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【映画】『メゾン・ド・ヒミコ』何度も見たくなる沼的魅力【ネタバレ。感想】

自分の父親がゲイで、家族を棄てたとしたら。

映画『メゾン・ド・ヒミコ』は、ゲイの父を持つ娘と、父の恋人を中心とする物語。

公開されたのは2005年ですが、たまにすごく観たくなる、癖になる映画です。

ストーリーについて、好きなところ、残念に感じるところをご紹介します。

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メゾン・ド・ヒミコ

 

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※本記事の情報は2021年5月時点のものです。 最新の配信状況はサイトにてご確認ください。

作品情報


2005年 日本 131分
監督:犬童一心

キャスト:オダギリジョー、柴咲コウ、田中泯、西島秀俊、歌澤寅右衛門、青山吉良

ストーリー


1958年に銀座に開店した『Bar 卑弥呼』は、1985年に二代目の吉田照男が二代目卑弥呼ママにになり店を繁盛させたが、2000年に引退、店も閉店する。

それから二か月後、神奈川県大浦海岸に老人ホーム<メゾン・ド・ヒミコ>が開設された…。

そんなオープニングで始まる本作。

24歳の吉田沙織(柴咲コウ)は小さな塗装会社(細川塗装)の事務員として働くが、借金があって金に困っている。そこに岸本春彦(オダギリジョー)が現れ、アルバイトの話を持ちかける。

大浦海岸の老人ホームで、週末だけ一日30,000円で雑用をしてほしいと。


ホームは、病床に伏せる卑弥呼ママ(田中泯)が、ゲイたちと暮らすためにつくった場所で、春彦は卑弥呼ママの恋人

そして二代目卑弥呼ママは、沙織の父親

沙織は、夫からゲイであることを打ち明けられて棄てられた母を看取り、母の入院費の返済のため、経済的に苦しく、副業をしまくっているのだった。

ホームには卑弥呼ママが、春彦をはじめ、身寄りのないゲイ数人と暮らしている。沙織を呼び寄せたのは、卑弥呼ママの余命を知った春彦の一存で、卑弥呼ママは関知していなかったこと。だが住民たちは沙織を歓迎する。

沙織はあくまで仕事として老人ホーム通いをするが、やがて入居者たちのそれぞれの事情、抱える悲しみを知ることになる。

好きなところ1・いい意味で非現実な世界観

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※本記事の情報は2021年5月時点のものです。 最新の配信状況はサイトにてご確認ください。

性的マイノリティから、老いや死、家族と孤独、といった奥の深いテーマに触れる映画なのですが、世界観がファンタジーなので、そこまで追い詰められずに観ることができる。

老人ホームの<メゾン・ド・ヒミコ>も名前らしく、その辺にある老人ホームのイメージとは違い南欧風な外観とインテリアで、オーベルジュかレストランを買い取った設定です。

実際ロケに使われたのは、御前崎にあるカフェ「ウェルカムティー」で2007年に閉店しています。mapを確認する限りだと外観は残されていました。

 

犬童監督のTweetですが、建物は売りに出されているみたい。

 
 
 
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入居者たちは楽しく暮らしていますが、やがて倒れる人も。後遺症が残ってしまえば、別のホームに移すしかないという現実も突きつけられる。

また、卑弥呼ママの病状がいよいよ深刻になると、実はホームは経済的に厳しくて、維持が危ぶまれるなどの問題も露呈します。

 

好きなところ2・若手俳優が美しい(ネタバレあり)



柴咲コウ、オダギリジョーが本当に美しい。深刻になってしまいそうな物語ですが、この若い二人の視線を通すことで、ファンタジーの要素が強められている。


また、沙織が勤務する塗装会社、細川を演じる西島秀俊もフレッシュ。近所の子供にいたずら書きをされた塀の塗装を依頼したことで春彦と出会い、女好きの癖に、春彦の怪しい魅力に翻弄されるなど、なかなかいい味を出しています。


今やベテラン役者になった彼らの若い頃のヴィジュアルが堪能できるのは、この映画の魅力の一つだと言えそうです。

好きなところ3・沙織の人間性(ネタバレあり)


自分たちを棄てた父の身勝手さを恨み、メゾン・ド・ヒミコの住民たちをよく思っていなかった沙織でしたが、父の場合も一例であり、人にはそれぞれの事情があることがわかってくる。


春彦との距離が近づくことで、沙織は、彼らへの理解が深まり、やがて父の人生も複雑な心境ながら受け入れようと思えるように。また、生前の母が自分に隠れて父の店に顔を出していたことがわかり、夫婦の絆にも気付かされる。


沙織は、親を恨みたくなる状況にありながら、父やその仲間の事情にも心を寄せることができる女性。他人を慮れる人だからこそ、女性に興味のなかった春彦が、人として惹かれていくのも、理解できます。苦労人なんですよね。

 

好きなところ4・楽しいオカマたち

 

ルビィ(歌澤寅右衛門)は口が悪いけれど、楽しい人でしたが、脳梗塞で家族に引き取られることに。でも息子家族はルビィがゲイなことを知らないので、そこはある種の賭だったり、切ない別れをする割にはおかしみもある。

元教師の政木(柳澤慎一)、元会社員の山崎(青山吉良)など、キャラの濃い人が集まっているのが魅力です。

好きなところ5・ほっこりするラスト(ネタバレあり)


田中泯演じる卑弥呼ママが亡くなり、卑弥呼の娘だからホームに通っていた沙織は、父の死によって、細川たちとも別れることになる。

このまま二度と会うことはないだろうね、と言いながら別れる、沙織と細川。

でも沙織との再会を望む、メゾン・ド・ヒミコの住人たちは、粋な方法で沙織との再会を果たします。ラストは、ほんわかファンタジーで好き。

 

残念なところ・子供たちがうざい(ネタバレあり)


メゾン・ド・ヒミコがある海岸近くに暮らす中学生らしい子供たちが、ゲイやオカマの老人ホームと知ったメゾン・ド・ヒミコの塀に落書きをしたり、水をかけたりするのですが、正直うざい。

落書きをすることで、春彦は沙織を通じて、沙織の塗装会社の細川と出会うので、書きは展開的には必要なのですが。

そしてその後、少年の一人が春彦に惹かれ、メゾン・ド・ヒミコに出入りするようになるので、繰り返される輪廻をイメージしたりもしているのですが。

さいごに


ふと思い出して、再見したくなる。そんな魅力のある映画、『メゾン・ド・ヒミコ』をご紹介しました。

▼この映画にもオダギリジョーが出ているらしいのですが、一体どこに? 私はこの場面じゃないかなと思うのですが……

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