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【Amazon Original】『HOMESTAY』(ホームステイ)アニメや原作と比較しても良作【ネタバレ・感想】

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こんにちは。 のじれいか(@noji_rei)です。 

『HOMESTAY』(ホームステイ)は、森絵都の小説『カラフル』の実写版ドラマです。Amazonオリジナル映画として、2021年2月から放送開始されました!

前世で罪を犯した魂が、「抽選に当選」して償いのチャンスを得て、100日限定で「小林真」という少年になって生きる話です。

この物語は、映画、ドラマ、アニメ、ラジオドラマとしても繰り返しドラマ化されている名作です。本作『HOMESTAY』のストーリーは、原作のテーマに忠実で、しかも独自のキャラクターを作り上げている、個人的にはとても好きなドラマだな感じました。


 



『HOMESTAY』(ホームステイ)

 

作品情報

2022年 112分  

監督:瀬田なつき

 

キャスト

 

シロ(長尾謙杜)小林真の体を100日間借りる魂
藤枝晶(山田杏奈)真の幼馴染で同級生
高坂美月(八木莉可子)真の憧れの先輩
小林満(望月歩)真の兄で医大生
小林真の母(石田ひかり)パート主婦
小林真の父(佐々木蔵之介)海外勤務が多く不在がち
管理人(濱田岳)シロに小林真の体へのホームステイをすすめる謎の人

予告

www.youtube.com

 

ストーリー


ある日、魂のシロ(長尾謙杜)は突然現世に戻り、病室の処置室で看護師の格好をした管理人(濱田岳)から「ご当選おめでとうございます!」と声をかけられる。

管理人の声に驚くシロは気付けば少年の姿に。また周囲は時間が止まっている


すると管理人は「あなたは前世で相当やばいことをやらかしている、だけど復活できるチャンスを得られたよ」と小林真の肉体にホームステイするチャンスを伝える。

ホームステイの期間は100日。

その期間内でシロは「小林真が死んだ原因は何か?」という問題について答えを探さなければならない。

もし誰かに話したり、お手つきの3回で正解できなければ、シロの魂は終了。そして管理人は100日の砂時計を手渡した。

小林真になったシロは、病院から退院して小林家へと戻り、やがて学校(高校)にも復学する。

やがてシロは、小林真が何故病院に入院していたのかが気になり、母(石田ひかり)に尋ねる。すると母からは怪我で入院していたのだと曖昧な答えが返ってくる。兄の満(望月歩)は真が記憶を失っていると思っているので、思い出す必要はないとそっけない。

そんな状態だったが、シロは新しい家族や学校を「どうせ小林真という他人の人生」と気軽に楽しんでいる。しかし、やがて小林真が死んだ理由を探すという問題を探るため、真の生活に馴染もうとするのだが……。

 

管理人が七変化


魂のシロは小林真の身体にホームステイしますが、小林家の家族をはじめ、会う人は全員初対面なので戸惑うことが多い。

すると原作でのシロは、管理人(原作では「プラプラ」)を頻繁に呼び出して色々と尋ねます。しかし本作では管理人が現れる機会は多くありません。それもシロが管理人を呼ぶのではなく管理人の方から姿を変えて登場します。

つまりこの話ではシロに困りごとがあっても管理人を呼べる設定ではないので、シロは小林真の悩みと葛藤を自力で探ることになり、必然、物語の深みが増した印象がありました。

濱田岳だった管理人は、次のような人たちに取り憑いてシロに話しかけます。

・渋川清彦(タクシー運転手)
・美術教師(眞島英和)
・阿川佐和子(街頭演説中の政治家)
・篠井英介(車に乗る男)
・渡辺大知(路上ミュージシャン)


友情と恋愛、問題の多い家族

本作での小林真の両親は、父は多忙で不在がち、母はパート先の上司と恋仲という仮面夫婦のような関係です。原作と比較すれば問題が多い家庭かな、という印象でした。

また原作での小林真は男同志の友情を育みますが、本作では女子との恋愛と友情が中心です。真は先輩の美月への恋心があり、また幼馴染の晶からは真が思いを寄せられています。

個人的には男同士の友情がメインの方が好感度が高いのですが、原作の真は中学生ですが、本作での小林真は高校生です。それもあってか小林真の周囲の人間関係は全体的に複雑になっている。問題が多いだけ葛藤もあるので深みが増した印象はあります。

真が死のうとした理由


やがてシロは管理人たちから、残り時間がないと急き立てられ、真の心の内を見つめることになる。そうするうち兄の部屋から、真の書いた遺書を見つけ出します。

そこには真の自分自身への嫌悪感が切々と綴られていました。自分に価値がなく必要とされない存在であること。ただ先輩の美月は唯一自分の理解者と信じていましたが、その美月の裏切りを知り、真は絶望、死を選ぼうとしたことがわかってきます。

また、美術部員で美大に入学を希望する真は、父親から絵を辞めるように迫られたことも真の心を追い詰めた理由の一つでした。

そして、シロは小林真本人に、この身体を返してあげたいと願う。そこでシロはようやく自分が小林真自身であったことを思い出します。

父親の違い

原作の小林真の父親はサラリーマンで、会社の不祥事が原因で自分が昇格したのを単純に喜ぶ危機感のない人です。

本作の佐々木蔵之介が演じる父親は、海外転勤が多く留守がち。しかも真が絵を描くのを嫌がり、筆をへし折ってしまう強引さがあります。当然ですが真が美大への進学を希望することも認めません。

でも内心では自分の思い込みと頑固さが、息子の将来をダメにしてしまうのではと危機感を感じていました。

砂時計のアイテムが効いてる


シロが小林真にホームステイできるのは100日。その100日を示す砂時計が、時の流れの表す象徴としてたびたび登場します。

それはシロが他人の体で過ごす100日のようで、本当は小林真が自分自身の100日を使っていることを意味しています。

時は有限だという意味でもあるのでしょう。

「人生はしょせん長いホームステイ」苦しみ過ぎないで、だけど自分の時間を大切に生きていこう。そんなメッセージが届きました。

 

▼『カラフル』の記事はこちらにもあります!

noji-rei.hatenablog.com

 

 

それではまた。のじれいか でした。