比奈に説得されて、日下と手を切ることを誓うのに、政夫は直後に事故に遭い、役員会に出席できなくなります。
また朝比奈の自宅のアルバムに玲音の亡き母の写真があったことで、朝比奈と玲音は親子なことが判明。
玲音は自分の母を捨てた朝比奈を許すことができなかったが、朝比奈は今でも母を忘れず、会社のロゴに母が好きだったスズランのモチーフが入っているなど、朝比奈の想いを知って和解します。
会社の乗っ取り問題は、日下が利益数字を改ざんしており、騒動の末、日下は会社を去る。そのときの騒ぎで朝比奈と玲音は元に戻るが、今度はサリナと一条が入れ替わっている????
そんなエンディングでした。
好きなところまとめ
すごく馬鹿馬鹿しい映画なので、そういう作品が好きではない人にはおすすめできないです。
個人的にコメディは、馬鹿馬鹿しいことを本気でやっているからこそ笑えるもの。それにだいの大人が本気で演れば演るほど面白くなる気がしています。
知英の日本語は素晴らしく、演技も見事でした。
「人生がうまくいかないのは、自分の外見のせいと思っていたけど、そうじゃなかった、つまり自分が悪いってこと」
玲音の外見になった朝比奈があらゆることをやり遂げていく姿を見て、朝比奈になった玲音の弱音。
「おまえは俺の財力を利用しろ! お前を守れるのはお前だけだ!」
玲音になった朝比奈が、朝比奈になった玲音に投げかける言葉。
現実の世の中で他人に入れ替わるなんてことはあり得ませんが、現実に繋がる一言があると物語は引き締まります。
それではまた。
のじれいか でした。