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【映画】『銀座二十四帖』昭和版「アド街」これは貴重な映像

映画『銀座二十四帖』。
1955年の日活映画、川島雄三監督作品です。月丘夢路、三橋美智也、北原三枝といった昭和を代表する映画俳優たちが出演しています。

交通手段や通信が現在のように便利ではなかった時代。当時の銀座は、多くの人たちから憧れの場所だったのでしょう。

本編は離婚を考えた女が、銀座にある実家に里帰りをする物語です。
 

人探しでちょっとした謎解きがドラマの主題ですが、一方でこの映画の面白いところはナレーションによる街の紹介があるところ。当時の暮らしであったり、街の風景が楽しめる仕組みなのがいい。

『銀座二十四帖』の面白さを紹介していきます。

 

 

銀座二十四帖

 

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作品情報

 

製作年度

1955年

上映時間

116分

監督

川島雄三

キャスト

京極和歌子(月丘夢路)

コニイ(三橋達也)
仲町雪乃(北原三枝)

 

赤石峰男(岡田真澄)

湯川修(長谷部健)

桃山豪(安倍徹)

 

望月三太郎(大坂志郎)
ルリ(浅丘ルリ子)

ナレーション(森繁久弥)

京極克巳(河津 清二郎)

  

美貌の人妻・絵を描く男たちが「G.M」を追う

 

月丘夢路演じる主人公の京極和歌子は、鵠沼に嫁いだ美しき人妻。しかし夫が怪しい仕事をしていることと、姑との関係も悪化していたため、銀座で老舗の料理屋を営む実家に身を寄せる。目的は所有する絵画を処分して、得た金で商売を始めること。和歌子には幼い娘がいますが、仕事が軌道に乗ったら引き取ろうと考えている。 

和歌子の実家は父は他界していますが、父の再婚相手の女将は元従業員店らしく、和歌子とは懇意で軋轢などない、よい関係、優雅な雰囲気です。

和歌子の元には画商が訪れますが、幼いときに和歌子の自画像を描いたG.Mと名前の入った絵は愛着があるので手放さないと言います。画家の名は「ゴロウさん」としか和歌子は記憶していません。画商は絵を陳列したら画家が見つかるのではと提案します。そうしたところ、自分の描いた絵と偽物が名乗り出てきたり、花屋を営むコニイ(三橋達也)がG.Mは自分の知り合いかもと思うなど、ちょっとした謎があるのもいい。

 

 

 


コニイと和歌子は、和歌子が客として花を買い求めてからの仲。コニイは絵がうまくて銀座の街では顔の広い男。銀座の街に根付いて、ルリちゃん(浅丘ルリ子)らを雇い入れてまっとうに暮らしています。

和歌子が銀座に身を寄せてすぐ、従姉妹の雪乃(北原三枝)が雑誌のオーディションのため大阪から上京します。雪乃は、和歌子の実家前で風景絵を描く男、望月三太郎(大坂志郎)に興味を持って接近しますが、三太郎も実はただ絵を描いているだけではなさそう。

和歌子をめぐる絵を描く男たちが、絵を描いた男「G.M」を探すわけですが、一体絵を描いたのは誰なのでしょう。

三味線が遠くから聞こえてきて、なんとも優雅な風景が楽しめます。映像はモノクロですが、趣があっていよい感じ。主人公の和歌子を中心に、画家探しと街で起こる出来事でストーリーが進む群像劇。銀座は舞台ですが、たまに和歌子や雪乃が大阪にいたり、嫁ぎ先の鵠沼にいたりと、あらゆる場所が登場するのが楽しいところです。


雪乃のオーディションが松坂屋(現 GINZA SIX)で開催され、当時のトレンドが紹介されます。築地警察や銀座教会などは建物は変わりましたが、場所はそのままなので周辺の変化が手に取るようにわかりるのが面白い。
 

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銀座の秘密がわかるとき

 

夫と別れるつもりで準備を進めていた和歌子は、コニイの花屋で働き始めます。そこでコニイはG.Mとはおそらく戦地で亡くなったと思われる自分の兄ではと告白する。同じ頃、和歌子は夫から会いたいと呼び出されていました。

 

 

 


和歌子に代わってコニイは和歌子の夫に会いに行く。そこで闇の世界の元締めがG.Mと名乗っていることをコニイは知りますが、コニイの兄が生きていたわけではありませんでした。兄の親友で、和歌子の夫、京極(河津清二郎)が、勝手に兄の名前を名乗っていたとわかります。つまり今やG.Mとは京極の影の呼び名だったのです。

京極は和歌子と離婚するつもりはないと言いましたが、警察から追い詰められて離婚届をコニイに託す。またのんびり料理屋の前で絵を描いていた望月は実は警官で、京極と接触するかもしれない和歌子を張り込んでいたのでした。

絵を描く男たちの活躍と真実がわかる展開は、なかなか見事です。

さいごに

 

この映画『銀座二十四帖』には、当時の都市の賑わいが、森繁久弥のナレーションと共にさりげなく紹介され、ストーリーとは別の見所があります。

物語としてはそれなりにアウトローな場面もありますが、明るく軽快なナレーション(ディスクジョッキー)が映画をまったく違う意味で楽しませてくれる。昭和20年代の『アド街ック天国』といえばわかりやすいかもしれませんね。当時の風景と現在を重ねながら観るとより楽しめます。


出演女優もみんなきれい。
月丘夢路は超絶美人で、現代でたとえると、比嘉愛未に雰囲気が重なります。北原三枝の本名は石原まき子。1960年に石原裕次郎と結婚して女優を引退します。
花屋の女の子役でまだ少女の浅丘ルリ子が出演していますが、初々しくて本当にかわいい。

 

 

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それではまた。
のじれいか でした。