映画『響-HIBIKI-』は天才的な才能で文壇界にデビューする女子高生の物語。小説家の周辺事情が描かれます。
主人公は欅坂46の平手友梨奈。北川景子、柳楽優也、小栗旬と脇を固める俳優陣も豪華。
ネットではなかなかの高評価な映画のようですが、ストーリーには違和感が、配役や演技は好きでしたけどね。
ストーリーと、本作を観て感じたことについて書きます。
響 -HIBIKI-
作品情報
2018年 105分
監督 月川翔
キャスト
鮎喰響(平手友梨奈)
花井ふみ(北川景子)
祖父江凛夏(アヤカ・ウィルソン)
椿涼太郎(板垣瑞生)
神田正則(高嶋政伸)
田中康平(柳楽優弥)
矢野浩明(野間口徹)
鬼島仁(北村有起哉)
祖父江秋人(吉田栄作)
山本春平(小栗旬)
予告
ストーリー
女子高生で15歳の響(平手友梨奈)は、ブレない圧倒的な世界を持っている。
怖いもの知らずで、自分の考えを決して曲げず、間違っていると思えば、相手が誰であっても屈しない。
そんな響は出版社の文学賞に原稿を送るが、応募規定に合わない手書き原稿だったため破棄される寸前のところ、文芸担当編集者の花井ふみ(北川景子)に拾われた。
小説のタイトルは『お伽の庭』。響の小説を読んだ花井は、この小説の世に送り出すために編集者になったのかもと思うほど感動する。
響の連絡先がわからずにいた花井だったが、世界的な作家、祖父江秋人(吉田栄作)の自宅を訪ねたとき、やはり小説を書いている祖父江の娘、凛夏(アヤカ・ウィルソン)と同じ高校の響と対面した。
響は文学賞で受賞するが、暴力や問題行動を繰り返し起こすので、花井は翻弄されてしまう。
やがて芥川賞・直木賞のノミネート作品が発表され、響の作品は芥川・直木の両賞にノミネートされるのだった。
作家なら言葉で反論してほしい・ネタバレあり
響が手を出してしまうのは、相手がゲスなときもあるのですが、作家であるなら文字で、少なくとも言葉で論破して欲しかったですね。
少なくともいきなり暴力を振るったりすることが許される話ではない。授賞式で椅子で殴りかかる場面も、文学賞に同時受賞した田中康平(柳楽優也)がスピーチをしている最中なのですが、そんなのあり得ないし、訴えられてもおかしくない。
叩いて済む世の中なら、文学や文字はいらない気がするんですが。
15歳なので無茶ぶりもギリギリ許されるのかもしれませんが、響は作家になるつもりはないが、試しに出しただけで、小説家になるつもりはなかったらしい。
それなのに思いのままに振る舞えるのは自分が高校生と知ったうえの確信犯か、
特別な能力を持つ人間だけに許される権限なのだと、暗に言われているようにも思えたり。
凛夏と響の関係はいい・ネタバレあり
凛夏は世界的小説家の娘で、苗字を隠してネットで小説の投稿を続けている。一見すると軽薄そうな女子高生に見えても、父親に迷惑をかけてはいけないと考える、気遣いがある常識的な女の子です。ただその分、周囲とうまくやることに重点を置いてしまいがちで、自分のデビュー作の小説も、花井ら出版社からの意見を取り入れすぎてしまい、満足できるものではなくなってしまった。
やはり出版社からの勧めで有名作家の父親の娘であることを公表したため、凛夏の小説は売れますが、芥川賞にはノミネートされず、自分を出しきれなかったことを響から指摘されて関係は悪化します。
この二人のぶつかり合いはとてもいいと思いました。凛夏の葛藤は、おそらく響には理解できない。なぜなら響が大切にしたのは「書きたいものがあるから書く」それだけ。だから凛夏は響の身勝手にも思える行動や言動に、自分にはないものを感じて惹かれていくのがわかります。
凛夏の出版した小説を「つまらない」と言い切る響と、言われなくてもわかっているので腹立たさを覚える凛夏とは、本気の殴り合いをします。
この場面は若く多感な女子の愛のあるぶつかり合いで、作家として同じ道を歩む二人の友情が表現されていました。
二人が成長していく姿を見てみたい。そんな気がしましたね。
平手友梨奈とアヤカ・ウィルソンの組み合わせもよかったです。
ラストで小栗旬が登場・ネタバレあり
結局、響は芥川賞と直木賞の同時受賞を果たしますが、授賞後の会見で、花井が必死にガードしたのに以前から響に接触していた雑誌記者の矢野浩明(野間口徹)から責任を負って筆を折るべきと指摘されたことで、マイクを投げつけて会見をめちゃくちゃにします。
またいつの世も、受賞者がいれば落選者が存在します。
小説家の山本春平(小栗旬)もその一人で、肉体労働をしながら小説を書き続け、何年も芥川賞にノミネートされながら落選してきました。
▼こちらの主人公も小説家
必死に書いて賞にはノミネートされましたが、受賞者は響で山本は落選です。
会見をめちゃくちゃにしてしまった響は、なぜか夜の踏切の前にいる。そこに落選した山本が思い詰めた表情で立っており、今にも線路に入りそうになっている。
尋常ではないと感じた響は、山本を止めるため、線路に入って電車を止める。
山本は自分は小説家で10年書いてきたが結果を出せなかった「駄作しか生み出せなかった疲れた」と響に打ち明ける。
響は「10年やってこれたのなら、面白いと思ってくれた人もいるはず。作者の分際で自分の小説にケチをつけるな」と喝を入れます。
線路内に侵入して電車を停車させた響は、警察に連行されます。鉄道会社から賠償金を請求されるだろうと連行されるパトカーの中で聞かされますが、響は大騒動を起こしてしまいながら本はなんとか出版できそうなので、印税で賠償金は払えそう……と一安心です。
響たちの物語と並行するように小栗旬演じる山本の姿が出てくるのですが、ここで重なるのかと納得でした。
山本の姿に実際の小説家を思い出しました。
佐藤泰志『オーバーフェンス』『そののみて光輝く』などの作品を手がけ、芥川賞にノミネートされましたが受賞に至りませんでした。
芥川賞・直木賞のダブル受賞はあり得ないが…
この物語は漫画の『〜響 小説家になる方法』が原作です。現実には芥川賞と直木賞で同時に受賞されることはあり得ない。
それだけ万能感のある主人公であることを描きたかったのでしょうね。現実を曲げてしまえるくらいの実力という非現実感はいいですね、物語が進むうちに響の書いた小説を読んでみたくなってきました。
さいごに
平手友梨奈、映画『響-HIBIKI』をご紹介しました。
好き嫌いが別れるストーリーではありますが、本好きな方、平手友梨奈に興味のある方にはオススメしたい映画です。
月川翔監督の作品はこちらにもあります!
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※本記事の情報は2021年3月時点のものです。
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それではまた。
のじれいか でした。