こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。
『カケラ』は漫画・桜沢エリカの『LOVE VIBES』の映画化です。
一人暮らしの女子大生と、メディカルアーティストの女性とのラブストーリー。
今回は『カケラ』のストーリーと、感じたことについて書きます、よろしければお付き合いください!
【映画】『カケラ』
作品情報
2009年 107分
監督:安藤桃子
満島ひかりがかわいい!
安藤桃子の繊細な映像が◎
キャスト
ハル(満島ひかり)
リコ(中村映里子)
田中正(津川雅彦)
山城陶子(かたせ梨乃)
予告
ストーリー
女子大生のハル(満島ひかり)は、ある日カフェにいると、いきなりリコ(中村映里子)から話しかけられる。
リコは、事故で失われた人体のパーツをつくるメディカルアーティストという仕事をしていて、自分の感じたことに素直に行動する女性。
そんなリコの積極的な姿勢に、ハルはだんだん影響を受けるようになっていく。
だけど身勝手で都合よく利用されている彼氏との関係をなかなか断ち切れないハルは、リコへの気持ちが友情なのか恋愛なのか、自分でもわからずに戸惑ってしまう。
都合のいい女からの脱却(ネタバレあり)
ハルには付き合っている男がいますが、相手からはいいように扱われてしまっている。そんなモヤモヤしているハルの前に、突然リコという女性が現れる。
リコは、一瞬の出会いを逃せば二度とその人と会えない、せっかくの機会を逃したくないからと声を掛けたのだと話します。つまり一目惚れですね。
最初は驚くハルですが、積極的で一緒にいて楽しいリコに次第に惹かれていきます。
やがてハルは、リコがレズビアンであることを知っていく。そして男といると否応もなく意識させられる性別のしがらみも、リコといることで解放される気持ちになっていくのでした。
一方のリコは、乳房を作る仕事を担当したクライアント・山城陶子(かたせ梨乃)から言い寄られますが、リコの心にはハルしかいません。
そんなリコの気持ちが通じて、ハルはリコを選び、彼との別れを決める。
でも、ハルの新たな恋の相手がリコと知った彼氏は、男の優位性やレズビアンへの差別的な発言をする。するとそんな彼氏に、リコは「もうちょっとグローバルな現代社会に順応しろよ」と言い放つ。
なかなか爽快な一言でした。
『カケラ』の持つ意味(ネタバレあり)
リコは恋を成就させ、ハルと二人の時間を満喫する。
ただ、二人は一緒にいすぎたこと、また恋人が女であることを公言する勇気を持てないハルは徐々に閉塞感に悩むようになってしまう。
でもハルに夢中なリコは、ハルが息苦しさを感じていることを察しながら、ハルを離したくないがゆえに束縛するようになります。
この二人の関係を見ていると、恋愛の嫉妬や温度差はどこのカップルでも普通に起きていることで、レズビアンに限らず誰にでも言えることのように思えてきます。
あとストーリーのなかで触れられる、タイトル『カケラ」の持つ意味は、自分にない何かを補い合う何かを意味している感じでしょうか。
それはリコのメディカルアーティストという職業にも表れていて、リコ自身自分に欠けている何かを強烈に求めていることが伝わってきます。
愛は補うことではない(ネタバレあり)
『カケラ』とは自分にはない何か。その何かを恋愛で満たせるか。そんなことが伝わってくるストーリーです。
その中には、子孫を残せない同性愛の宿命も語られますが、どれほど好きになっても相手と同化することは不可能という恋愛の儚さを、レズビアンカップルの関係から描いていることが伝わってきます。
一度は距離を置くことを決めたリコとハルの心が再び繋がるのか、それともここで終わるのかはこの物語ではわかりません。
ただ、二人が過ごした時間は有益で、きっと未来に繋がる経験として生かされていくはずです。
▼LBGTを取り上げた映画はこちらにもあります!
それではまた。のじれいか でした。