2020年3月17日(水)のニュースで、イギリスのブランド「 ローラ アシュレイ」の破産申請が報道されました。
「ローラ アシュレイ」といえば花柄のプリントが有名なイギリスのブランド。
商品を購入したことはないのですが「ローラ アシュレイ」の店舗は訪れたことがあり、懐かしさを感じるブランドです。
花柄模様のカラフルなテキスタイルで、アパレルを始め、インテリア、ファブリック、雑貨などを取り扱い、多くの女性から親しまれてきました。
こんな花柄。
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花柄をイメージさせるブランドで、私自身花柄がまったく似合わないこともあってあまり関心を持っていませんでした。
ただ今回のニュースを受けて色々な人から話を聞いたり、ブランドを調べているうちにレトロ好きな自分としては色々と感じることがありました。
ですので自分の健忘も兼ねて、記事にしてまとめておこうと思います。
「ローラアシュレイ」ブランドのあゆみ
「ローラ アシュレイ」はデザイナー のローラ・アシュレイが立ち上げたブランド。
夫のバーナード・アシュレイがプリントを担当していた。
ローラ・アシュレイ(Laura Ashley CBE, 1925年9月7日 - 1985年9月17日)は、イギリス・ウェールズ出身のファッションデザイナー。自身のデザインによるカラフルな布地を用いた衣料品・家庭用品によって、世界中に名前が知られるブランドを築いた。
(wikipediaより引用)
「ローラアシュレイ」のあゆみ
1925年9月7日 | ローラ・マウントニー(laura Mountney)生まれる。 |
1945年 | イギリス婦人会連盟で秘書として勤務。バーナード・アシュレイと出会う |
1949年 | ローラとバーナード結婚 |
1953年 | ヴィクトリア朝デザインのスカーフを発売→売り上げ好調→社名を現在の「ローラ アシュレイ」へ |
1955年 | いろいろありがなら、会社の規模が拡大 |
1966年 | 社交用ドレスを製作 |
1968年 | ロンドンに「ローラアシュレイ」店舗開業 |
1974年 | パリに出店 |
1975年 | 世界中で1000人を雇用するまでに |
1979年 | 操業25周年を迎え、香水、家庭用品が商品展開に加わる |
1985年 | 60歳の誕生日に娘の家の階段から転倒。10日後に他界 |
1985年 | ローラの死から2か月後、ローラアシュレイホールディングス株式公開 |
1985年 | 東京銀座に「ローラ アシュレイ」第1号店オープン |
1986年 | イオンとの合併により、日本法人 ローラアシュレイ ジャパンカンパニー設立 |
1992年 | アジア市場に進出 台湾。香港に3店舗を開業 |
2018年 | ライセンス契約満期により終了 |
2018年 | 日本法人 ローラ アシュレイ ジャパンカンパニー合同会社を設立 |
(「wikipedia」より引用、まとめ)
日本での展開(アパレルの歴史)
日本では1985年に東京銀座6丁目に第1号店が開店。
2013年に閉店しました。
「ココシル銀座」
そして、同敷地には「ギンザシックス 」が建設されました。
その後は西銀座に店舗を移して営業。
2017年度には、都内に18店舗、日本国内に108店舗を展開していました。
「ローラアシュレイ」が日本に店舗展開を始めた当時の日本はバブル景気真っ盛りで、ファッションは大きな肩パットのジャケットやスーツ、ボディコンシャスが主流。
1970年代のヒッピーブームのような花柄ファッションは衰退していたこともあって「ローラアシュレイ」のファションはトレンドではありませんでした。
けれどそれとは別で「PINKHOUSE」をはじめ「PEYTON PLACE」などのDCブランドのなかにはヨーロッパテイストを取り入れたブランドも流行っていて、そういった流れを汲んでいること、ブリティッシュテイストの持ち味であるコンサバ感などから主婦層やOLを中心に「ローラアシュレイ」は当時話題になりました。
誰でも一つは持っている感のある「ポーチ」などの小物もこの頃から既に人気でした。
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その後、1990年代になるとバブルは崩壊、DCブランドは衰退していきますが、同時期アメリカ発の「キャスキッドソン」が上陸して花柄がブームに。
おそらく「ローラアシュレイ」もブームに乗って売り上げを伸ばし、店舗数を増やしていったのではないでしょうか。
しかし1990年代後半には「UNIQLO」を始め、海外ブランドでも「GAP」「ZARA」「H&M」「FOREVER21(既に撤退)」のあらゆるファストファッションが台頭するようになり、海外ブランドの有り難み感が減速。
アパレルの価値観は大きく変わっていきました。
日本での展開(インテリアの歴史)
「ローラアシュレイ」銀座1号店の2階はインテリアフロアでした。
同じように「ローラアシュレイ」の店舗の多くはインテリア売り場が併設されていました。
インテリアやファブリックなどをトータルで販売していたブランドとしては「ラルフローレン」などがありましたが、当時はまだ珍しかったこともあり「ローラアシュレイ」は女性を中心に受け入れられていきました。
インテリアの外観デザインとしても、戸建ての外観などにアーリーアメリカンスタイルや南欧風の外観が流行った時代でもありました。
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女性の社会進出が目立つようになったものの、働く女性像は現在ほど多くの世代に浸透していなかった背景もあり、やさしい色合いでかわいらしいデザインを住まいに取り入れたいと考える層たちから「ローラアシュレイ」のデザインは支持されました。
カーテンやカーペットなど「ローラアシュレイ」のファブリックは幸福の象徴のように考えられていたのかもしれません。
インテリアとしてはワンポイント的な使い方が人気で「ローラアシュレイ」の内装タイルは「キッチンバック」「浴室」を中心に多くの住宅に採用されました。
こちらのタイルカタログは絶版商品です。
廃番消費のため購入はできません。
「ローラアシュレイ」のタイルがご実家などに貼ってあるという方も多いと思います。
私は祖父母の家のキッチンバックタイルが「ローラアシュレイ」でした。
当時の関係者の人の話を聞くと「ローラアシュレイ」のタイルはとても人気があり、よく売れたそうです。
なお、カーテンや壁紙は現在も販売されていました。
ホテル・ティールーム
英国には「ローラアシュレイ」のホテルがあります。
「ローラアシュレイホテル ザ ベルスフィールド」
ホテルを利用した人に尋ねてみたところ、素晴らしい景色だったと話してくれました。
機会があれば一度訪れてみたいと思っていたので、閉館するとしたら残念です。
また「ローラアシュレイ」がカフェを展開していたのは有名ですね。
日本に何店舗もあり、渋谷店は2016年ごろまであったと記憶しています。
スコーンやハイティーなどが楽しめました。
英国のカフェサイトは見ることができますが、現状どのようになっているかは不明です。
「ローラアシュレイ」日本での今後の展開
今回の報道にあった「ローラアシュレイ」の経営破綻のニュースですが、現在日本でのマスターライセンスを取得している伊藤忠商事は日本での事業は継続するとコメント。
「ローラアシュレイ」の日本公式サイトがありました。
店舗は閉じていますし、購入もまだできませんが、今後のインフォメーションはこちらから入るはずです。
今後「ローラアシュレイ」がどのように事業を展開していくのかはわかりません。
ただ、うつろいやすい時代にあって半世紀もその名を残し続けていくことは大変なことだと改めて感じました。
ファッションもインテリアもミニマリズムが主流となりデコラティブなものは姿を潜めている傾向がありますが、本来ファッションやインテリアは嗜好性や趣味性が強いもの。
「時代がどうであれ、誰が何と言おうが私は大好き」と胸を張って好きなものを主張する人は少なくないはずで、そういった人たちが「ローラアシュレイ」のファンとして新たに根付いていくことも考えられます。
新しいこだわりや新しい「好き」が、次世代に向かって新しいトレンドを生み出すのかもしれませんね。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
のじれいか でした。