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【映画】『星のフラメンコ』船乗り西郷輝彦が台湾で母探し【ネタバレ・感想】

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こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

『星のフラメンコ』は、西郷輝彦が主演をつとめた昭和の青春映画

商船学校の学生が、行方不明の母親を探すため、母の母国である台湾を訪れる。

母親はどこにいるのか?という謎解きと、現地で出会う美しい姉妹との交流が描かれます。

 

 



 

【映画】『星のフラメンコ』

 

作品情報

 

1966年 85分    
監督:森永健次郎
脚本:倉本聰

西郷輝彦、船員の制服が似合うわ

戦争や過去の悲しい出来事を振り返る物語でもある

脚本を書いてるのが倉本聰というのが驚き

 

キャスト


西条英司(西郷輝彦)
林華琴(汪玲)
チノ(松原智恵子)
渡瀬哲(川地民生)
林彩虹(光川環世)
財前公之助(嵯峨善兵)

 

ストーリー

舞台は新幹線が走り出したばかりの東京。商船学校の学生・西条英司(西郷輝彦)は、学校が夏休みに入り、妹・チノ(松原智恵子)のいる東京へと帰る。

英司とチノは台湾で生まれ、幼い頃に日本に戻っていた。二人の母親は台湾人のため一旦は台湾に残り、あとで夫と子供を追って日本に合流するはずが行方不明のまま十数年が経過。やがて父は亡くなった。

そのため英司は以前から母を探しに台湾行きを考えていた。そんなときチノの婚約者で英司の先輩・渡瀬哲(川地民生)から、自分の代わりに船で台湾に行ってほしいと頼まれる。それは自分を母探しに向かわせる計らいと気づく英司は哲に感謝しつつ、母を探すために台湾へと向かった。

台湾に着いた英司は、母が音楽教師をしていた学校を訪れるが、書類には帰国する予定であったとしか記されておらず、英司の母探しは早くも難航してしまう。

母探しの術を失い困惑する英司は、学校で子供に歌を教えている林華琴(汪玲)に母の面影を見る。また日本で歌手を目指したいと英司に話しかけてきた林彩虹(光川環世)は華琴の妹とわかる。

英司は華琴と共に母探しを始める。大使館などを回るが母の行方はわからない。

だが……。

昭和の時代感が切なく眩しい


母を探して台湾へ、といった物語です。

西郷輝彦と宮地民生の白い船員の制服が眩しい。旧型の新幹線から制服姿で降りてくる仕組まれたカッコ良さと、レトロ感がたまりません。

また東京の懐かしレトロ風景を楽しめると思っていたところ、主人公は台湾に行くので物語の半分は台湾です。台湾の街の変化は知っていれば楽しめそうですが。

主人公の英司は台湾で美人姉妹に出会うわけです。妹は歌手志望のおてんば女子で、姉は音楽教師でお淑やかな女性。英司の事情を知った姉は最初、妹が日本に行った時にお世話になるかもといった理由から、英司の母探しの手助けを引き受けます。

この姉役の林華琴を演じた汪玲(ワン・リン)という女優が楚々として美しい

特に英司と学校で出会う場面がいい。華琴がオルガンを弾き、それに合わせて子供達が歌うところは感傷的でうっとりします。

というわけで、女優・汪玲のことが気になったので少々調べました。

1945年10月10日、中国の江蘇省生まれ。その後香港で演技の勉強を学び、1964年に台湾で女優として活躍しました。1970年代半ばに銀行家と結婚して2人の子供に恵まれているそうです。

母親はどこに?(ネタバレあり)


英司の母探しを手伝ううち、華琴は英司に惹かれていきますが、その一方である事実がわかってきます。

台湾人の母は、現地に所有する土地を売って日本に向かうつもりでした。しかし母は土地の売買で騙されて金を受けれなかったことがわかります。そして母と取引して結果的にでも土地を騙し取ったのは、その後実業家として成功した林姉妹の父でした。


まさか自分の父がと知った姉妹はショックを受ける。

また英司は、母が知人に出した手紙を読む機会を得ます。
「自分は日本人になったのだから、自分が持つものは台湾に戻すのが筋。自分は誰のことも恨んではいない」といった内容でした。

それを読んだ英司は、その後の母の足取りは掴めないまま、時間切れになり帰国します。

英司が帰国後、婚約していたチノと渡瀬は無事に結婚式を挙げる。だけど英司の心は沈んでいる。 

そんなとき、英司の元に華琴が訪ねてくる。それはすでに英司の母が他界していたことを報せるものでした。

英司は再び台湾へ。華琴とその家族たちと母の墓を参ります。悲しみに暮れる英司でしたが、母が教えた日本語の歌が、台湾の人たちの心に残っていることで母への思いを昇華させ、華琴との未来のために前を向くのでした。

 

星のフラメンコの意味


この作品は西郷輝彦のヒット曲『星のフラメンコ』をイメージして撮られた映画で、脚本を担当したのは倉本聰です。人に歴史あり。

今でもヒット曲のタイトルをイメージした映画を作られていますね。
『ハナミズキ』(2010年)、『糸』(2020年)などが近い印象でしょうか。

ストーリーは青年の母探しですが、『星のフラメンコ』を本編にどう結びつけるのかなと思ったところ、英司の亡き父の友人で、英司の父親代わりでもある作曲家が発表したヒット曲が『星のフラメンコ』という設定です。歌詞自体「好きだけど離れている」なので異国の地を歌ったものと捉えることもできそうですし。

ラストで主人公も『星のフラメンコ』を歌い出しますが、ドラマの設定と歌詞が合っているかといえば、少々微妙な気もしましたけど。


母を騙した相手は、恋する女性の父なので、通常ドロドロの愛憎劇になりそうですが、そうはならない青春ストーリーなところが良くも悪くも特徴ではあります。

詐欺が判明してもそれは過去。恨しみからは何も生まれないから、前を見て生きていこうという考えです。この前向きなメンタルは、戦後の社会を建て直すためには必要な思考だったのかもしれないし、未來に夢を見られる時代だったんだろうなとも思えてきます。

ただストーリー的には無理のある展開だなーと感じるところも。

お母さんは騙されて土地を奪われたとしても、夫や子供に連絡も入れないのは不自然。もしお金がなくて日本に行かれないにしろ、手紙は書けるし連絡を取る手段はあるはず。

台湾人だった母が、日本人と結婚して日本人になったという気持ちが本当なら(母が知人に残した手紙の内容から)余計に日本に行きたいと願いそうですけど。

感じるところはありますが、昭和のレトロ映画なので、当時の空気感のようなものを楽しめます。役者さんもイケメンや美女揃いで、ファッションもかわいい。映像もきれいでした!

 


▼レトロな昭和の映画はこちらにもあります!

 

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それではまた。のじれいか でした。