キレイなトイレ調査研究所

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【映画】『私をくいとめて』大人になれない「こじらせ女子」に共感してしまう【ネタバレ・感想】

映画『私をくいとめて』

31歳、彼氏なしの独身OLが、脳内の自分と会話をしながら「おひとりさま」の時間を過ごすといった「こじらせ女子」が主人公のコメディ映画です。

原作小説が綿矢りさだけあって、大人になりきれない女性の内面が描かれる。

主人公は濃いキャラの女性ですが、働く独身女性の心理としては、年齢や立場が違っても、共感できる部分があるように感じました。

作品の好きなところ、残念に感じたところを、ネタバレありでご紹介します。

 

 

私をくいとめて(2020)

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作品情報

133分
監督:大九明子

キャスト:のん、林遣都、臼田あさ美、中村倫也、片桐はいり、若林拓也、橋本愛、山田真歩

 

 

予告

www.youtube.com

 

一人暮らし独身OLの妄想劇・好きなところ

 

独身で一人らしのOL・みつ子(のん)は、休日は食品サンプルの体験講座、一人焼肉を堪能するなど、ひとりの生活を楽しんでいる。

みつ子の脳内にはもう一人の自分「A」(中村倫也)がいて、何かあれば「A」に確認しながら穏やかに暮らしていた。

みつ子は勤務先の会社に出入りする、営業マンの多田(林遣都)と偶然家が近所なことがわかり、自炊がダメな多田に代わり、食事を分けてあげるうち、みつ子の部屋で夕飯を振る舞うところまで接近する。(何もないけど)

「A」とのやりとりの中で、みつ子が多田くんに思いを寄せていことは伝わりますが、みつ子も押しが弱く、多田くんも似たタイプ。それもあってみつ子は距離の取り方がわからなくなり、二人の距離はなかなか縮まらない。

アラサーなのに随分と消極的というか、奥手というか、幼稚なようにも思えますが、自分との付き合いが深くなればなるほど、他人を受け入れることが容易ではなくなるのもわかる。

他人に依存するタイプと相反して、自立を目指しすぎた結果、人との距離の取り方がわからなくなってしまう女の気持ちがよく出ています。

 

会社にいる仲間の存在・好きなところ

 

脳内自分の「A」がいるくらいなので、超絶孤独な奴なんだと思いましたが、みつ子は会社に先輩OLのノゾミさん(臼田あさ美)という本音のトークができる相手がいる。

なんだ、まるきりおひとり様ってわけじゃないのねと、若干裏切られた感にもさせられますが、誰もいない「A」オンリーではドラマ的に間が持たないし、誰か仲間がいるのはいいことかな。

ちなみにのぞみさんは、会社のイケメンだがちょっと変な男で女性社員からウザがられているカーター(若林拓也)に夢中。変キャラですが憎めないところは楽しめました。

 

恋愛オンリーではない・好きなところ(ネタバレあり)

 

「A」との快適な日々の中で、みち子の前には多田くんが登場。

もどかしいスローな恋ですが、このまま恋愛劇が続いていくのだろうなと思ったところ、恋愛だけではないのが、このお話の好きなところです。

みつ子には大学時代の友だち・皐月(橋本愛)がいるのですが、皐月はイタリア人男性と結婚してローマに住んでいる。そしてみつ子の元には郵送でリモンチェッロが送られてきたりします。

飛行機が苦手なみつ子ですが、おひとりさまライフを極めるべく年末の休暇を利用して皐月のいるローマを訪ねます。

再会した皐月はなんと妊婦。何も知らされていない(らしい)みつ子は、皐月の姿に「えっ…」となるのですが言葉に出せません。

どうして事前に知らせなかったんだろう。実は二人の仲はそこまで親しくないのではと、観ている側も困惑します。

皐月はとても幸せそうで、みつ子を置いて別の世界に行ってしまったように見える。だけど実は、慣れない海外暮らしから妊娠と、怒涛の時間を送ってきたことがわかります。

女の付き合いは立場で変わりがち、友情も変化するものですが、みつ子と皐月の関係はローマを訪れたことで、心を通わせることができた。

一旦離れた感情を取り戻すことができた、二人の心の繋がりを感じられた場面は好きなところでした。

 

恋愛に不慣れすぎ・残念だったところ(ネタバレあり)

 

イタリアから帰国して、心が少し軽くなったみつ子は、多田くんからの食事の誘いを受けて、それから付き合うようになります。

沖縄旅行に行こうかという話になり、「飛行機が苦手」と告白するみち子に多田くんは「A」から励まされた言葉と同じことを言われて、多田くんの誠意が身に染みます。

これでハッピーエンド。

かと思えばそうではなく、ひとり身が長かったみち子は、多田と一緒にいることに息苦しさを感じてしまい一人脳内で爆発してしまう。葛藤です。

みち子は会社でもセクハラめいた経験をしていたようで、そなことから他人を遠ざけて代わりに脳内に「A」を置いているのはわかるのですが、30歳の社会人であればもう少し柔軟になっていい気がしました。 

 

役者がいい


主演のみち子を演じたのん、多田くんを演じた林遣都はもちろん、脇役も濃い存在感を放っていおりよかったです。

ヘッドハンティングされてきた会社の上司役に片桐はいり、先輩OL役の臼田あさ美は『架空OL日記』の小峰様を思い出させるさらさら姉貴ぶりでした。『架空〜』繋がりでいえば、みち子が居合わせたカフェの客役に山田真歩が登場するのもいい。

若林拓也の勘違いぶりもよかった。

でも、やはり印象的だったのは、橋本愛ですかね。透明感がすごい。

あと「A」を演じた中村倫也は声だけですぐに彼とわかる。その存在感はさすがでした!


 ▼邦画コメディはこちらにもあります!

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それではまた。
のじれいか でした。